先日、花見がてらに皇居のあたりを散歩していたら
楠木正成の立派な銅像を見つけた。
実は戦国武将の中でこの楠木正成が一番好きだ。
楠木正成は、南北朝時代に活躍した「悪党」と言われた武将で
奇策を用いては幕府軍を翻弄した知将である。
悪党とは、盗賊のことではなく
当時幕府の支配下にない勢力のことをそう呼んだのだ。
有名な武将が数多くいる中で何故楠木正成に惹かれるのか、
その理由を考えてみた。
自ら室町幕府に対しクーデターを起こし
南朝を立てた後醍醐天皇に最後まで忠誠心を貫き通した漢気なのか。
石垣を登ってくる敵兵に煮えたぎった油をぶっ掛ける
まるで山賊のような豪快さなのか。
そうかもしれないが、しかしもしかしたらそのルーツは
幼少期の身体の記憶かもしれない。
生まれて6歳まで住んでいた和歌山県那智の家の前の神社に
巨大なクスノキが二本そびえ立っていた。
おもちゃなど買ってもらえなかった私は、毎日そのクスノキに
登ったり、大きなうろの中で眠ったりして遊んでいたそうだ。
だから今でも大きなクスノキを見ると心が安らいだりする。
そしてそれは「クスノキ」という音の響きでもそうなのかもしれない。
音も味と同じように私の五感が持っている確かな記憶だ。
しかし名前がクスノキだから好きになったというのは
説得力に欠けるようにも思えるが、案外そうなのかも。
好きな人の名前を口にするだけで
心が少し暖かくなるのと似ているな。















