日々酷いニュースの中で、藤井四段の躍進のニュースは私に希望を与えてくれます。遂に佐藤天彦名人を下したとか。((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

【あらすじ】
14世紀、アヴィニョン教皇庁の時代。
フリードリヒ美王の特使として、元異端審問官・パスカヴィルのウィリアムは、フランシスコ会とアヴィニョン教皇庁の会談の弟子のアドソと共に北イタリアの修道院を訪れる。その目的は、修道士アデルモの死の検証、及びフランシスコ会とアヴィニョン教皇庁の会談の調停にあった。

ウィリアムは、会談を無事に行う為にアデルモの死の真相を調査することになるが、死に深く関わっていると思われる文書館の立ち入りが許可されず、捜査は難航する。その間にも次から次へと修道士が不可解な形で死亡していく。

死亡事件が解決しないまま、アヴィニョン教皇庁一派が修道院に到着してしまう。彼らとフランシスコ会との会談は、ウィリアムの演説によって一旦有耶無耶となる。やがて、教皇庁一派の異端審問官ベルナール・ギーの暴走によって、事態はあらぬ方向に進み、様々な人の秘密が暴かれていく。

薔薇の名前〈上〉
ウンベルト エーコ
東京創元社
1990-02-18


薔薇の名前〈下〉
ウンベルト エーコ
東京創元社
1990-02-25





映画化してるらしいです・・・英語かよ。

薔薇の名前 特別版 [DVD]
ショーン・コネリー
ワーナー・ホーム・ビデオ
2004-09-10





【書評】
神学者御歴々の言葉を材料にしたオブラートでグルグルに包んだ醜いエゴを手に掲げ、ひたすら話し合いと言う名の雪合戦をする修道士の面々を観察し続ける話。殺人事件は単なるオマケである。慣れないイタリア語訳も相まってか、かなり難解な文章・物語に感じた。最初の方は何を言っているのかを読み取るだけで時間がかかった。「ダヴィンチ・コード」の亜種だと思って手に取ると痛い目を見る。ただ、「天使と悪魔」に関しては本作品の影響が見られるような気がする。

外界から隔絶された修道院、延々と過去を見つめ続ける神学議論、ブラック企業も真っ青の圧迫面接ならぬ圧迫裁判を仕掛けてくる異端審問官と、中世のなんとも言えないどんよりした閉塞感を感じることができる。その中でただ一人現代的感覚を持ったウィリアムが、妙に世界観に馴染んではいるがその実まぎれもない異物として鈍い光を放っている。中世に生きる現代哲学の代弁者としての、ウィリアムという登場人物の塩梅と言うかバランスが絶妙だと思った。

ゴリゴリの中世の作品だが、最終的に提示された議題は、今尚あちらこちらに潜むカルト宗教の問題とか、某芸人の芸が各学校で禁止扱いになった件とか、現代のいろいろな問題に通じていると思う。

以上