紫草のくさまくら

エリリンのボヘミアンな暮らし

おろかなこねずみ
サムイル・マルシャーク/詩
ウラジーミル・レーベジェフ/絵
淡交社 2004年初版

「幻のロシア絵本」復刻シリーズ
10冊セットの中の1冊です。
10冊中4冊を入手。

この「おろかな子ねずみ」は
以前「ねずみのぼうや」でも書きましたが、
待望の絵本でやっと手にとって見る事ができました。
絵はどちらもレーベジェフで詩も同じマルシャークです。
同じ人が描いたとは思えないほど
こちらの絵の斬新なこと!
本文中の絵も全て公開したいくらいです。
ソビエト時代、初版は1925年との事です。
これは1928年に再版されたものの復刻版。
原書はきっともっとザラザラした紙質だった事でしょう。

このシリーズは全て揃えたいと思っています。


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これがスターリン政権下で出版された
「おろかな子ねずみ」です。
「ねずみのぼうや」として邦訳されています。
斬新な面影は一つもありません。 

もぐらと
Jak krtek ke kalhtkam prisel
エドアルド・ペシチカ/文
ズデネック・ミレル/絵
うちだりさこ/訳
福音館書店 1979年第30刷


土の中のもぐらくんが地上に出てみると
青いズボンが目に入りました。
もぐらくんは欲しくてたまらなくなり
近くにいたねずみやちょうちょに聞きますが
知らないと言われます。
えびに出会うと布を持ってきてくれれば切ってあげようと
いいます。
次にヨシキリには縫うことを
あまは自分を抜いてズボンを作ることを教えます。
そして念願のズボンを手に入れるのです。
その過程が楽しく描かれています。
ミレルはチェコの挿絵画家ですが
イジー・トゥルンカの元でチェコアニメの
仕事をしました。
チェコの絵本って魅力的よね。
ミレルの絵も同世代のズマリートコバーのように
輪郭がはっきりしたわかりやすい絵を描きます。
もぐらの名前はクルテクって言うのね。
チェコではクルテクの名で親しまれているのでしょうね。
現在も版を重ねて本屋さんにも置いてありました。
1979年で30刷なのだから
今は何刷なのでしょう。


 

sinderera
Cinderella
or The little glass slipper
ペロー童話
エロール・ル・カイン/絵
中川千尋/訳
ほるぷ出版  2014年第13刷

シンデレラのお話も類話が世界中にありますが
これはペロー童話から。
グリムは「灰かぶり」というタイトルですね。

挿絵はカラーとモノクロが交互になっていて
本文中ではモノクロにあたる
かぼちゃの馬車のシーンが
扉にカラーで掲載されています。
しかも本文中の絵は
湖に映った部分のみ。

カラーの全体図は
前面の波ひとつない湖に
馬車の行列が写し出されているという構図で
月明かりの中透明感がありとても美しいです。

ル・カインはシンガポール生まれで
インドにも数年住んだことがあり
東洋の神話などにも興味があったという画家なので
細部にそういう雰囲気が感じられ
独特の世界を作り上げています。

すべての絵がカラーならなお一層いいのに
と思います。




いばらひめ

Thorn rose
グリム童話
エロール・ル・カイン/絵
矢川澄子/訳
ほるぷ出版1979年初版


「いばらひめ」というと
グリムの有名なお話ですが
元々ヨーロッパに伝わる古い民話で
ペロー童話では「眠りの森の美女」となっています。
「ねむりひめ」というタイトルをつけたものもありますね。
そしてたくさんの画家がイラストをつけています。

この絵本は表紙絵から少しどドキッとします。
まずいばら姫は出さず、お祝いに駆けつける仙女13人を
幻想的、暗示的に表紙絵にしている事が
斬新だなと思います。
タイトルの文字もいばらの模様。
何度見てもため息が出る絵です。
エロール・ル・カインはお姫様ものをいくつか描いていますが
この「いばらひめ」は秀逸だと思います。
見返しに絵はありませんが、見開き扉絵には
美しい装飾がなされています。
本文の周りも額縁のように美しい装飾が。
本文と関連するものの絵が描かれています。
どのページを開いても隅々まで描き込んでおり
画家の思い入れが全面に感じられます。

ル・カインのお姫様ものは他に
「おどる12人のおひめさま」
「キャベツ姫」
「シンデレラ」
があります。


いたずら
Choo Choo
バージニア・リー・バートン/作
村岡花子/訳
福音館書店 2009年119刷

原書は1937年が初版ですから
81年前の絵本という事ですね。
長い間読み継がれてきた絵本。
バージニア・リー・バートンは
ワンダ・ガアグやマリー・ホール・エッツと共に
アメリカの絵本黄金時代を作り上げた人と言われています。

この絵本はリー・バートンが長男アリスの為に
描いたものだそうです。
きかんしゃ好きの男の子にとって
この絵本は毎日読んで読んでと催促される
特別の絵本になる事でしょう。
表紙の表裏を開いて見るときかんしゃが
疾走しているのを機関士たちが追いかけています。
これを見ただけで興味津々ですね。

絵はモノクロのコンテ画。
疾走するきかんしゃの煙や枕木のぼかした描き方など
いいなあと思います。
絵に力強さと優しさが満ち溢れています。

「自分一人ならもっとはやくはしれる」と思い
ちゅうちゅうは一人で暴走しますが
町中が大混乱に陥ってしまいます。
追いかける機関士たち。
どこに行ったかわからないちゅうちゅうを動物や
町の人たちが教えてくれやっと見つけ出します。
その時に思わず機関士たちは嬉しくて
踊り出しちゃうんですよね。
きっと読んでもらった子供達も
踊り出しちゃうんでしょうね、嬉しくて。






 

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