重松清(1999/2002)講談社文庫

重松清にハマっていたこの頃、「半パン・・・」でますますのめり込みました。
僕と同じ世代の重松さん。まるで自分のことのようで、ニコニコしてしまいます。

半パン・デイズ

taste:★★★★☆
【2003.7.17】

子供のころ、いろんなことを考え、いろんなことをやった。みんなと同じようにサッカーもやったし、野球もやった。剣道もやってみた。スポーツはどれ一つとして人よりうまくなることはできなかったが、上手だろうが下手だろうが、楽しかった。また、一人でプラモデルにも凝ったし、寝るのも忘れて星の観察に夢中になったこともあった。

そんな小学生時代の自分の何が良くて何が悪くて、どういうメカニズムで今の自分ができあがったのか、なんて、わかるはずもない。だが、ヒロシの考えていたこと、やってみたことはすべて自分にも覚えがあり、自分の生い立ちを分析しているような気さえする。そうだ、こんな友だちもいたし、イヤな奴もいた。うまくいかない時ってこんな気持ちだったよな…。大人になった今だからこそわかる、子供のころの気持ち。みんな自分と同じだったんだ、と、何だかほっとするような、まさに「ぼくたちみんなの自叙伝」だった。