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サラリーマンの読書エッセイ

本を読んでふと何かを思うとき、徒然なるままに書く簡単書評とショートエッセイです。

18 6月

経営幹部 仕事の哲学/田口力5

 
著者・田口さんの講義を受ける機会に恵まれ、是非とも著書を読みたくなりました。
GEで幹部育成教育を担当した田口さん。わかりやすさや説得力はさすがです。
世界最高のリーダーシップ育成機関の経営哲学は、たいへん勉強になりました。


taste:★★★★★



田口力(2016)日本能率協会マネジメントセンター

VUCA時代を勝ち抜くために
「何をするか(Do)の前に、どうあるべきか(Be)を考えろ」
世界標準の経営幹部になるためのマインドセット+スキルセット
グローバルに活躍するリーダーたちの共通点は何か?
(日本能率協会単行本の帯より)

著者の田口さんは、ゼネラルエレクトリック(GE)社クロトンビル・アジア・パシフィック プログラムマネジャーという長〜い名称の役職経験者です。「クロトンビル」はGE社の経営幹部育成機関で、世界最高のリーダー育成機関として知られてます(僕は知りませんでしたが・・・)。ここで日本人として唯一、日本・アジア・太平洋地域の経営幹部育成プログラムの責任者として、リーダーシップ研修を任されていたそうです。今では独立して、リーダーシップ教育を企画する「株式会社TLCO」の代表取締役を務ています。

幸いなことに僕は先日、そんな田口さんの講義に参加する機会を得ました。見かけはごく普通の、ややお腹の出たおじさんでした。講義の内容は、言われてみればごくあたりまえの、シンプルなものです。しかしながら、それを日常的に意識し、実行してこそ、リーダーとしての仕事ができるものでしょう。それが実にわかりやすく、受講者の心にしっかりと届くようにまとめられていました。時々ユーモアも交えながらの田口さんの講義に、僕は感動を覚えました。彼の著書を読んでより理解を深めたくなり、この本を購入した次第です。

やや長い引用になりますが、この本にあった、田口さんのリーダーシップ論を象徴するようなくだりを抜粋してみます。

例えば、「東南アジア市場を開拓せよ」「売上高を三〇%上げよ」などといった無理難題が降ってきます。「どうやればよいのですか」などと聞こうものなら、「それを考えるのが君の仕事だろう」と突き返されます。
そういうときは「なぜ三〇%なのですか」と聞いてみましょう。もし「社長がそう言っている」といった答が返ってきたら、転職の準備を始めましょう。
(中略)
部長以上のポジションに就けば、戦略や経営目標の達成について、「どのように行うのか」ということよりも、そもそも「何を行うのか」ということに知恵を絞ることが求められるはずです。そしてその「何を行うのか」を決めるためには、「なぜ行うのか」について説明できなくてはなりません。従って、さきほどの「売上高三〇%アップ」のやり取りでいえば、「なぜ」なのかという理由を考え抜くことが、経営構想力を育成する第一歩になります。

(本書初版第一刷 p.178-179)

「はじめに」の項や本の帯に書かれている通り、田口さんが発する中心的なメッセージは、「何をするか(Do)の前に、どうあるべきか(Be)を考えろ」です。即ち、全てにおいて「モノの本質」を考えるのがリーダーの仕事。先日読んだ『リーダーの基準』(清水勝彦)も、これに通じるところが強く主張されています。

書かれているすべてに納得できるリーダーシップ論でした。はい、無論、納得するだけで終わらずに実行してこそ、真のリーダーなんですよね。その点にも納得です。本でもナマでも、田口さんに接触できてよかったです。

さて先日、例年のごとく僕は学生の採用面接に駆り出されました。学生さんたちの自己PRにも、しばしば「リーダーシップ」が引き合いに出されます。みんなそれぞれに、いろんなことを経験していますね。学生時代に最も力を注いだことは? という質問にも、答はそれぞれです。たいへん興味深いもので、僕らの方にもいろんなことを考えさせてくれました。

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《とあるリーダーシップ・・・》 

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4 6月

リーダーの基準 見えない経営の「あたりまえ」/清水勝彦5

 
先日「転職」したこともあって、久しぶりにしっかりしたビジネス書を読みました。
一言で言えば、「過去や慣習にとらわれず本質を求めるべし」ということですね。
納得です。繰り返し読みたくなる、明快で説得力のある名著です。


taste:★★★★★



清水勝彦(2017)日経BP社

知識だけは山のようにあるが、
何が本当に正しく、何を捨てなくてはならないかという
戦略の基本的な発想がなおざりになっていないだろうか。
正論が通れば、リーダーはいらない!
リーダー論、リーダー育成論の死角を抉る新しいアプローチ。
(日経BP社単行本の表紙カバー、および帯より)

この4月に移籍した会社で、僕も経営陣の一人になりました。そんな折、この本を新聞広告を見つけてすぐに読みたくなり、Amazonに発注して手に入れた次第です。思えば、管理職になりたてだった30代半ば頃、よくこの種の本を読みあさったものです。会社での立場に何度目かの大きな変化があった今年の春。また新たな気持ちで、あれこれ考えるところがある今日この頃です。

新しい会社の社内報の記事で、新入りの僕を紹介してくれました。その中で問われた、「好きな言葉は?」という編集者の質問に、僕は少しひねってこう答えました。「好きな歴史上の人物は織田信長です。でも彼は無口だったらしく、これといった名言は残していません。そんな中、物の本質を強く追及した彼の姿勢に影響されて、どうやら私も『モノの本質』ということばが好きなようです。」 はい、僕はその30代半ばの頃に認識した姿勢として、「モノの本質」ということばが好きなんです。

これまで「あたりまえ」だとされてきたことを「あたりまえ」と受け止めてはならない。そこには、過去から受け継がれてきた、深い考えのない「あたりまえ」がある。それを変えるのは簡単ではない。人は変化を望まないものなのだ。真の目的、本質を見極めて、それを変えていくのが経営者の仕事なのだ。 ・・・著者が言いたいことを僕なりに「超訳」すると、概ねこんなところだと思います。この本が、まさにそんな「モノの本質」を語っていたのが、なんだかとてもうれしかったです。

あるいは、最近の経営者の仕事で多くのウェイトを占める、「危機管理」や「コンプライアンス」。これについても、この書で言及されています。法令や社内ルールの遵守は必要です。しかし、目指すのは「ルール遵守」そのものではありません。必要なのは、仕事に対する誇りや緊張感です。それが「コンプライアンス」の本質のはずです。

考えるところを多く与えてくれ、またやる気と自信を持たせてくれました。求めるモノは「本質」です。それこそ「あたりまえ」のことを、豊富な事例やデータでわかりやすく伝えてくれる、説得力のある書でした。

さて、僕と女房はつい最近、仕事の本質や誇り、そして緊張感を直接感じ取れるような、小さな事件に遭遇しました。それは、まさに「危機管理」を実践してくれている、消防署のレスキュー隊との関わりです。思いがけないところで巡り会った、心の温まるいい経験でした。

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《やさしいレスキュー隊・・・》 

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21 5月

遠い太鼓/村上春樹5

 
村上春樹さんの、ギリシャ・イタリアを中心とした3年間の欧州滞在紀です。
長く村上春樹は読んでいない僕が、書店で見つけたこの本に興味を持ちました。
南欧の生活や社会事情に興味を深めながら、村上さんの文章を楽しめます。


taste:★★★★★

遠い太鼓 (講談社文庫)
村上 春樹
講談社
1993-04-05


村上春樹(1990/1993)講談社文庫

ある朝目が覚めて、ふと耳を澄ませると、何処か遠くの場所から、ずっと遠くの時間から、その太鼓の音は響いてきた。―その音にさそわれて僕はギリシャ・イタリアへ長い旅に出る。一九八六年から一九八九年秋まで三年間をつづる新しいかたちの旅紀行。
(講談社文庫 内容紹介)

村上さんの小説は、2006年に読んだ『アフターダーク』以来、もう10年以上読んでいません。このブログを手繰ってみると、どうやらこの『アフターダーク』が僕にとってやや不可解で、掴みどころのない小説に映っていたようです。先日、たまたま村上春樹の特設コーナーを設けていた書店で、20年以上も前に初版が刊行されたこの本を見つけました。ふと読んでみたくなって、550ページ以上もあるこの分厚い文庫本を手にしました。

ギリシャやイタリアの生活や社会事情を、村上さん独特のセンスでまとめた旅紀行です。小説のようにストーリーのあるものではないので、人によっては退屈な作品かもしれません。僕はこれ、楽しめました。自分の経験に照らしてみても、なんだかとても納得のいく内容が綴られています。そして何より、機知に富んだ村上さんの文章に、僕はすっかり吸い寄せられました。純粋に「おもしろい!」と思える、リアルな紀行文に仕上がっていると思います。

よく知られた観光地を訪れるわけではなく、住む所を次々に変えながら、名も知らない地方を転々とする体当たりの旅。そんな旅を三年間も続けていると、その国や地方の生活がからだでわかってくることでしょう。いわゆるバックパッカー的な旅を続けた記録としての、沢木耕太郎さんの『深夜特急』とはまた違った趣です。この三年間の旅の最中にあの『ノルウェーの森』が書かれたというのも、興味深さを増します。これもこのブログを手繰ってみると、僕は12年前に『ノルウェーの森』を読んでいます。すばらしい作品だった、って書いてありました。

村上春樹を読んだことがなくても、村上さんの文章を楽しんでみたい方にお勧めできる作品です。僕はゆっくりと、他の本と二股をかけながら、1か月近くをかけてこの本を読了しました。はい、楽しかったです。ふと、また『ノルウェイの森』を読んでみようかな、とも思いました。

さて、村上さんが身を投じた、ギリシャやイタリアでの生活。僕もかつて、これらの国に行ったことがあります。そこでのいろんな経験を、だんだん思い出してきました。そうそう、ヨーロッパって、多くがのんびりした国なんですよねえ・・・。

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《のんびりほのぼの、いい加減。・・・》 

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14 5月

かんたん開脚で超健康になる!/佐藤良彦4

新聞広告でこの本を見た日、書店に行ったら平積みになっていました。
元来からだの硬い僕ですので、迷わずこの本を手に入れた次第です。
でも結局、訓練しなければ柔らかくならないんですね。当りまえか。

taste:★★★★☆



佐藤良彦(2017)三笠書房/王様文庫

あなたも”体感”してください!
立って前にかがんでも、手が地面に全然届かないほど体がかたかったのに、この体操を始めたら、脚がみごとに一直線に開いて、頭や胸が床につく人が続出します。こうした光景は、まさに”柔軟ミラクル”といってよいほどです。  ―著者
(王様文庫 表紙カバーの著者メッセージ)

当りまえの話ですが、この本を読んだからといって、すぐにからだが柔らかくなるわけではありませんし、この本で紹介されている体操の方法が、「ミラクル」と言うほど早くからだを柔らかくする方法でもないようです。この本が推奨する体操を続けることが「ずっと健康でいる秘訣」であることを信じて、こつこつと努力するしかありません。

まずは柔軟体操をこつこつと続けて、開脚ができるようになるまでからだを柔らかくすること。できるようになってもこの体操を継続すること。そうすれば、体型が引き締まったり、気持ちも前向きになったりといった、いいことがたくさんある。・・・この本の主張はこの順番です。この本を開いた時、冒頭に大きく書かれている

何歳からでも、どんなに「かたい人」でも、面白いほどできるようになります!

というのは、少しこの本の趣旨とズレていると思います。「面白いほど」開脚ができるようになる方法を説いているわけではありません。この本のテーマは、紹介されている4つの体操を続けて健康になることです。柔らかいからだを作ることは、その前提条件ですね。

はい、僕もやってみてます。でも、なかなか毎日は続かないし、やっぱり簡単には、開脚ができるようになりそうにありません。僕は、「立って前にかがんでも、手が地面に全然届かないほど体がかたい」人そのものですので・・・。頑張ってみます。

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《心もからだも柔らかく・・・》

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かつては単身7年間
解消してから3年半で
再び転勤、また単身
柴犬むすめと暫しの別れ
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