東京都福生市にあるカフェバーさんペンの輪にまつわる話「さんペンの輪物語」と シナリオ「男はつらいよ」番外編『少年・寅次郎ものがたり』 さんペンの輪マスターshinが綴ります

88 帝釈天・参道

  朝の活気が始まろうとする参道。

  久々の朝日がとらやの店先を照らしている。

 

89 とらや・茶の間

  寅、吉太郎、さくらが食卓を囲んで朝食を食べている。

  つね、母親然として給仕している。

 

90 同・座敷

  平造、竜造、梅太郎が高いびきをかき鳴らし、眠りこけている。

 

91 中学校・寅の教室 

  華子先生の歴史の授業が続いている。

  寅、気の抜けた顔をして、華子先生を見つめている。

  華子先生の顔がだんだん節子の顔になってくる。

  その節子の顔がニッコリと寅に笑いかける。

寅 「あ、お母ちゃん!!」

  と、思わず声を上げる。

華子「どうしたの、寅次郎くん!」

  気がつくと、華子先生である。

  教室の中にクスクスと忍び笑いが広がる。

  苦虫を噛みつぶしたような寅の顔。

 

92 同・校庭

  昼休み・・・。

  校庭で三角野球を楽しんでいる男子生徒たち。

  バッターボックスには熊男。豪快なホームランをかっ飛ばす。

  熊男、ベースを一周してホームへ駆け戻る。

  と、校庭の隅にボンヤリと座っている寅に気づく。

熊男「おーい、寅!」

  と、寅に駆け寄る。

熊男「元気出せよ、お前らしくもない」

寅 「・・・(無言)」

熊男「(気遣って)あのな、千代と話したんだけど、今度みんなで遠足に行かないか!」

寅 「遠足?ああ、そのうちな・・・」  

  寅、節子の死からまだ立ち直っていない。

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