2011年11月19日
銀河のワンコ日記その2
てなわけで切られた続きですわ(笑)
今度は舞台上手から引きづられて登場の青年パウル。
「立て。パウル。」
どうやらパパのスパルタ教育中。
この日のパウルはどうも体調が良くなかったらしくパパの逆鱗に触れちゃったんだね〜。
で、それを必死に母さんが庇うんだけど、誰のせいでこんなひ弱になったんだと母さんまでパパの餌食に。
そしてそんな母さんを必死にかばうパウル青年。
「パウル。その優しさは捨てろ!優しさは甘さだ。冷徹な姿勢を崩すな!!」
どうやら冷徹仮面の下地はこういうパパの教育の賜物だったんですね〜〜〜(笑)
「お前は悪しき遺伝子だ。しかし、このオーベルシュタイン家を継がねばならん!!」
とパパも必死なんですよ。
私ね、結構このパパ嫌いじゃないのよ。
ものすごく解るっていうか、居るよ〜こういう人って思うのね。
パパにはパパの信じてるオーベルシュタイン家のあり方があって、それは代々受け継がれて来たもので、自分の代で・・・って言う考えももちろんあるだろうし、きっとこのパパ自体がそれ以外の生き方を知らずに生きてきたんだろうな〜って思うわけ。
汚点があることなんて許されないし、そのための努力もしてきた人なんだろうね。
だからこそ汚点とも思える母とパウルの存在が自分の中で許せなかったんじゃないのかしら。
本当はどちらも愛したかったに違いないけど、そうしてしまったら自分の拠り所を失ってしまうんだろうな。
このパパこそ冷徹な仮面を被った人の一人だったとも考えられるわけで。
だって現フューラーだからね。
あ、フューラーっていうのはハウンドの実権を握っている総裁の事です。
でもって、さらにパパはシュテファンにも
「パウルはこの通り惰弱。」
と吐き捨てるわけですよ。
なのでお前が強くなりパウルを支えるんだ。それがお前の生きる意味だと、もう完全に選択の自由を奪っていくわけですよ。
そもそもシュテファンはここへ引き取られた段階でその後の生き方を決定づけられてしまっていたけどね。
そんな事があったせいで青年パウルは自分が悪しき遺伝子の子供なのかと疑問を持つようになるんだな〜。
そんな回想シーンが終わり、またしてもヒロの
「父上、兄さんはますます父上に似てきましたよ。」
のセリフで現実世界へ。
痛む義眼を抑えながら、
「私は父上の望むようには出来そうもありませんが・・・。」
と現在も疑問をもっていることを匂わせつつ暗転。
で、ここからこの芝居の唯一のおちゃらけキャラ、ハウンド三人衆の登場です。
おちゃらけと言っても言うほど芝居の空気を壊すわけじゃないので、私はこのくらいのさじ加減は好きだな。
が、一部ではこんな奴らが優秀なハウンドには見えんと言う声も聞くから、まぁ、好みは分かれるところだけど。
確かに優秀そうには全く見えないけど、芝居のバランスとしては好きな感じなんだけどな〜。
ハウンドが出てくる時は前回の第一章の時の舞踏会の音楽が流れるの。
これも懐かしい!!!!!!!
で、いろいろ報告をシュテファンにしていくんだけど、本質とは外れていると指摘するシュテファン。
という訳でさらに調査を続けろとハウンドを下がらせ、その報告にパウルの元へ。
その間にラインハルトはローエングラムの家名を次ぐことが決定した。
報告書を読んでパウルは特に注目すべき点はないと判断するが、それを兄さんが
「重要なことはそこには書いてない。」
と一蹴。
兄さん曰く、ラインハルトは不定な野心を秘めているということが解ったというのだ。
ここからがなかなかに面白い。
「しかし、野心を秘めていると言っても上級大将に昇進し、いずれは元帥。」
とどんどん出世コースを並べ皇帝の後ろ盾があれば帝国宰相だって夢じゃない人間に野心なんてと笑うパウル。
そんなパウルに詰め寄る兄さん。
「奴が帝国の打倒を口にしていたとしたら・・・!!」
「まさか。」
くつくつと笑うパウル。しかし真剣な表情の兄さん。
それを見て笑いを引っ込めたパウルが
「帝国・・・打倒・・・?この国を?」
と聞き返す。
それでも真剣な表情を崩さない兄さんにパウルは再び笑う。
「兄さん。」
「いや、まだ確証はない。引き続きそれを調べる。全てはその上で、だ。」
と真剣な表情のままパウルの部屋を出ていく。
ひとり取り残されたパウルは
「この国を・・・倒す・・・。」
と自問自答する。
「現体制を変えるというのか。ルドルフが作った、狂った国を・・・。」
ここのヒロがたまらんのだよ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
スポットがヒロにだけ当たる中、だんだんと紐解かれていくパウルの中の鬱積した現体制への憎悪がふつふつと溢れてくるのね。
上手くなったなぁ〜〜〜〜〜(感涙)
セリフのセンテンスの切り方が結構私好みで、自分的にはかなりツボを突かれた感じだったのよね。
「遺伝子を盲信するこの国を・・・。母を殺したこの国を!私の存在を否定しようとした!!・・・・この国を・・・?」
最後の「この国を・・・?」のところの表情が好き〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!
クソ〜〜〜〜〜〜文章じゃ上手く表現できないよ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!
とにかくね、ここですべてのパウルの動線が繋がった感じなのよ、私的には。
この舞台の最初から感じていた違和感というか、余りにも人格が違いすぎるでしょって感じだったのが、なるほどね〜この方向性か!!って思ったシーンなんだよね。
ここからだんだん引き込まれてヒロというか普通にパウルを見てる自分がいたよ。
お芝居の時はまぁ、そのキャラとして見るんだけど、ところどころにやっぱりヒロの人格を感じるっていうか、ヒロっぽいって思う部分が少なからずあるんだよね。
だけど今回の舞台に関してはそれがものすごく少なくて、本気で芝居を見てたんだよね。
それはやっぱり兄さんの岸さんとかパパの増沢さんとか周りの方々の雰囲気の作り方が上手いっていうのもあるだけど、芝居としてかなり完成度は高かったんじゃないかしら。
ま、銀英伝に対する自分のハードルがめちゃめちゃ低かったからっていうのもあるかもしれんが(苦)
第一章本編に比べたら格段の良さだもん(笑)
なんで最初っからこうしなかったんだよ!!!!!!!!!!!!!!!(号泣)
こういう作りで第一章も見れてたら全然違ったのにな〜〜〜。
この作りの中での芝居を見てみたかったよ。
皇帝とかマジでスゲ〜だろうな〜〜〜。
ブラウンシュバイクとかリッテンハイムとかもっと違った見せ方になったに違いないのに・・・。
とにかく、ここら辺からドラマが展開していくのね。
そして再び回想シーン。
よろよろと出てくる青年パウル。
「兄さん、シュテファン兄さん、どこ?」
どうやら義眼の調子がおかしいらしく(笑)真っ暗なんだとか。
で、青年シュテファンが駆け寄り義眼を外してチェックしてるところに母さん登場。
パウルもその声に気付き、義眼を外しているということを忘れ返事をすると、母さんは自分の息子の目に何も入っていない事に卒倒する。
もちろんこれは生まれてから何度もあったことだろうし、自分の子供が義眼だって事は解ってるわけだから、その空洞の目に卒倒したというよりも、そこに自らの罪を見つけて卒倒したんだけれども。
なんせ幾度となくパパから悪しき遺伝子だとかお前のせいだとか言われてたら、そりゃあそうなるわな。
で、ここでなんともあっけなく母さんは死んでしまうのだよ。
ま、これは舞台の演出上の見せ方なんだけど、母さんはパウルに謝りながら息を引き取るのね。
これはさ、結構唐突じゃね?って声も聞くんだけどさ・・・。
だから〜〜って思っちゃう。
もちろんこうなるまでには幾度もこういう事があったわけで、でも舞台という限られた時間の中でそれを全部見せるわけにはいかないんだよ。
だから出てきてすぐにあっけなく死んだみたいな描かれ方になってるけど、そうじゃないんだってば〜〜〜。
日々心を病んで行ってた母さんが自ら罪の意識に苛まれながら死んだってことの表現なんだってば〜〜〜。
ってかね、その後の青年パウルの泣き方が余りにもあまりにもだったんだよね・・・。
今回の舞台、かなりいい役者で揃えてたのに、この青年パウルが・・・。
残念すぎる・・・。
ものすごく芝居下手に見えちゃって、いや、実際そう上手い方ではないんだろうけど、周りのレベルが高いがために、ものすごく残念だったのね。
もちろん他にもそれほどじゃない人もいたのかもしれないけど、ここまで目立つ出番はなかったんだよ。
だからそんなに気にならなかったんだけど、青年パウルはさ〜〜〜もうちょっとキャスティング考えて欲しかったわ・・・。
ひ弱なイメージだけで選んじゃったのかしら?
ってかね、それにしても成人バージョンはヒロな訳じゃない?
この体型からどうやってあの体型???って言う(笑)
生まれつき病弱っていう設定自体がヒロには無理だったんだろうけど(笑)
大人になるまでにどれだけ筋トレしたんだよ!!って思うわ。
なのでもうちょっと線の太い人でもよかったのでは?と思う。
とにかくこの重要な母親が死ぬシーンで、等間隔の泣き声やめい!!!!!!!!!!!と言いたくなるわ。
もうね、一気に萎えるのね。
今まで張り詰めてた緊張感が泣いた瞬間に・・・
あのさ、犬猫が死んだわけじゃないんだから・・・。
あの泣き方だと「すずめのお墓」ってかんじなんだよね〜〜〜・・・。
でその途中で
「おかしいよ、兄さん。義眼から水が溢れて止まらないよ。」
って言われても・・・
おかしいのはお前だ!!!って突っ込みたくなるわよ。
が、その後すぐにパパが登場!!!
一気に芝居の空気を引き締めてくれたわ♪
「とうとう死んだか。我が家の恥め。」
ステキ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!
「母はもともと悪しき遺伝子のために心を病んでいたのだ。」
と淡々と告げるパパにゾクゾクしました(笑)
やっぱりこのくらいの緊張感がないと♪
で、ここでこの先の二人の行く末がパパの口から発表。
シュテファンは士官学校に入り、パウルも幼年学校に入るようにと。
「オーベルシュタイン家の家督を継ぐものとして形だけは整えておかねばならん。」
いいぞ〜〜〜パパ!!!!!!!!!!!!!!!
そしてここで実質的なハウンドの掌握権はシュテファンに、オーベルシュタイン家を継ぐのはパウルにということが告げられる。
「オーベルシュタイン家の表と裏、これまで代々の当主が一人で担ってきた事を、これからはお前たち二人で行うのだ。悪しき遺伝子の子でもそれくらいはどうにか出来るであろう。」
ドS全開!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しかも葬儀のことは任せてさっさと仕事に戻るパパ。
いいね〜〜〜鬼畜だね〜〜〜〜〜(笑)
パパが去った後、おそらく葬儀も全てが終わった後なのかな?シュテファンにパウルが
「ねぇ、悪い遺伝子って何?悪い遺伝子を持つのはそんなに罪なの?」
と。
シュテファンにももちろん答えられることではなくて
「全てはルドルフ大帝のお決めになった事だから・・・。」
「じゃあ、それが間違ってるんじゃないの?この国はおかしい!」
と言い張るパウルにシュテファンはそんな事を言うもんじゃないと諭す。
「人は運命には逆らえない。生まれた環境の中で生きていくしかないんだ。」
「でも母上の遺伝子が間違ってて、父上の遺伝子が正しいなら、父上と同じ遺伝子を持つ兄さんが、なんで使用人の立場なの!遺伝子が絶対ならそれだっておかしい!!」
とうとう痛いとこ突かれちゃいましたよ、兄さん(笑)
「それは言ったって仕方のない事だ。僕は納得している。だから二度と口にするんじゃない。お前は優しからそんな事思うんだ。でも、優しさは甘さだ。そんなことじゃオーベルシュタイン家は継げないぞ!」
このへんにシュテファン側の苦悩も見え隠れしていいね〜〜〜〜。
シュテファンはパウルに比べてやっぱり大人で、自分の置かれた状況、この国のあり方、パパの考え方、自分が生きていくためにはどうすべきなのかを全て諦めにも似た気持ちで受け入れてる。
そうしないとこの人は生きて来られなかったんだろうけど。
そうすることが唯一の生き方だったんだろうね。
この人も悲しい人なんだよ。
しかし若いパウルにはそんな事ちっとも解らない。
生まれた時から何不自由なく屋敷で暮らしてきたパウルには普通の生活、貴族じゃない生活なんて想像出来なかったんだろうね。
少なくともこの時点では。
シュテファンは引き取られてくるまではきっと底辺の生活をしていて、あのまま暮らしていれば20歳位には戦争に駆り出されて死んでただろうなんてことを後に語るんだけど、まさにそういう生活をしてきた人で、しかも母親だけの母子家庭でパパがその存在を探すまで放置されてたって考えられるからそれは結構な切り詰め生活だっただろうって思うわけよ。
だったら今の方が数倍もマシだなんてことは百も承知で、自分の生き方がたとえ歪められてたとしてもここにいることが最良なんだって思ってたんだろうね。
なんか切ないぜ、兄ちゃん・・・。
とりあえずこんな感じでやっと半分かの?
一旦切ります。