以前のブログで、国が定めているルールや、当施設の方針として「個別リハビリは、
目標に向かって期間を区切って行うものである」というお話をさせていただきまし
た。
(※前回の記事をまだ読んでいない方は、ぜひこちらを先にご覧ください! ⇒
今回は、「じゃあ、具体的にどんな状態になったら個別リハビリが始まって、どんな
風に卒業していくの?」という疑問にお答えするため、当施設での実際の事例(よく
ある3つのパターン)を3回に分けてご紹介します。
【事例】大腿骨(太ももの骨)を骨折されたAさん
(要支援2・一人暮らし)
Aさんはもともと腰痛などでデイケアを利用されていましたが、自宅で転倒され太もも
の骨(大腿骨近位端)を骨折し、病院で手術・リハビリを受け、を退院した後に当施設
へ戻られました。
介護認定は「要支援2」でしたが、膝の周りの骨折だったこともあり、膝の関節が
十分に曲がらない状態(可動域制限)になっていました。それに伴って歩行もグラ
グラと不安定で、一人暮らし(独居)ということもあり、日々の生活に大きな不安を
抱えていらっしゃいました。
理学療法士の判断:期間を「2カ月」と決めて集中介入!
通常、要支援の方の多くはマシントレーニングや集団体操がメインとなりますが、
Aさんの場合は「まだ回復段階で関節が固まってしまう可能性がある」「歩行が危険」
という明確な課題がありました。
そこで当施設の理学療法士(PT)が「今、専門職がマンツーマンで介入すべき状態
である」と判断し、期間を「2カ月間」と設定して個別リハビリを開始しました。
行ったメニューは以下の通りです。
膝関節の可動域訓練: 固まってしまった膝の関節を、優しく丁寧に動かして
広げていく膝周囲の筋力強化: 骨折や入院生活で落ちてしまった、膝を支える筋肉を鍛える
動作訓練: 実際の生活を想定し、安全にバランスを崩さず歩く練習
2カ月後の変化:目標を達成し、個別リハビリを「卒業」
2カ月間、1対1で集中的にリハビリを重ねた結果、Aさんの膝は多少の制限がある
ものの可動域は広がり(曲がりは良くなり)、日常生活への支障はほぼなく、
今後固まるという心配も無くなりました。
歩行の不安定さも改善され、杖や歩行器を使用しながら独居の生活を継続できて
います!
「安全に歩けるようになる」という当初の目標をクリアしたため、私たちは方針通り、
ここで個別リハビリを終了(卒業)といたしました。
卒業した「その後」のAさんのご様子
一人暮らしということもあり、最初は個別リハビリがなくなることに不安もあったよう
ですが、現在Aさんは、リハビリの時間に習った「自宅での自主トレーニング」をご自身
でしっかりと継続されています。
そしてデイケアに来られた際は、ご自身の力で元気に集団体操に参加されたり、他の
利用者様とのコミュニケーションやレクリエーションを心から楽しまれています。
今回の事例からお伝えしたいこと
Aさんの事例のように、個別リハビリは「だらだらと何ヶ月も続けるもの」ではあり
ません。
また、「要支援だから個別リハビリはないんでしょ」というわけでもありません。
「関節が固まっていく心配がある」「歩行が危ない」という緊急性の高い時期にだけ、
理学療法士がマンツーマンで集中的に介入し、状態が安定したらご自身の力で動く
メニュー(集団体操など)へステップアップしていく。
これこそが、利用者様の「本当の自立」に繋がるリハビリのあり方だと私たちは考えて
います。
「今の自分の状態でも個別リハビリは必要なのかな?」と気になることがあれば、
いつでもお気軽にスタッフまでお声がけくださいね!

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