実物を縮小して模型化したプラモデルである、「スケールモデル」を、自分の好きなように製作して楽しみましょう、という趣旨で企画されたイベント・「アカニクスケコン2」が、はるか&mineさんのサイト・「アカブの肉球」にて2014年5月25日より開催されました。スケールモデル製作の楽しみを求める方々による多数の力作が発表され、スケールモデルを製作してみたいとお考えの方々に対して、製作モチベーションを向上させられるような雰囲気を感じられる顔ぶれが結集しています。
 今回、私もハセガワ・1/72ハリアーGR Mk.3で参加しています。このキットは、1984年頃に初版が発売されてから2010年代の今に至るまで生産が続けられていて、現在日本国内で入手しやすいハリアーキットのひとつかと思います。また、同じハセガワから1/72のハリアーバリエーションとして、金型を一部共有したシーハリアーFRS Mk.1のキットがリリースされていています。こちらも現在入手可能ですので、作り比べてみても面白いでしょう。


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ハセガワ1/72 ハリアーGR Mk.3戦術攻撃機
(仮想自衛隊仕様)

ハリアーは、イギリスが開発した史上初の実用VTOL(垂直離着)機として有名な戦闘攻撃機。
GR Mk.3は、最初の量産機であるGR Mk.1を改良して、エンジンのパワーアップと索敵機能を強化したモデルであり、1982年のフォークランド扮装では海軍艦載型のシーハリアーと共に実戦参加した実績を持つ。
再設計機の第2世代ハリアーであるGR Mk.5に交替するまで、VTOLの特性を生かした立体的戦術を支える戦術攻撃機として、1980年代の西側航空戦力の一端を担ってきた。

レーザー目標支持装置を搭載したことによって延長された機首がイルカの鼻を思わせ印象的な外形だが、松本零士氏の作品に登場するSF戦闘機を連想させるイメージも備えているようにも思われ興味深い。

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製作はキットのストレート組みだが、今や古い設計のためか、上手く形にならない箇所が見られるみたい。特に主翼の下半角が決めにくく、主翼に付く着陸輪(アウトリガー)が接地しない事態に陥りやすいように思う。主翼接着角度の調整を行うとともに、胴体側の主脚の長さ切り詰めや、自重変形風にタイヤの接地部を削って直径を縮めたりして、全ての着陸脚が接地できるようにしていく。
主翼と胴体の継ぎ目は元来消すべきだが、塗装と着陸脚の位置決めをしやすくするため今回は処理せずにモールドらしく見せておいた。
軽快な外見イメージの重視ということで、胴体の外付け30ミリガンパックは取り付けせず。

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左:主要パーツ組み上げ状態。このまま放置状態だった。中:下塗り状態。右:基本塗装終了状態。

塗装は、機体のメイン部は、アメリカ・テスター社のモデルマスター水性アクリルからニュートラルグレイ(上面グレイ部)とカモフラージュグレイ(下面グレイ部)で筆使用の下塗り。インテーク内部や脚柱などの白はライトグレイで。飛行機ということもあって、モールドが塗料の厚みで目立たなくならないようにできるだけ努めた結果、基本色と同じような色調で行うこととなりブラック/ブラウン系は使わず。下塗り後トールペイント用水性アクリル塗料・デルタセラムコートの混色で薄く基本色塗装。下地とほぼ同じ色調になるよういろいろ混色。小型機であるため塗装は手軽に筆塗り仕上げ。ハリアー系やA-4、F-16などの小型軽戦闘攻撃機の場合、1/72サイズなら筆の方が取っ付きやすいかも。
ウェザリングは同セラムコートをホルベイン・「ペインチングソルベント」を少量加えた水(滲み防止)で溶いてウォッシング&スミ入れ。その後、タミヤの"模型用化粧品"・ウェザリングマスターA、B、Eセットを駆使して、リアルな(?)立体感を付けていく。

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左:パイロットフィギュア。キット付属のものだがオレンジ色のフライトスーツを再現。
中:モデルマスター瓶入り水性アクリル塗料の「ライトグレイFS36495(4765)」。
右:ウォッシングに使ったデルタセラムコート各色。ブルーは機体下面の白部分で使用。

今回は地味かなと思われるカラーリングをした、キット標準のイギリス空軍仕様ではなく、仮想航空自衛隊機仕様にトライ。もしハリアーが自衛隊で有事に艦載可能な支援戦闘機として採用され、富士重工がライセンス生産したら、というイメージで。日の丸や機番などのデカールは、ハセガワの凸彫り旧版キットのF-15DJ辺りから流用。約20年以上前の古いデカールだが、今も糊が濃いようで驚き。
パイロットフィギュアのフライトスーツは、'80年代自衛隊のイメージということでオレンジ色のスーツを再現。
武装はキット付属の爆弾のみ。ガンパックは未装備。第1世代ハリアーの搭載量は少ないが、専守防衛という点では充分な搭載量と考えられるかもしれないし、こちらの方がイルカ的外形を強調できるかなと考えてみたがどうだろうか。

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(エフトイズ「名車アーカイブ」Vol.1の1/72ソアラ2800GTとの対比)


かなり以前に製作を始めましたが、地味な印象が強くなってきて、面白くなくなってきたためか長らく中断していましたが、外形の"スカイドルフィン"らしさを今一度見てみたく思いスケコンを機会に完成させることができたことまことに感謝いたします。

スケコン発表分リテイク+未公開画像の画像を続きに載せておきましたので、こちらもどうぞ。
ハセガワ1/72ハリアーGR Mk.3:
「アカブの肉球」主催のスケールキットコンパ・「アカニクスケコン」参加作品のサイズ換えリテイク&追加写真です。

スケコンでは締切り期限までの画像撮影期間の短さや容量増加を考慮して小さめのものを送らせていただきましたが、現在のスケコン標準とされる800×600サイズで見たいと思われる方々もいるであろうと考えまして、後日再撮影したものをこちらにアップさせていただきます。
800×600サイズの画像は、サムネイルをクリックしてご覧ください。粗さがめだってしまうかもしれずお見苦しい所があるかもしれませんが、どうぞよろしくお願い致します。

前半6点はスケコン発表時と同じアングルからの再撮影。その他は未公開アングル分の撮影になります。

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(※ここから未公開分)
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