2005年11月07日

任意後見人

任意後見契約において、本人の判断能力が不十分になった場合の後見事務を委任されている者を任意後見人と言います。本人の判断能力に問題が生じていない、任意後見契約が発効するまでの期間は、任意後見受任者と言います。任意後見人は複数選任することや、法人を選任することもできます。

その後、本人の判断能力が不十分になり、任意後見監督人選任の審判で家庭裁判所が任意後見の必要性を認めて任意後見監督人を選任すれば、任意後見契約が発効し、本人が十分な判断能力がある間に決めておいた法律行為についての代理権が任意後見人に付与されます。

任意後見人は、後見の事務を行なうに当たり、本人の意志を尊重し、本人の心身の状態および生活の状況に配慮する身上配慮義務を負うものとされています。ただし、任意後見人の職務は法律行為に関するものに限られており、実際に本人の食事の世話や介護を行なうことは含まれていません。身上配慮義務の内容は、本人の生活や医療・介護・福祉の状況を考慮して、たとえば介護サービスとの契約など必要な法律行為を行なうことです。

任意後見契約では任意後見人に代理権が付与されますが、本人も法律上単独で契約することが可能とされていて、任意後見人に同意権や取消権は付与されていません。そのため、制限行為能力者の行為として取り消し可能な法定後見とは異なり、任意後見契約において本人が行なった契約などの法律行為を判断能力が不十分として取り消すためには、裁判を起こす必要があります。

本人の行為によってしばしばトラブルが生じ、同意権や取消権のない任意後見では対応に限界があると判断すれば、家庭裁判所に法定後見の開始を申し立て、任意後見から同意権や取消権の行使が可能な法定後見に移行する必要があります。法定後見が開始された段階で、任意後見は終了します。

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