さらだ投資生活

兼業投資家。適正なリスクを取りつつ、成長株の恩恵を中長期的に享受します。

『野村證券第2事業法人部』

横尾 宣政
講談社
2017-02-22


オリンパス粉飾決算事件で有罪判決を受けた(現在、最高裁へ上告中)、野村證券元社員の独白です。とは言うものの、オリンパス事件は、本書では後半のテーマに過ぎず、その大部分は「野村證券」のバブル前~バブル崩壊後までの軌跡を、現場の第一線で体験した著者の視点から描いています。

バブル期に、経常利益日本一までのし上がった野村證券とは、一体、当時どういう会社であったのか?京大卒のエリートである著者が、新卒で営業店に配属されてから、本部精鋭部隊とも言える「第2事業法人部」で大企業と直接付き合い、そして野村を退職後、オリンパス事件で逮捕されるまでの体験はバブル前後の日本証券業界の光と闇を明らかにした、現代史と言っても過言では無いでしょう。果たしてここに書かれていることが、全て真実なのか?今となっては著者のみぞ知るですが、コンプライアンスなどという言葉がまだ一般的でなかった頃にしても、破天荒過ぎるコミッション至上主義経営における現場実態は、呆れを通り越して、感動すら覚えてしまいます。

証券会社が株価というものをどういう風に動かしていたのか(客を嵌め込んでいたのか)、テーマ性を持った株ストーリーの構築、推奨銘柄、利益は調整できる、そして増資と…株価というものは、誰かの意思によって簡単に左右される程度の、非常に脆弱なもの、という認識を新たにします(今も似たり寄ったりでしょう)。

著者が一番訴えたかったオリンパス粉飾決算事件の冤罪主張部分(後半)は、ロジック中心のため全部読み飛ばしても全く問題なく、文量もさほど多くありません。期せずして、B面が大ヒットしたレコードの如く、野村證券にとどまらず、日本における証券会社、証券業界の秘史を明らかにしたドキュメント大作であり、全ての投資家必読と言えるでしょう。

~「お前の客に旅館の社長がいるだろう。その旅館のポストの前で待っていて、郵便配達が来たら『いつも社長がお世話になっております』と言って郵便物を受け取れ。その中に野村證券と書いてあるものがあれば、全て破り捨てろ」

~「ゴメン、引き継ぎの時に伝えようかと思っていて、つい忘れていた。山田さんの言う通りだ。債権で100億損させちゃった」

事実は?小説より奇なり…

アニメ『シロバコ』が熱過ぎる!

 アニメは、といいますか、映画でも漫画でも、株でも!第一印象の誤解というのは恐ろしく、2014年の『シロバコ』放映当時に、この作品がある程度、話題になっていた事は知っていましたが、それこそ表紙の第一印象で[流行りのアニメ声優を目指す美少女5人の物語?]のような緩いイメージを持ち、私はスルーしてしまいました。監督はガールズパンツァーの水島努監督ですし、私は正直、この種の萌え先行作品はあまり好きではありません(謝)。実際、1話のスタートは女子高校アニメ同好会のあり得ないような幻想風景から始まり、そのイメージのまんまでウ~ンと思っていたら…

4分後、暗転(;´Д`)      

ファンタジーから、リアルへ。

アニメ制作業界における、夢と希望の残酷物語が始まります。

主人公の職業であるアニメ製作会社の[制作進行]職とは、制作進行出身で、プロデューサーになり、アニメ制作会社TRIGGERを創設した舛本和也氏の制作進行職の実務的解説書『アニメを仕事に!』によりますと、


→(アニメの)制作進行という職業は、「自動車免許と体力があれば誰でもなれる職業」だといわれています。しかしながら、「誰でも続けられる職業」ではありません。実際、3年後の業界滞在率は10%~20%と言われています。殆どの人間が辞めていく職業です。

私も、『シロバコ』を観てから知ったのですが、この職はハード過ぎます。ただ、アニメ制作の作業工程、人材全てに関わってくる職業ですので、ドラマとして面白くならない訳がない。血反吐をはくような現場環境の中、おそらく薄給で、夢を追い続ける人達のリアルだかフィクションだか分からない(登場人物も実在人物そっくり)細部に渡る描写は、一流のエンタメであり、仕事ドキュメントと言っても過言ではないでしょう。1話冒頭のファンタジーであった、アニメ同好会美少女5人衆も現実=才能の壁にぶち当たり、リアル路線や劇中劇に絡んで・・・後半は、涙涙、です。

アニメ業界ドラマのみならず、人間ドラマ、仕事ドラマ…働き方改革?クソ食らえ!の、時代に逆行した本作品は、アニメに興味がない人でも十分すぎるほど楽しめると思います。夢ってなんだ?仕事ってなんだ?そして現実とは…良くも悪くもこれは、もしかしたら就活している学生や、新入社員がまず観るべき作品なのかも知れません。

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ゴルフ・ドゥの布石

私は、小型成長株PFの一角として、主に中古ゴルフクラブの買取と販売を、直営とFCで展開するゴルフ・ドゥに投資しています。昨年来、経営に動きがあり、覚醒のための一歩一歩を着実に進んでいるように見えます。昨年の発表を、時系列順に追います。

中期経営計画策定のお知らせ ~ 新たな成長ステージへの中期経営計画(2017/3期-2020/3期)~

昨年6月に策定した中期計画では、2020年3月期の計画目標を売上60億・経常利益3.38億に定めています。この水準を達成しますと、1株利益は90円前後となります。

この中期計画を策定後、株式分割[2分割]を発表し、流動性を高めた後に、新規事業への参入を発表しています。

子会社設立及び子会社によるフランチャイズ契約に関するお知らせ

女性向けリラクゼーション事業に参入です。それについては社長のインタビュー記事が出ていますので、こちらのほうが詳しいです。

女性比率8割のリラクゼーション事業参入でゴルフ・ドゥが描く未来予想図

正直、社長の語るシナジーには?で未知数ですが、お金を落とす女性ゴルファー狙い、という視点は悪くなく、スマフォアプリなども開発しているようですので、事業構造の変化を意識していることは間違いないでしょう。因みに、この新事業発表は中期経営計画の後ですので、計画数字には含まれていないと考えられます。
リラクゼーション事業のフランチャイザーは、ゴルフ・ドゥの創業者兼筆頭株主である松田氏が実質経営支配する非上場企業である事から、上場企業であるゴルフ・ドゥが、創業者松田氏が保有するグループ企業の核となる可能性はあると思います。

リラクゼーション第一店舗の目標は売上4000万/営業利益率15%で、本年3月までに2~3店舗出店ということですので、このビジネスモデルが回れば、ゴルフ・ドゥ本体に、利益の上乗せが期待できます。構想通り進むかどうかは全くの未知数ですが、投資のタイミングである「変化のカタリスト」という意味では、悪くない要素だと思います。

最後は、創業者から現経営陣への株式譲渡です。

主要株主である筆頭株主の株式一部譲渡に関するお知らせ

ゴルフ・ドゥ株を46%弱保有する創業者松田氏から、現社長以下取締役5人に対する合計6%強の株式の譲渡です。譲渡価格は、11月25日の終値に1.07を掛けた額ですので、232円となります。特に社長が約3000万円を支払い創業者から自社株を追加取得した、という事実は大きいと思います。以後、株価は上昇して現在296円ですが、それでもまだ時価総額8億弱であり、上記のような計画が軌道に乗れば、中期経営計画の達成目標+αである1株利益100円やその先も狙えると思います。少なくとも、株を大量に追加購入した社長には、利益拡大と株価上昇に対して、強いインセンティブが出来た訳です。

投資リスクとしては、上場先が名証セントレックスであること、有利子負債が四季報数字で約12億(現金同等約5億)あることくらいでしょうか。小型株によくあるマイナー監査法人との結託は見られず、最大手のトーマツですので、その点は安心です。

私は、中古ゴルフクラブは、今流行りの個人間売買には、そぐわない商品だと思っています。なぜなら、中古ゴルフクラブは、シャフトの硬さや種類、ロフト角ライ角はもちろん、傷の有無や、劣化具合(特にグリップ)、使用感や相性まで、実際に試打をして比較しないと、総合的な価値判断を下すことが難しい商品だからです。また、ブランドクラブは偽物も多くあります。使用具合によっては破損なども考えられます。そのため、中古ゴルフクラブ売買は、修繕/保証を含めたアフターフォローまでしっかりカバーしてくれないと、中古売買リスクの高い商品になってしまいます。ゴルフクラブには、毎年の新製品を追いかけたり、自分に合った1本を探す&見つけた時の喜び楽しみがあります(新しいゴルフクラブを購入したら、これまで使用していたゴルフクラブは不要となります→売却)

以上の点から、ゴルフクラブは、中古売買(需要と供給)が活発なのに、個人間売買に適さない商品であり、その円滑な流通を支えるノウハウを持った、ゴルフ・ドゥには可能性を感じます。





 
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