猫による捕食被害1羽に

プロジェクトが発足した、2014年には環境省徳之島自然保護官事務所の調べでは、イヌまたはネコにより捕食されたと思われるアマミノクロウサギは9羽いましたが、2015年は1羽のみに激減した。また、新規に5つのエリアで、アマミノクロウサギが確認された。

アマミノクロウサギ被害状況
























ノラ猫は増え、アマミノクロウサギが減少してしまっていた状況下で、徳之島ごとさくらねこTNRプロジェクトはスタートしました。そして、約1年2ヶ月で2,136頭のTNRを行いました。その結果、猫によるアマミノクロウサギの捕食被害の増加を止めることができただけでなく、9羽の被害から1羽まで激減させることができたことは、大きな成果と言えます。
希少動物の保護にTNRは役に立たないという説もあるなかで、今回のプロジェクトが成果を出したことによって、TNRで成果が出なかったと結論づけようとしているケースは、TNRが悪かったのではなく、TNRの実施方法に問題がなかったのか再検討する必要があると考えられます。仮に、徳之島を1年間200頭のペースでTNRを実施していたとしたら、2,136頭実施するのに、10年以上かかってしまいます。それでは、猫の繁殖やアマミノクロウサギの減少ペースにTNRが追い付かず、問題は解決しなかったでしょう。

1


















上記の3点の一つでも欠けてしまえば、TNRは成功しません。
逆に言えば、この3点さえ守ればTNRの成功率は大いに高まると言えます。

第5回目の出張手術のあたりから、TNRのために捕獲器をしかけても、半分以上さくらねこが捕獲されてしまう状況となりました。また、当プロジェクト発足時には、1件も無かった小動物の動物病院が、2015年に1件新設され、、継続的なTNRを島内で行うことが可能になりました。したがって、どうぶつ基金と徳之島3町での「徳之島ごとさくらねこTNRプロジェクト」は全6回の実施を持って終了いたします。
今後は、徳之島3町と地元の動物病院との協働でTNRは継続的に実施されます。

今回の徳之島ごとさくらねこTNRプロジェクトが成功したことによって、希少動物の保護も、殺処分ではなく、徹底したTNRを実施することによって、殺さずに解決できるという希望の道筋が見えました。

どうぶつ基金の活動をご支援いただいた皆様に改めて、心より感謝申し上げます。

連載 
No.1 事業背景・実施目的
No.2 問題の分析と解決策
No.3 事業概要
No.4 事業スケジュール 
No.5 手術会場の様子
No.6 手作りサンテナケージ
No.7    手術管理タグ 
No.8    教育活動 
No.9 犬の不妊去勢手術
No.10  特別医療の実施 
No.11 ボランティア参加獣医師 
No.12 手術実績 
No.13 広報活動   
No.14 感謝状贈呈 
No.15 現場からの声  
No.16 メディア掲載 
No.17 被害状況の変化