2011年01月11日
銀英伝、予習・復習
おつおつ、銀英伝の舞台が始まって数日が経ちました。
なにやらいろいろ感想なんかを聞くんだけど、やっぱり内容わからねーってのが一番多いみたい・・・(苦)
そうだよね~そうだよね~って事で、舞台を見た人もこれから見る人も、内容を理解しようぜ!ってなことで、解説を書くことに決めたよ。
だってあれだけのチケ代払ってさ、何にも解んなかったなんてちょっと腹立つじゃない?
アタシならチケ代返せ!!って言いたいよ(笑)
そんな訳で、わかりづらい部分だけを解説しようと思います。
あそこはそういう事だったのか~~~と理解していただけたら嬉しいなと。
だって、銀英伝、ホントはとっても面白いんだもん!!!
あの舞台だけで訳のわからん話だと思って欲しくないのだ。
ってな感じで、舞台に沿ってネタバレしていくので、続きに書くが、実はCSを見れる人には朗報だ!!!!
ファミリー劇場で、日曜日に銀英伝がやっている!!!!!!!
1ヶ月で今回の舞台の部分までを網羅してくれるぞ!!!!!!
昼の12時~6時までの一挙6時間。
本編と外伝を交互にやるらしい。
しかも今度の16日の日曜日が、調度オーベルの登場シーンだ!!!!!!!!!!
なので気になる方は見てみるのもいいかも。
それと過去にヒロの銀英伝の話が決まった時にこのブログでも登場人物や背景についてちょっとだけ解説したので、そちらもよければ参考にして欲しい。
カテゴリーの小説のところに行くと4つぐらい上がってる。
そんな訳で以下ネタバレの解説へGo!!!!
それじゃあ幕開けから解説していくぞ!!!!!
今回いきなりコロスのダンスで始まるのだが、そもそもコロスって一体何ぞや???って方の為にちょっとだけ説明。
コロスって言うのはギリシャ・ローマなんかの古典劇の中でよく見られる、ま、言ってみれば一種のナレーターのようなものなのだ。
コーラスの元になったと言われてる言葉で、合唱隊なんかの役割を担ってきた。
ギリシャ古典演劇なんかの中では歌いながら踊る群衆が現れるんだけど、それがコロス。
コロスの役割は多岐に渡っていて、登場人物の心情を呟いたり、時には神の声になったり、民衆の声になったり様々。
近代演劇ではリアリズムが追求されてきてコロスの役割は消えていったけど、古典劇においてはこのコロスの存在が劇の進行に大きな役割を果たしたの。
で、今回の銀英伝ではこのコロスに様々な2つの役割を与えている。
ひとつは艦隊としての役割、もうひとつは空気感。背景、心情と言ってもいいかもね。
最初の登場シーンは背景としての登場。
で、今回の芝居においてコロスが郡読をするのは決まってこの背景や心情を表してる部分。
艦隊としての役割を果たしてるところは何もしゃべってない。
コロスが出てくるような芝居を見たことがない人は、何だこのダンサー達は・・・って思ったかもしれないけど、そういう役割があったんだよ(苦)
で、そのコロスたちがしょっぱな背景を語っている。
銀英伝における基本情報だね。
ここが未来の話で・・・ってな事。
じゃ、その銀英伝の世界をちょっとだけ説明。
これも過去に詳しく書いてるからそっちも参考にしてもらえると・・・。
今回の話は銀河帝国の話。
人類が地球ではなく銀河系という惑星を居住区にし、宇宙歴という新しい暦を作り上げた後、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムという1人の男によって銀河帝国が誕生した。
が、このルドルフ、ナチスのような政治をして、「劣悪遺伝子排除法」っていう法律を定めるのね。
それによって虐げられた人たちが銀河帝国を脱出して長い航海の後銀河系の片隅に居住区を作ったのが自由を旗印にする自由惑星同盟という民主主義国家。
やがて自由惑星同盟の存在が銀河帝国に知られ、そこから帝国軍と同盟軍の長い戦いが続いているよ、と言うのがこのコロスの語った導入部分。
そしてそこに1人の天才が現れた。それがラインハルト・フォン・ローエングラムというところでラインハルトの登場となるのだが・・・。
ここからはコロスは背景を語る役割じゃなく、艦隊へと変わるんだよね。
その辺の切り替えが上手く出来てないからちょっと最初は戸惑うんじゃなかろうか。
そしてラインハルトと共に数人の将校が現れて、いきなり話は戦争になるんだけど、これはアスターテ会戦と言う銀英伝最初の見せ場の戦いなんだね~。
これは相手は同盟軍。
じゃあ、あのコロスたちの変な動きは何をやってるかと言うと・・・。
ラインハルト貴下の提督たちが出てきて「ファイエル!!ファイエル!!」言ってたのはこの辺のくだりかな?
「ファイエル!!」って言うのは「撃て!!!」ってことね(笑)
この戦い、同盟軍は艦隊を3つに分散させて帝国軍、これはラインハルトの艦隊なんだけど、それを囲い込んで集中砲火を浴びせようとするのね。
その策を見破ったラインハルトは、それならばと一個ずつの集団を各個撃破する策をとると言うもの。
囲まれそうになるその隙を突いて、それぞれの艦隊の後方へ回り込み一個ずつ撃破していく。
この作戦は上手くいって2つまでは撃破出来たんだけど、残るひとつに今回はスポットを当てられなかったが、度々セリフの中には登場したヤン・ウェンリーなる同盟軍の奇才がいるの。
で、ヤンはラインハルトのこの策にいち早く気付き、分散させていた兵力を集中させようとするんだけど、ヤンは艦隊隊長ではないのよ。副官。
隊長はヤンのいう事を受け入れようとしないで前進あるのみ!!って感じだったの。
そんな隊長の艦隊がやられ、ようやくヤンに指揮権が渡ってきたんだけど、その時にはもう遅くて2個艦隊は撃破された後だったのね。
この時ラインハルトは勝利を確信したんだと思うんだけど、ヤンはそんな残存勢力をかき集めて必死に同盟軍に逃げ帰るの。
そんな訳でラインハルトは完全なる勝利を手にする事が出来ずにこのアスターテ会戦は幕を閉じるのね。
これがラインハルトとヤンの初めてまみえた戦いなの。
銀英伝ってのはこの2人の戦いを主軸に話が進んで行くんだけど、今回はこの話は重要じゃない。
今回取り扱ったのは、ラインハルトが権力を掴んでゴールデンバウム王朝を倒すところまでがメインの話。
もちろんその間にも同盟軍との小競り合いはあるんだけど、メインはゴールデンバウム王朝で甘い汁を吸ってきた貴族達との話。
舞台ではラインハルトがキルヒアイスにこの時の司令官は誰だと聞いて「ヤン・ウェンリー」と言う名が出てくるんだけど、これが余計にややこしくなってるのかもね。
整理しておくと、ラインハルトにはこの時、ふたつの敵がいる。
ひとつは銀河帝国そのものの敵とされる自由惑星同盟軍。ラインハルトにとっては「ヤン・ウェンリー」と置き換えてもいいかもね。
殆どがヤンとの戦いになるから。
で、もうひとつがラインハルトがのし上がる為に邪魔な帝国内の特権階級を私利私欲の為に使う貴族達。
これがごっちゃになるとややこしくなる。
今回の舞台、その辺が親切じゃなくて、どうもずっと同盟軍と戦ってると思ってる人がいたみたい。
帝国軍の軍服もラインハルト貴下の人と貴族とでは若干デザインが違ったみたいなんだよね。
だから余計に。
今回の舞台には同盟軍の人はキャストとして1人も出てきていません。
名前が出てきたのもヤンだけ。
だからみんな帝国の人なんだよ(笑)
じゃあ、その帝国のラインハルトに敵対することになる貴族達を紹介しましょうかね。
まずは、何でラインハルトが貴族達と敵対するようになったかって事をさらっとね。
ラインハルトにはアンネローゼって言うお姉さんがいて、このお姉さんが皇帝の愛人として連れてかれちゃうんだね。
そんな理不尽な思いをしたラインハルトは大好きなお姉さんを取り戻す為に、皇帝以上の力を手に入れようと誓うわけ。
そんなラインハルトの決意に、ま、言ってみれば巻き込まれたのがキルヒアイス(笑)
が、このキルヒアイス、アンネローゼに憧れを抱いていたらしく、アンネローゼの「弟と仲良くしてやってね。」と言う言葉を守り続け、ラインハルトと共に邁進していくんだけど。
それでもラインハルトに能力がなければ貴族達の神経を逆なですることもなかったんだろうけど、このラインハルト、その才能でかなりのスピード出世をするんだよね。
それが他の貴族達には面白くない。
まして姉が皇帝の寵姫であることで余計にやっかまれるんだね。
もちろんラインハルトだって自分の姉を奪った奴と同類だと思ってるからよく思ってるはずがない。
もともとラインハルト自体、歯に衣着せぬタイプだから必然、貴族達と対立する図式になるわけだ。
で、いよいよラインハルトがそれなりの地位につき、権力を持ち始めると貴族達はそんなラインハルトを失墜させようと帝国内部を二分する内乱が始まるって訳だわ。
そんな最中、皇帝が亡くなったりと、ラインハルトの後ろ盾はなくなったように思われるわけ。
貴族達的にはね。
舞台の方は皇帝が亡くなるところで1部が終ってるよね。
この1部の間に、皇帝とアンネローゼの関係、キルヒアイスとの関係、父親との関係なんかが順々に説明されていく。
この辺はまぁ、舞台を見てれば何となく解るかも。
ちなみに父親とのシーンはすべて回想。いきなりカットインしてくるけど(笑)
それとラインハルト陣営の主だった将校もここで出揃ってくるよね。
オーベルのくだりもそういう意味では1部の見所のひとつだとは思うけどね。
今までキルヒアイスのみを腹心としてやってきたラインハルト。
もちろんその貴下には言わば新進気鋭の将校が集まってくるんだけど、その人達はどちらかと言うとラインハルト崇拝派。
そんな中に1人だけ異種なオーベルシュタインがやってくる。
ラインハルトのカリスマ性をも冷静に分析するオーベルシュタイン。
この対比はかなり面白いと思うけどね。
ヒルダの参加の仕方も微妙な書かれ方だけど、ヒルダも崇拝派の一人に入るかな。
あの書かれ方だと解りずらいけど、あの瞬間に帝国内部ではラインハルト側につくか、ブラウンシュヴァイク公を筆頭にする貴族達につくかを迫られてるんだよね。
そんな中で貴族でありながらラインハルトにつく事を強く父親に勧めたのがヒルダなんだよね。
そしてその交渉に自らがやってくる。
実はそういうシーンなんです。
ラインハルトはヒルダの聡明さを気に入り、自分付の部下として最初は迎え入れる。
劇中ではいきなり最後に秘書官に任命されるまで出番がないけど、その間にも幾度もラインハルトはヒルダに意見を求めてるシーンがあるんだよ。
そんな事もあって、キルヒアイスが亡くなった後、秘書官として正式に幕僚に迎えられると言うのがヒルダのポジション。
だから最後だけ軍服でしょ?
オーベルシュタインとこのヒルダは実は微妙に対になってる。
どちらも自分の旗艦を持たないこと、ラインハルトが意見を聞くこと、ラインハルトに意見の出来るポジションであること。
考え方は正反対だけど、オーベルシュタインが影の部分を受け持つのに対して、ヒルダが光の部分を受け持ったようになっている。
これは生きていればキルヒアイスが受け持っていたポジションだったんだけど。
そのことをヒルダは解っていて、キルヒアイスのポジションに収まっている、キルヒアイスなら・・・と考えて意見することもあったりする。
なのでそういう意味ではヒルダの書かれ方がちょっと足りなかったのかな~と思う。
あれだけではとても聡明な人とは思えない・・・(苦)
ちょっと寄り道しちゃったね(笑)
まぁ、そんな感じで1部は終る。
長くなってきちゃったから一旦切りますか(苦)
次は2部ね。