重松清(2001/2004)文春文庫

どちらかというとほめられて育った僕は、かなりの楽天家だと自分で思います。
決して悪いことだとは思いませんが、それ自体が不安になったことも・・・。

口笛吹いて

taste:★★★☆☆
【2004.4.13】

高校生の時、何らかの話の流れで、先生が僕らに「死にたいと思ったことのない人、手を上げて」と問いかけたことがあった。僕は手を上げようとしたが、見回すと誰も上げてないのであわてて手を引っ込めた。逆にそれで悩んだ。僕はノーテンキだろうか、と。

その後もずっとそんな調子だったように思う。会社に入ってからもいろんな悩みや迷いがあったが、あれこれ手の打ち方を考えるうちに通り過ぎたり、ほかのことを考えるうちに忘れたりするうち、今年で勤続20周年。そんな僕を人は「逆境に強い」とか「打たれ強い」とか言ってくれるが、もしかすると逆境を感じないのはただの鈍感、やっぱり僕は何かが足りないのかも…と時々思うのだ。

だからこそ、逆境に押しつぶされそうになりながらもそれを跳ね返す強さをチラリと見せるという、重松清の独特のパターンに、今回もまた妙な新鮮さを感じてハマってしまったのであった。