さくらのみち

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窓をあけて

風が気持ちのよい季節は
お店の小窓を開けたままにしています。

焼き菓子をテイクアウトしていただく為の小窓
ちいさな子供さん連れでも買いやすいように
自転車乗ったままでも 車椅子の方でも寄りやすいように・・。
お店をオープンする時
設計士さんに真っ先にお願いして作ってもらった小窓。

先ほど店先で立ち止まった青年が
小窓から手を伸ばしおもむろにお菓子の袋を開け
・・・そのまま頬張りました。

「お金払わないと食べちゃだめだよ~」と
びっくりさせないように声をかけたら
半分だけ食べてダッシュで逃走していきました。

お店のすぐ並びに建つ
知的障がいのある方が立ち寄る施設からの帰り道だったみたい
よっぽどお腹すいてたのかなぁ・・。
半分だけ食べ残されたフィナンシェをみて
可笑しいやら切ないやら なんともいえない気分でした。

どうせなら全部食べてくれてよかったのに・・。

小さな窓は日々のいろいろなこと
黙って受け入れて 受け止めている。
今日も明日もあさっても・・。

ちょっとくらいお天気が悪くても
情けないかな お疲れ気味でも
小窓 開け放していきたいなぁなんて
ふと思う夕暮れ時でした。 

ちいさな想い

夕方 お店の後片付けをしていて
道に落ちていたメモを見つけました。

広げてみると
きゅうり ハム トマト 豆腐 と続いて
豚挽き肉のところに(あまり高くないのを)と書いてあります。

お母さんか奥さんに頼まれた買い物でしょうか・・。
メモを失くして困っているだろうなと思いながら
いつまでもそのメモから目を離せないでいる理由を思っていました。

私が幼い頃 母は難病に倒れて寝たきりの生活でしたので
毎日の夕飯の買い物は私の役目でした。
多分5~6歳だったと思います。
自分の身体の半分もありそうな買い物かごをぶらさげて
何だかいつでもぬかるんでいたような田舎道を
せっせと歩いた記憶がふいに蘇ってきました。

近所の八百屋さんに着くと
母の書いてくれたメモをみて買い物するのですが
いつもは配達であまりお店にいない
八百屋のおじさんが手伝ってくれたことがあります。

メモをみて 鮭の切り身 はいよ~
もやし はいよ~ とテンポよく品物を揃えてくれたのですが
キャベツのところでちょっとだけ肩をすくめて
「はいはい 虫の喰ってないのを選びますよ~
虫もつく内が花だけどね~」と大きな声で読み上げて
店内のお母さん達がどっと笑ったのです。

母の書いてくれたメモには
きゃべつ むしのついてないのをえらんでねと添えられていました。
以前買い物した時に何も注意せず買ったら
中が虫に食べられて穴だらけだったことがあったので
母なりに ちいさな子供にもわかるように書いてくれたのでしょう。

家に帰ってみんな笑ってたよ~と何気なく話したら
・・・母は泣いていました。
布団に顔をつけてちいさな声で泣いていました。

八百屋のおじさんも笑ったお母さん達も悪気はなかったのです。
それは母も理解できたのです
だけど だからちいさく声をころして泣いていました。

ある日突然 思うように身体が動けなくなってしまったはがゆさ
小さな子供になにひとつ手をかけてあげられないもどかしさ
不憫でしかたがなかったのだろうなぁと
今ならあの涙の理由が誰よりもわかるような気がします。

追伸
あまり高くないお肉は無事買えたのかなぁと
どこかのお家の今日の食卓に思いを馳せながら
その日は我が家も豚挽き肉とそしてキャベツを買って帰りました。
脂身の多い安い豚挽き肉と山盛りのキャベツのみじん切りを合わせて
作った餃子 美味しかったです。
そう ちょっと安いお肉の方が餃子は美味しいですよね。












春の忘れもの

ぼんやりと信号待ちをしていたら
真新しいランドセルを背負った子供達と一緒になった。
体の半分もありそうな大きなランドセルには
黄色い交通安全のカバーがしてある。
ピカピカの一年生とはよく言ったもので ランドセルはもちろん
帽子も靴も 手提げバッグから覗く上履きもみんなぴっかぴっか。
見ているだけで 「清らか」 「ピカピカ」のおこぼれを戴いたような
有難い気持ちになってつい微笑んでしまう。

私の視線に気がついたのか一人の男の子が 
用も無さそうなのにランドセルを開けたり閉めたりし始めた。
どうやら筆箱とか連絡帳とか「ピカピカ」のものを
更に見せてくれているらしい。
最近見た中で一番の可愛いドヤ顔でした。

今年は心からお花見を楽しむことが出来なくて
なにか大切なものを忘れて
過ごしてしまっているような気持ちがしていました。

駆け足で春を見送ってしまったけれど
少し遅れてやってきた 春の申し子みたいなピカピカの一年生に
忘れ物を届けてもらったようで嬉しかったです。



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