映画「いしゃ先生 」(平山あや主演)を見ました。

舞台は昭和10年、山形県西村山郡西川町大井沢です。村長の娘、志田周子さんは東京の女子医大を卒業したばかりの女医さんでした。大井沢村は無医村だ。村長としては何としても診療所が欲しい。そこで周子の同意もなく、村の予算と補助金と私財を投入して大井沢診療所を建設したのでした。そして8年ぶりに帰郷した周子。3年だけという約束で、初代診療所長就任を承諾したのだった。

全然患者さんが来ない。毎日開店休業状態が続きます。だって国民皆保険制度なんてなかったし、迷信深い村民は若い女医さんよりも羽黒山の山伏の祈祷とお札の方が好みだったのだ。なにしろ大井沢の人々は、まさに「おしん」のような生活だったのです。

でも、往診をしたり急患を救ったり、次第に大井沢村民の信頼を得ていく。そして約束の期限3年となった。東京に恋人を残してきた周子。医師の後任は全然決まらない。はたして大井沢診療所はどうなるのだろうか。あとは見てのお楽しみ。

大井沢は昨秋訪れた月山や朝日連峰の麓にあります。映画の中でも時折秀麗な月山の姿が映りました。志田周子の実家のロケ地は、月山旅行の際に訪れた田麦俣多層民家(旧遠藤家住宅)のようでした。また、一瞬ですが、湯殿山注連寺のご神木、七五三掛桜らしき老樹も写りました。こういう場面は期待していなかったので、嬉しかったです。

結局、志田周子先生はそのまま大井沢診療所にとどまり、地域医療に貢献して一生独身のまま終えたのだそうです。

この物語と関係ないのですが、新潟市秋葉区とかその近傍にも志田さんが結構います。ひょっとしたら、越後の上杉家移封と関係しているのかもと想像すると、大好きな山々の麓に暮らす人々に親近感を覚える次第です。