東京都福生市にあるカフェバーさんペンの輪にまつわる話「さんペンの輪物語」と シナリオ「男はつらいよ」番外編『少年・寅次郎ものがたり』 さんペンの輪マスターshinが綴ります
「タフなピアニストたち」

中村紘子さんの「チャイコフスキー・コンクール」は、私のピアニストに対する見方を180度変えてくれました。
それまではピアニストという人種は、お金持ちのお嬢ちゃんお坊ちゃんが習い事としてやるもので、その延長上で才能ある人がピアニストになるという認識でした。大きな間違いでした。

テニスプレーヤーが世界のトーナメントを転戦していくのと同じように、ピアニストも世界のどこかで開催されるコンクールを渡り歩き、優勝するために過酷でタフな戦いをしていることを知ったのです。

「これは映画になる!!」。
チャイコフスキー・コンクールを縦軸に、ピアニストを目指す彼らの愛や憎しみ、葛藤などを横軸に物語を展開すれば、世界に通用する映画ができる(またまた、いつもの思考で恐縮です・・・)。
とまあ、こういう思いをワルシャワでホテルの便箋に書き連ね、企画書の体裁に仕上げたのでした。

そしてこの企画書でプレゼンテーションをしたことは前述したとおりです。そのときは気のない様子でフンフンと頷いていた迎えのロシア人(A氏としときましょう)でしたが、翌々日ホテルに来たときは違っていました。

A氏はやおら話を切り出しました。
この企画は通ると思う。ついては製作費はどのくらいを考えているのか。我が国はお金は出せないが、ソ連国内の撮影はすべて我が国でメンドーみる。ただし経費は負担してくれ。この条件であれば日ソ合作でいいよ、と。
なんてことはない。つまりは自分たちを雇えと言っているようなもんですわ。

それにしてもこの様変わりはいったいなんなのか。
ちょっと戸惑ってしまいました。

次回もヨロシクです。

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