夕べお店からの帰り道ぼんやり自転車走らせていたら
空からなにか降ってきた。
暗闇に突然ふわふわと舞い落ちてくるのが不思議な感じで
それが雪だと気が付くまでにほんのちょっと時間がかかった。

雪の降り始めを見たのは随分久しぶりだなぁ・・。
学生の頃やたらと空ばかり見上げていたからか
雪や雨の降り始めに気付くのはいつも私だった。

だからと言って雨だよー雪だよーと誰かに教えることもなく
傘を差すのも好きじゃなかったから
ぽつぽつさらさら いつも濡れて歩いていた。
雪が降るとばかみたいに口を開けて突っ立っていた。

当時クラス委員をやってたような真面目な女の子が
「これからは空気が汚染されて雨も雪も汚れてくるのよ!
傘もささずに雨に打たれてたら髪だって無くなって禿げちゃうんだから!」
なんてことをものすごい勢いでまくし立てていたっけ。

今から30年近く前のこと。
あの頃から環境破壊とか地球温暖化とか言われてたんだった。

・・・帰り道自転車止めてぼんやり そんなことを思い出してたら
雪にはしゃいでる幼い兄弟が道の向こうからやってきた。
傘をつつきあったりしながらお兄ちゃんが口を開けて雪を食べると
弟も真似して口を開けてパクパクしながらおどけていた。
可愛くてちょっといい光景だった。

ちょっと離れたところにいた兄弟の母親がものすごい勢いでとんできて
「こっんな汚い雪食べるなんて何してんのあんた達!
早く傘差して!手拭いて!もおぉっ!」って絶叫して
二人を引きずるようにして帰っていった。

もう名前も思い出せないけれどクラス委員だった彼女元気かなぁ
きっとあんな感じでお母さんになってるんだろうなぁ。

私は相も変わらずです・・。