警視庁が「未解決事件」つまりコールドケース専門の特命捜査室を11月に立ち上げる。 過去の未解決事件を検証し、捜査するチームは警視庁捜査1課の支配下となる。DNA型鑑定など最新の科学捜査を駆使し、解決を目指すというがその実力はいかほどか。実際、こうしたチームが作られるのは「遅きに失した感があります。おそらくロス疑惑で27年たってからも米捜査班があきらめずに証拠をかき集めたことに刺激を受けて立ちあがったのでしょうが、(捜査員は)全部で38人と聞いています。38人で未解決の50の事件を担当するとなると、1事件に1人も回せないということになります。それに、特命チームにまわされた捜査官は定年が近い捜査員ばかり。時効のあり方が議論されている今、単に世間に向けて、批判の矛先をかわすためのポーズでしょう」(事件記者)  警視庁の元捜査員が語るには、「都道府県どうしの警察の連携がなく、これまでの捜査はやりづらかった。加えて、頭髪分析装置やルミノール反応の分析マシンなど最新の科学捜査を導入するには、早くても2年かかる。捜査本部がなくなった事件はことさらに科学捜査に金を使ってくれない。日本は欧米に比べ、警察の科学捜査が10年は遅れているというのに」という。「リストラ間際」の捜査員たちと10年遅れの科学捜査。なかなか使わせてくれない科学捜査アイテム。それでも、被害者の遺族感情を考えれば「ないよりはまし」となるのだろうか。