恩田陸(2004)新潮社

「本屋さんが選んだ本第1位」だそうですね。それに惹かれて読んでみました。
単純に進むストーリーの中にいろんな人生が出てきて、僕もこれ、好きです。

夜のピクニック

taste:★★★★☆  
【2005.7.27】

僕が通った高校にも、「夜間行軍」なる奇妙な行事があった。真冬の夜中に約50kmを歩くという苦行だ。2年生の時は僕を含めて数人が風邪で(ホント。)サボったし、自由参加だった3年生の時には、参加したのはクラスで「鉄人」とあだ名される1人だけだった。

そんなわけで、僕の最初で最後の夜間行軍となった1年生の冬。一人で歩くつもりだった僕は、気付いてみると、無口で友人がほとんどいなかったMと二人で歩いていた。それがきっかけで彼とことばを交わすようになった僕は、それ以来「Mの通訳」などと言われる、彼の唯一の親しい友人になっていた。

こうして思い起こせば、Mにとってあの夜は重要な意味を持ったのかもしれない。高校の3年間を通じて、結局彼には僕以外の友人はほとんどいないように見えたから。

その後、某国立大の医学部に合格してみんなを驚かせたMは、今どうしているだろう。あの行軍の夜のことを覚えているかな。