2018年06月

伊藤:目の錯覚!?

少し前になりますが…
とても不思議な美術作品を鑑賞して来ました。

レアンドロ・エルリッヒさんという
アルゼンチンの現代美術家なのですが、
目の錯覚を利用した作品や
鑑賞している私たちが作品の一部になる?!立体型の作品を
作っているんです。

とても不思議な作品ばかりで
静かに鑑賞する…というよりも
至る所から「えっ!」とか「わぁっ!」「何っ?!」
などの声が飛び交っていました (笑)

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「教室」
なんか、幽霊学校って感じですよね。


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「建物」
この写真は見たことある方も多いのではないでしょうか?
一瞬、危ないっ!と思いますがご安心を。
建物は横になっていて、その上に皆、寝転がっている姿が
天井に斜めに設置してある鏡に映っているだけです。


次は、私が一番お気にいりの作品…「雲」
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ケースの中に雲が浮かんでいて素敵だな~♪
どうやって作ったんだろう?
綿でできているのかな?

…などと、想像していたのですがっ!!

なんと、横から見ると
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アクリル板?に『セラミックインク』という塗料で
雲の絵が描かれていて
それを何枚も重ねていただけなんです。

この他にも、
鏡の中の世界に入ったように感じる「試着室」
座ると目の前の鏡に自分が映らない「美容院」
水中にいるように見える「スイミングプール」
様々な作品がありました。

中でも一番不思議だったのが「失われた庭」という作品。
窓から外を除くと、目の前に同じような窓があり。
その隣の窓に目をやると…!?
なんと自分が外を眺めているじゃないですか!
ほんと、驚きです!(笑)←写真が上手く撮れず…ごめんなさいm(__)m


『習慣や既成概念は、恐ろしいほどの耐久性で、
私たちがおそらく気づかないくらいに、
私たちのリアル、現実認識をコントロールしている』

と言うエルリッヒさんのメッセージが心に残りました。




SAスタッフ:光前寺参詣

新緑の5月、小雨に降られながら巨木の生い茂る光前寺を訪れた。

光前寺は長野県駒ケ根市にある天台宗の別格本山の寺院で、
杉の林の中に在り、それらは樹齢数百年のものも多いという。
①光前寺


杉並木参道沿いの石垣には
絶滅危惧植物である「光苔(ヒカリゴケ)」が自生しているが、
そう簡単には見られない。
気をつけて丹念に探さないと見落としてしまう。
光の反射によって見え方が違うという、なんとも神秘的で稀有な光苔。
②光苔
ぜひ一目でもと身を屈め、
石垣を覗き込みながら発見を試みはしたものの、
根気が足りなかったのか、運がなかったのか。
それともまさか、見落としたのか…。

いずれにしろ、残念ながら見ることは出来なかった。
次回は、光苔を見つけるためだけに訪れるのも楽しそうだ。


今回、光苔には縁がなかったが「苔の古道」という素敵な風景に出会えた。
③苔の古道


この光前寺は、本堂前庭や本坊の奥にある築山泉水庭を含む境内全域(6.7ヘクタール)が
「光前寺庭園」として国の名勝に指定されている。
④庭園

一説には、築山泉水庭は極楽浄土の庭園とも言われ、
本堂脇に引かれた裏山の清水は延命水と呼ばれている。
⑤延命水



桜の名所としても有名で、
境内の約70本もの見事な枝垂桜が春にはライトアップされるそうだ。
さぞや圧巻だろう。
⑥桜



また、霊犬早太郎伝説でも知られており、
約700年ほども昔、村民を苦しめ続けた怪物を退治し、
その際に負った傷が原因で、息をひきとった犬が早太郎だ。

僧侶が早太郎の供養のために大般若経を写経し、光前寺へ奉納して以来、
この経本は現在でも光前寺の宝として大切に残されているそうだ。
⑦霊犬早太郎
本堂の横には、早太郎のお墓が祀られている。

静寂な世界が広がる、都会の喧騒とはまるで別世界の光前寺に
またいつの日か訪れたいと思う。



小野塚:初恋の初デートは雨の日!?

雨の季節だね。梅雨入りしたね。

ジメジメ、ジメジメ……メメジジ、メメジジ……(笑)

誰でも雨の思い出が、切ない、甘酸っぱい思い出があるだろう。

私の場合は初恋の、そして初デートの思い出が浮かぶ。

ちょっと長くなるけどワタシの初恋の、初デートの思い出話を聞いてください。(笑)



中一から同じクラスだったA子さんだ。以前、このブログでも紹介したよね。

えっ?読んでいないって?そーそー、このブログに登場した女性です。(笑)



……ハナシが長くなるので割愛すると……。

中三の、15歳のある日、A子さんと念願の初デートの約束をした。

しかし、女の子と二人きりで出かけたこともないし、話をしたこともないし、

どこでデートしたらいいのか分からない…(笑)

でもその娘のことが、大好きで、大好きで、この気持ちを行動に起こさないと

心臓が爆発するくらい大好きな女性だった。初恋だった



当時、小田原では、喫茶店があったんだろうが、行ったこともないし、

何をオーダーしたらいいのか分からないし、マナーも知らないし、

コーヒーと紅茶くらいしか知らないし、

それ以前にお金を持っていないし、お小遣いがないし、いくらするのかも知らないし……。

友人に見つかったら一大事!!!恥ずかしくて学校に行けなくなる(笑)

迷った挙げ句、自分が知っている場所で、小田原から近くて、人に見つからないトコロ……。

そう「彫刻の森美術館」しかない。そこなら小田原から一時間弱だ。

しかし電車代が約400円だったと思う。


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で、A子さんと約束したとき、ふっとどちらからともなく出てきたコトバが、

「雨だったらどーしよーか?」ということだった。

彫刻の森は、もちろん野外。雨だったら歩けない。

どうしてもデートしたいワタシ、そして

当時からリクスマネジメントができないワタシは、

「……じゃあ、雨だったら中止にしようか……」と妥協案を出した。

つまり我が人生初のデートは、天候に左右される、ということになった。

晴れれば天国、雨なら地獄……吉と出るか凶と出るか……。

さて、当日の天気は、小雨……!!!降ったり止んだり…。


しまった~……。小雨のときの約束をしていなかった……。どうしよ……。

当時の中三のワタシにとって片道400円は大金である。

そして彫刻の森で食事、お茶をするにしても、お金がかかる。

切符を買って、本降りとなりデートが中止になったら、大金400円がパーになる……

小雨……彼女は来るのだろうか……来ないのだろうか……。

ワタシの期待と彼女の期待は同じような高さなのだろうか?



もしかしたら、ワタシはこのデートに期待しているけど、彼女はそれほど期待していないかもしれない。

ワタシが彼女のことを大好きなのだが、彼女はワタシのことはそれほど思っていないのかもしれない。

もしワタシが来て、彼女が来なかったとしてもやむを得ない……。

しかし、彼女が来て、ワタシが400円をケチって来なかったら取り返しのつかないことになる……。

待ち合わせの時間。

小田原駅箱根登山線ホーム。雨は相変わらず降ったり止んだりしている……。

当時、腕時計は持っていない。……ホームの時計とにらめっこする。

片道400円の切符を買った。当時は今となっては懐かしい堅券だった。



待ち合わせの時間……こない。

やっぱり……嫌われたか……小雨は「雨」だったか……。

初デートは涙雨になったか……。400円の切符はパーになったか……

と、呆然として、ホームにボーッと佇んでいる……。



そこに

遠くから駈けてくる彼女の姿がっ!!!

「ゴメンナサ〜〜イ!雨でバスが遅れちゃって……」


fb


そして二人で念願の彫刻の森へ。

ずーっと!ずーっと話をしていた。いったい何を話したんだろう。(笑)

喫茶店にも入らず(入れず(笑))

自販機で飲み物も買わず(買えず(笑))

もちろん手をつなぐどころか、まともに顔も見られず、

カメラもないので、ツーショット写真なんぞ、もちろん撮ることもなく……。

心のシャッターで何枚も何枚も

かわいい、大好きな彼女の顔と姿と二人でいるその瞬間を心に焼き付けた……。

懐かしい初恋の、初デートの、雨の思い出です……。(・∀・)♪




その彼女は今、どうしているかって?元気ですよー!

毎年、ワタシのバースデイライブに来ていただいてますよー!

恋愛歴、41年。プラトニックラブ。

初恋は続いています……。

岡根:真よりも贋

なんとも不思議な小説を読んだ。


殺人事件も起きない、探偵も出てこない。
しかし一級品のミステリーなのだ。

書籍
原田マハ「楽園のカンヴァス」


夢

アンリ・ルソー「夢」

ピカソと同じ時代を生きたアンリ・ルソーという画家を知っているだろうか。

この物語は、闇のルートで発見されたルソーの代表作とされる「
夢」とそっくりな一枚の絵を、
二人の主人公がその真贋の鑑定を任されるところから始まるのだが
その鑑定方法が原田マハという作家の奇才ぶりを感じずにはいられないのだ。


現代の科学的な鑑定法は一切使わず、
ルソーが登場する作者不明の古い日記風の物語を読み解くことによって
真贋を鑑定しなければならない、という異色ミステリーである。


そのことの何がすごいのかというと

その日記風の物語は、
我々読者にとっては原田マハが作り出した
フィクションである
とわかっていても
その世界観に引き込まれ、いつの間にかルソーという人物、
そして彼の作品をこよなく愛してしまうのだ。

つまりこの小説自体が、実存したルソーの人生の贋作であるにもかかわらず
真実よりも生き生きと読者の心の中で輝きだす。

ときに贋作は、真作よりも素晴らしい。

気が付いた時には、私はルソーが描き残したキャンヴァスの中の
青白い夜のジャング
ルを彷徨い歩いていた。

いままでまったく興味をひかなかった一人の画家の絵が
一つの小説によって私の心を支配してしまった。

エデンの園
アンリ・ルソー「エデンの園のエヴァ」
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