前橋各所の桜も満開となりました。

本年も朔太郎さんの命日、5月11日が近づいてまいりました。
毎年、その日にちなみ開催をしている「朔太郎忌」のお知らせです。
遅いご案内となってしまいましたことを、心よりお詫び申し上げます。
会員の皆さまへは改めまして、ご案内をお送りさせていただきます。

本年は、「第46回 朔太郎忌 虹を追ふひと」と題しての開催となります。
タイトルに冠した『虹を追ふひと』は、朔太郎の「対話篇」と呼ばれる作品のうちの一篇です。
対話という名のつく通り、人物の対話によって構成された物語のような趣のある作品です。
以下に、作品に添えられた朔太郎自身の言葉を引きます。

「 自分は此の対話全篇を詩作の時の態度で書きあげた。だから自分では今迄やつて居たものとは少し表現手段の變わつた一種の長い詩だと思つて居る。けれど見る人によつては感想文であつたり、戯曲であつたり、論文であつたりするかも知れない。またはその中のどれでもないかも知れない。
 兎に角、これを書きあげてから、自分は三十年來の負擔をやつと軽くすることが出来たやうな気がする」

( 筑摩書房版『萩原朔太郎全集 第四巻』(1975年)「感情のために」より)
 
この言葉から、 朔太郎さんにとって『虹を追ふひと』という作品の存在は、
決して小さなものではないことが感じていただけるのではないかと思います。  

また、もう一篇の対話篇のタイトルは『天に怒る(別題、夢を追ふ人)』です。
今回は、こちらの対話篇をもとにした、リーディング・シアターもおこないます。
先にご紹介した『虹を追ふひと』は、『天に怒る』の前身の作品とも呼ばれており、
2篇を通読していただくと、作品に込められた想いをより感じられるのではないかと思います。

2篇を通じて垣間みることができるのは、情熱を持って「夢を追ふひと」の姿です。
この季節、自身の夢に向かって歩みを踏み出されたばかりの方も多くいらっしゃるかと思います。
そんな方々にとっても、強く響くものがある作品ではないかと感じます。

第一部では「萩原朔太郎をいま、読み直す」として、
高橋睦郎さん、星野太さん、当研究会会長 松浦寿輝によるシンポジウムを開催いたします。

第二部では「ただ港だけが故郷だ」と題したリーディング・シアターを
5名の出演者によって上演いたします。

5月12日、朔太郎の故郷、前橋市にて、
朔太郎とその作品を愛する皆さまはもちろん、これから知ってみたい、触れてみたい、
そんな皆さまとも、ご一緒できますことを願っております。



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第46回 朔太郎忌 虹を追ふひと

【日 時】2018年5月12日(土) 14:00開演/13:30開場
【会 場】昌賢学園まえばしホール 小ホール 群馬県前橋市南町3丁目62番1号
【入場料】500円 < 4月2日(月)よりチケット予約受付開始いたします >

 第1部 シンポジウム
萩原朔太郎をいま、読み直す
高橋睦郎 × 星野 太 × 松浦寿輝

 第2部 リーディングシアター
ただ港だけが故郷だ( 萩原朔太郎『天に怒る』より )
堀内正美 × 柳沢三千代 × 斉藤佑介 × 手島実優 × 萩原朔美


<チケット予約・お問い合わせ>
朔太郎忌実行委員会(萩原朔太郎記念・水と緑と詩のまち前橋文学館内)
〒371-0022 群馬県前橋市千代田町3丁目12-10
☎︎027-235-8011


皆さまのご来場を、こころより、お待ちしております。