2006年05月


ブログは日記では有りません。過去記事に面白い記事、役立つ記事が有るかもしれません。こちらの目次より、興味の有る記事を探してご覧頂けると嬉しいです。

2006年05月29日 起業と経営のコラム

その個人情報漏洩対策間違えてない?

先日、NTTドコモの某氏とランチをしていて、雑談の中で驚くべき話を聞きました。
NTTドコモでは、個人情報漏洩対策として、ノートパソコンの社外持ち出しを禁止にしたそうです。

「ノートパソコンの社外持ち出し禁止」という動きは、とても拡がっているようです。常々、「だーったら、値段の高いノートパソコンじゃ無くて、デスクトップでいいじゃん。」と思ってました。
それって、飛行機に向かって、「飛行禁止。車輪も付いてるんだから走っておいて下さい。」と言ってるようなもんですね。

というわけで、「ノートパソコンの社外持ち出し禁止」という措置も、今や驚くべき措置では無いのですが、ドコモだから驚きました。
だって、ドコモは、モバイルコンピューティングの旗振り役だったはずです。社名の由来は「Do Comunication Mobile」です。FOMAカードを売ってる会社です。

そのドコモがコンピュータのUnMobile化をするとは。。。

ケータイがどれだけ進化しても、ケータイはケータイ。パソコンはパソコン。
ワイヤレスの技術がますます進化して、ノートPCを持ち歩けば、オフィス内と同等の速度でネットに接続できる時代がもうすぐやってきます。

ノートPCの翼をもぎ取るような個人情報漏洩対策には断固反対します。

個人情報漏洩が企業に与える損害は甚大である。そして、個人情報漏洩は持ち出したノートPCで発生しているケースが多い。ということは事実です。

だから、ノートPCを持ち出し禁止?
それって、全然、本質的解決策じゃない。「交通事故が多いから、車の公道の走行を禁止する」と変わらない。

問題の本質は、「そもそも、ノートPCに個人情報を入れなければいい。」ということでしょ。

「ノートPCに個人情報を入れない」という状態を作ることが、実は意外に難しい。社員任せでは達成できないことも、事実です。でも、「誰のノートPCにどれだけ個人情報が入っている」ということさえ把握できれば、簡単です。

その、「誰のノートPCにどれだけ個人情報が入っている」というツールがKlabセキュリティ(株)の「P-Pointer」というソフトです。

KLabでは、ほとんどの社員がデスクトップではなくノートPCを使っています。客先へも自宅へも会議へも、常時ノートPCを携行しています。チョットした隙間時間でもメールの1通ぐらいは書けるし、客先で知らない事実が有った時は、その場でGoogleるし、Mtgが終わりにその場で議事録を確認できるし、、、とにかく仕事が早くなる。だからKLabでは、社員にノートPCを貸与し、持ち出しを禁止するどころか、むしろ推奨しています。その代わり、「P-Pointer」でノートPCを定期的に一切監査をし、個人情報や機密情報をノートPCに保持しない体制をとっています。

また、KLabでは社内の様々な情報やナレッジをイントラネットに集約し、手続きなども全てイントラネット上で行うような体制になっています。ノートPCの持ち出し許可に留まらず、外出先や自宅でもセキュアにイントラネットアクセスする環境を(VPN-Warp)用意し、どこにいても社内と同様の仕事ができるような体制をとっています。

別に、宣伝の前振りとして今日の記事を書いた訳ではないのですが、宣伝になってしまいました。
KLabの創業以来の思想に、「楽する為の苦労をしよう」という言葉があります。KLabの製品は、元々エンジニアが「自分が楽をする為」に「どぶろく制度」を活用して開発した製品がすくなくありません。

自分で欲しいと思った製品を開発するので、自分の意見を書いていると、結果的に自社製品の宣伝になることもあります。しょうがないですよね?

宣伝ついでに、Klabセキュリティ(株)のマーケティング本部長の井上さんに写真入りで登場してもらいます。(なんか、ベタな広告手法やなぁ〜。どうせやるなら、とことん!)




KSマーケ井上さn


 

こんにちは、KLabセキュリティのマーケティング 井上です。
「P-Pointer」は、PC内の個人情報ファイルを1クリックで検出してレポートするツールです。
P-Pointerを使ってPC内の個人情報ファイルをもらさず把握し、整理することができます。


真田会長のBlogをご覧になってお申し込み頂いた方には、特別な配慮を致しますので、お問い合わせの際にお申し出下さい。


2006年05月25日 モバイル&インターネット

ケータイ向けストリーミング動画配信

先月、ワンセグの本放送が始まり、4月末には、ケータイ向けストリーミング動画配信、Mobile GyaOの本放送が始まった。

多くのマスコミから取材をして頂いた。その際「どちらが勝つのですか?」的な質問が多かった。

そういう質問をする人は、そもそも両者の関係の本質が解っていない。


Mobile GyaOのようなケータイ向けストリーミング動画配信が普及するためには、重要なポイントは2つ有る。

ビデオデッキや、DVDデッキの普及を例に考えてみよう。
ビデオデッキが登場する以前に既にTVが普及していた。TVで面白い番組をやっていないとき、取り貯めておいたビデオやレンタルで借りてきたビデオを見る。ビデオデッキはそういう使われ方をする。
だから、もしテレビの普及が無ければ、ビデオの普及も無かった。DVDの普及も無かった。

ワンセグとケータイ向けストリーミング動画配信の関係はTVとビデオの関係と同じだ。ケータイで動画を見るという習慣。これが根付かないことにはどちらも成功しない。ワンセグが普及すると、ケータイでワンセグを見ようとしてもロクな番組をやっていない。そこでMobile GyaOという、ビデオと同じ流れが出来る。ワンセグの普及がMobile GyaOにとって大きな追い風になる。
「どちらが勝つか?」ではなく相互補完の関係だ。

ケータイ向けストリーミング動画配信の普及にとってもう一つのポイントとは?




ケータイ向けストリーミング動画配信の普及にとってもう一つのポイントとは?

それは、アダルトコンテンツの登場だ。
「な〜んだ、そんなことか」と言う無かれ。

「β対VHS決戦の趨勢を決めたのは、アダルトビデオだ」という伝説を聞いたことがある。

松下はナショナルの店でビデオデッキ購入のお客様にオマケとしてアダルトビデオを付けた。らしい。その時オマケに用いられたのが、「洗濯屋ケンちゃん」で、その作品の出来が良くて、オマケ目当てに買った人も少なく無かったらしい。。。
伝説なので事の真偽は知らない。いずれにしても、ビデオデッキが普及するに当たりアダルトビデオの存在が大きかった事は間違いない。

インターネットが普及する際も、やはりアダルトコンテンツが果たした役割は大きかった。1996〜8年頃までインターネットはエンジニアを除くとビジネスに使える状況ではなかったし、ショッピングやゲームもさほど充実していなかった。海外サイトの存在のお陰で、アダルトコンテンツは充実していた。初期のインターネットユーザーが最も閲覧したコンテンツはアダルトだったことは間違いない。

つまり、新しいメディアを利用するためには、再生機器を購入したり、操作方法を覚えたりと、壁がある。「わざわざ」壁を乗り越えてまで新しいメディアを利用する人には、それ相応のモチベーションが必要。相応のモチベーションの一つが、人間の本質的な欲求である性的欲求なのだ。(てな具合に難しく論理的に解説してる自分がアホらしいぃ。どうしても格好付けたがるよなぁ。。。)

一方で、ワンセグサイマル放送だし、Mobile GyaOも独自の倫理コードを設けているので、アダルトコンテンツの配信は出来ない。
以前の記事「ワンセグを斬る(D命と放送の3つの融合形態) 」で、ワンセグの視聴スタイルを
「居間の大画面TVを見ながら、左手には携帯」
と書いた。
すると女性読者の方から
「右手はどうしてるんですか?」
という質問のメールを頂いた。

「鋭い。。。。」
そうなんですよ。
右手がメディアを普及させる。

ワンセグたけだと、右手の立場がない。だから必ずや、アダルトコンテンツの配信が花盛りになるはずだ。

また、同じ記事の中で、ケータイの利用場所として意外にシェアが高いのが「布団の中」ということも書いた。布団の中にこそ、壁を乗り越えるモチベーションがある。

アダルトコンテンツの普及は、やがてストリーミング動画配信全体へ波及していくはずだ。

 

最後に宣伝ですが、
KLabでは、ケータイ向けストリーミング動画配信ソリューション「モバラジ・ムービー」を提供しています。Mobile GyaOでは、Para TVさんからプレイヤーの供給を受けてシステムを構築しまたが、本日プレスリリースを発表しましたLEC(東京リーガルマインド)様のシステムでは、自社開発のプレイヤーを使用してシステムを構築しています。


2006年05月22日 ただの日記

「Tokyo Head Line モバイル」がスタート

本日、「Tokyo Head Line モバイル」がスタートしました。
関東圏にて無料で配布されている「Tokyo Head Line」の携帯サイト版です。

R25を初め、フリーペーパーはどんどん携帯サイトになっていきます。そもそも、用途、ターゲット、ビジネスモデルがほとんど同じで、メディアが異なるだけだから、当然ですね。今度、時間が有るときにメディア特性の話を書きたいと思ってます。

1月頃に、「新聞は折り込みチラシの包み紙 」というコラムで、新聞販売店網を活用したフリーペーパーというアイデアを書きました。「Tokyo Head Line」では、ピザーラがピザのメニューと一体化した「Tokyo Head Lineピザーラ版」も発行しています。ピザのチラシをポスティングしても捨てられる。「Tokyo Head Line」と一体化することによって、保存される。という訳です。

ところで、「Tokyo Head Line モバイル」のプレスリリースをご覧になった方の中で「知ってる人」だけは、笑えたでしょうね。
一木 広治、真田哲弥が連名でプレスリリースだしてるぅ。でも、マハラジャのパーティーの案内ではありません(笑)
知らない人には、わからない話ですみません。


sana3991 at 12:33|この記事のURLただの日記 

2006年05月16日 ベンチャー起業の鉄則

身の丈に合ったニッチを探せ

1、身の丈ニッチ戦略とは
 数年に一度、新しい時代を予感させる大きなテーマ(あるいはキーワード、カテゴリー)が登場する。例えば「インターネット」や「バイオ」、もう少し狭いカテゴリーでいうと「ブロードバンド」「eコマース」「WEB2.0」などがそうだ。

すると民間のシンクタンクや経済産業省などが五年後、十年後の市場規模を予測して発表する。新聞や雑誌でも頻繁に特集が組まれる。「5年後には市場規模が拡大しますよ。」と囃し立て、投資家もこぞってそのテーマに沿った銘柄に投資するので暴騰したりする。

 ベンチャーを成功させようと思ったら、世の中の動きに敏感になり、時代の流れに沿ったテーマ、キーワード、時代の流れにしっかりマッチしているビジネスを模索することは、正攻法として正しい。市場全体が拡大しているカテゴリーの中だとその波にのって会社を成長させることが出来る。(逆に正攻法以外の方法もある訳だが、別の機会に取り上げることにする。)

一方で、
時代のテーマとなるビジネスカテゴリーは、無数の人々が参入を検討している。既に成功しているベンチャー企業が、大手企業が、新規事業として狙っている。無数のベンチャーや起業家予備軍も虎視眈々と狙っている。類似した製品やサービスが次々と発表される。雨後の筍のように、新しい会社が群がり出て、価格競争が起こる。勝負の趨勢が見え始めると、強者が弱者を併呑するM&Aが活発になり、整理統合が進む。そして、最後に残るのは、ほんの一握りの勝ち組となる。

その時代のメインテーマを選んだからといって、その会社が成功する保証はどこにも無い。むしろ、成長市場であれば有るほど、成功する確率は下がっていく。「儲かりそうな商売は儲からない」の法則だ。

すでに、世の中で話題になった後の後発参入になれば、ますます成功する可能性は低下していく。

一か八か勝負を賭けるという手もある。しかし、確実に成功を狙いたいなら、そのテーマの中で、自分の企業体力に見合ったニッチを探すことだ。 自分が頑張れば一番手になれそうな隙間を見つけることと言い換えてもよい。資本金一千万円でベンチャーを始めるのなら、その体力で勝負ができるニッチを探す。
同じことは既存企業にもいえる。年商十億円企業は十億企業なりの、年商百億企業は百億企業なりのニッチを狙うべきだ。そして、一千億企業は、、、どうぞ体力勝負で正面突破をしてください。

2、市場シェアと利益の関係

例えばベンチャーを立ち上げて一億円の売り上げが取れたとする。
●A社は百億円の市場規模がある中で一億円売り上げた。
●B社は一億五千万円しかない市場で一億円を売り上げた。

Q:さて、どちらが儲かっているか。

A:答えは一目瞭然だ。A社が多分赤字なのに対して、B社はかなりの利益を上げている。
  同じ社員数、同じコストを使っていた場合、利益率は市場シェアに比例する傾向があり、業界で1番手2番手だけしか大して儲からないことが多い。ネット系のビジネスは特にその傾向が顕著に出る。
A社は百億円の市場規模がある中で一億円売の売上。ということは、無数の同業他社の内の無名の1社でしかない。A社が受注、又は販売するためには、かなりの値引きを強いられたり、お客様に対し個別に「痒いところに手が届く」ような手間暇を掛けた対応をせざるを得ない。仕入れが有る業種の場合は、他社に比べて不利な条件で仕入れをせざるを得ない。だから、「食っていくのがやっと」という状態になる。

それに対し、B社は市場シェアの七割近くを押さえている。、世間的には無名の会社であることに変わりはないが、狭いB社の業界の中だけでは知名度があり、営業も以前とは比べるも無く簡単になっているはずだ。七割ものシェアを押さえれば事実上の価格決定権を手にすることができ、儲かる価格設定ができる。(別の言い方をすると、値引きをする必要が無いし、値崩れが起きない。)
狭いマーケット(ニッチ)でビジネスを起こしたB社の方が早期に黒字を達成することができるのだ。
しかし、一方でB社は、既に市場シェア7割に到達しており、これ以上の成長の余地は少ない。まだ売上はたったの1億円程度なのに。

起業家志望の方に「ニッチを狙いなさい」というと、「そんなチンケな事をやるために起業をするのではない」という反応が返ってくる。
ここで、考えて欲しい。第1ステージをクリアできない会社に第2ステージは巡ってこない。第1ステージをクリアすれば、次のステージへの展望を描くことができる。

その時代のメインテーマを選んだからといって、その会社が成功する保証はどこにも無い。むしろ、成長市場であれば有るほど、成功する確率は下がっていく。「儲かりそうな商売は儲からない」の法則だ。
すでに、世の中で話題になった後の後発参入になれば、ますます成功する可能性は低下していく。
一か八か勝負を賭けるという手もある。しかし、確実に成功を狙いたいなら、そのテーマの中で、自分の企業体力に見合ったニッチを探すことだ。 自分が頑張れば一番手になれそうな隙間を見つけることと言い換えてもよい。資本金一千万円でベンチャーを始めるのなら、その体力で勝負ができるニッチを探す。
同じことは既存企業にもいえる。年商十億円企業は十億企業なりの、年商百億企業は百億企業なりのニッチを狙うべきだ。そして、一千億企業は、、、どうぞ体力勝負で正面突破をしてください。

2006年05月11日 起業と経営のコラム

技術と経営者

今頃、私の会社ではBlogブームです。

私がBlogを書き始めてしばらく経ちます。睡眠時間を削らないと書く暇が無いので、つらいのですが、マスコミ取材のように勝手な編集をされずに、自分の考えを発表できるのは嬉しいです。

そこで、自分の周囲の方々にも、「お前も書けやぁ〜」と勧めてきました。

KLabのエンジニアのブログが充実してきましたので、ここらで紹介したいと思います。左のサイドバーにバナーを作りました。
一度ご覧下さい。私のブログと余りに内容が異なるので驚きます。とても同じ会社の人間が書いているBlogとは思えないかも知れません。

技術のことばっかり、、、、と思って、今日の「仙石CTOの日記」を見ると

あれれ!

技術の話じゃないやん。こりゃ、経営の話ですね。

「渋谷ではたらく社長のblog」の本日の記事を引用して、

いろんな経営者の方々のお考えを見聞きするたびに、経営者と技術者との間には、深い深い溝があるなあ、という思いが深まりますが、今日読んだこの「渋谷ではたらく社長のblog」には、その断絶が極端な形で表現されているように思いましたので、あえて引用させて頂きました。

この断絶はあまりに根本的なので、経営者と技術者が互いに力を合わせることなぞ、所詮不可能なのではないか、という絶望感におそわれることもないわけではないのですが、とは言っても、「IT業界」で事業を推進し、かつ技術革新を進めていくには、両者の協力が必要不可欠であることもまた事実です。

経営者と技術者が反発しあうのではなく協力するために、技術者と経営者の双方と会話ができる「バイリンガル」こそ重要である、という思いを新たにした今朝の事件でした。

と結んでいる。

バイリンガルが重要論には全く賛成。
しかし、ベンチャー企業というのは、社長次第で、どうにでも変わる。非技術者が社長のIT企業は、社長が技術を理解し、または理解しようと努めて、技術と技術者を尊敬することが重要だと思っています。それが、しいては技術者と企画営業マーケが相互に融和した社風を醸成していくと思います。

もちろん、私も「そうありたい」と思っています。

ところで、今日の昼間も偶然、藤田さんとメールでやり取りしていました。藤田さんは、人に対する愛情が深く、技術者を尊敬している人物です。決して「技術者をモノとしてしかとらえてない」ような人ではありません。CAという会社のことは良く知りませんが、これだけ好業績を続けているというこは、経営者と技術が断絶している会社では無いはずだと思います。


2006年05月04日 ベンチャー起業の鉄則

創業時の事業計画書

1、事業計画書は何の為に?

 起業しようと考えたら、まずやらなければならないのが事業計画書作りだ。これがなければ資金提供者を集めることもできない。特に、収支計画(PL)、資金計画(CF)は事業を始める第一歩だ。

  しかし、この第一歩からして勘違いしている人が多い。

事業計画書は、人に見せるために作るものではない。

起業する人の中には、事業計画書とは人(出資者や協力者など)に見せる為に作る人が居る。人に見せる為に、少しでも数字を良くしようとし、実態からかけ離れた数字をつくる。数字を見せる相手が、もしプロならば、そんな数字は直ぐに見破る。

事業計画書はそれそのものよりも、作る過程と、作った後にそれを実行する行程にこそ、価値がある。極論を言うと、「事業計画書」なる紙切れそのものには価値が無い。

事業計画書を作る過程に於ける価値を得る為には、事業計画書は社長が自分自身で作らなければならない。仮に創業メンバーの1人に財務担当がいたとしても、社長が自分で作らなければならない。仮に3〜4人ぐらいの少人数で起業し、全員が役員ならば、社長が中心になり、全員で相談しながら作った方が良い。

創業時のPLとCFは、最終版を作るまでに2〜30種類は作ってみるべきだ。ありとあらゆるシミュレーションをパソコン上で事前にやってみることに価値がある。初めて事業をするならEXCELと丸3日、できれば1週間ぐらいは取っ組み合いをやって欲しい。

私のところへ、出資して欲しいと来た人にPL、CFの計画を見ながら質問をしてみると、計画外の事に何も答えられない人が多い。

「もし、システムの開発が3ヶ月遅れて、売上が計画より10%下回ったら、資金はいつ尽きますか?」

「原価率が計画では30%ですが、それが40%になって、社員数が後1人増えたらどうなりますか?」

「解約率が10%上回って、客単価が10%下がれば単月黒転はいつですか?」

創業時の事業計画が計画通りに行ったことなど見たことが無い。だから、計画をどれだけ下回れば、キャッシュがバーンナウトするのかなど、限界値を把握しておく必要がる。いろんな変数の数値を入れ替えてみて、どのような結果になるのかを試して見ておくと、数字の感覚が体に染み込んでくる。

コレこそが事業計画書を作る一つ目の価値、意義だ。


2、枝葉末節を気にするな

これから起業しようとする人のほとんどは、収支計画を決算書の勘定科目に合わせて作ろうとする。これが、そもそも間違いだ。

月々、交通費がいくら、新聞図書費がいくら、水道光熱費がいくら、、、

そんな枝葉末節はどうでもいい。そんな計画を立てても意味が無い。

それより、それぞれの経費の性格を理解し、それに合わせた分類で計画を立てるべきだ。

交通費、新聞図書費、水道光熱費などは、社員数に連動して増減する人連動型固定費だ。人連動固定費のグロスの額が合っていれば、その明細はどうでも良い。PL計画上は、人連動固定費として1科目で計上すればよい。

そして、業種と規模によって社員1人当たりの人連動固定費の額はだいたい決まっている。だから、社員数の計画を作れば、人連動固定費の数字も決まる。

店舗型ビジネスであれば、店舗数連動型固定費というのもある。

販管費からそれらの固定費を除けば、広告宣伝費や接待交際費など、恣意的に操作可能な科目が残る。その科目だけ、計画を立てればよい。 


3、数字あそび

創業時の事業計画書で一番難しいのは、売上予測だ。

2年目以降は、過去実績を元に、前年度対比などの指標を用いて計画を立てることができるが、創業時の計画は、計画というより、未来の予想・空想・妄想でしかない。未来を正確に予測することなど、神の業であり、人間に出来る訳がない。

だから、「当てずっぽ」でしょうがない。私は、過去に数え切れない事業計画書を書き、そして実行してきたが、売上計画が当たったことなど一度も無い。(笑)

それでも、精度を上げる努力は必要だ。

売上予測の根拠として、マクロデータを引用したがる人々がいる。コンサルティング会社に事業計画を依頼すると、たいていマクロデータをふんだんに盛り込んだドキュメントが出てくる。人に見せるためにに事業計画書を作る人も、権威を借りてくるためにマクロデータを引用する。

マクロデータとは、例えば、「eコマースの市場規模」などの類だ。マクロデータから売上予測の数字を作っていくとは、市場全体に対して、シェアを何%とるか設定し、売上導き出していく訳だ。

あるいは、3ヶ年の事業計画を作る時は、自社の成長率の設定を市場成長率の何掛けというように設定する。

確かに、市場規模などのマクロデータを引用すると、一件それらしい事業計画書が出来上がる。大企業が市場シェアを本気で取りに行くような新規事業ならマクロデータかjらの類推には意味があるかも知れない。しかし、ベンチャー起業にとっては意味があるのだろうか?

話を極端に振ってみれば良く分かる。

あなたがラーメン屋を始める場合、そのお店の売り上げ計画を日本全体のラーメン屋市場から類推しますか?

市場のトレンドは知っておいた方が良い。しかし、市場規模が大きいからといって、新しく作る会社の売上が大きくなるとは限らない。ラーメン屋の市場規模の成長率と自分の店の売り上げ成長率の間には何の関連性もないことはラーメン屋のオヤジでなくても知っている。

コンサルなどのアタマの良い人々は、ラーメン屋のオヤジなら決してやらない無意味な数字遊びで計画をたててしまう。 


4、精度をあげる

事業計画書の売上予測を作るに当たって市場規模予測などのマクロデータが役に立たないとすれば、どのようにしてその精度を高めれば良いのであろうか?

同業の会社が有るならば、1番に同業他社の調査です。当たり前ですね。業界全体のマクロデータより、よく似たビジネスを微に入り細に入り徹底的に調査することが、売上予測を立てる上で一番効果があります。売上だけではなく、客単価や売れ筋、時間帯別など徹底的に調べることです。

同業他社をどうやって調査するのか?正面から質問しても教えてくれない。

そりゃそうだ。だったら、あの手この手とあらゆる手段を講じればよい。もし、その事業にうん千万円の初期投資をしようとしているなら、調査費用に100万円ぐらい予算を組むことは何の問題もないはず。定番で言えば、帝国データバンクのような調査会社に依頼する。

意外な方法としては、調査会社ではなく、興信所に依頼する。ガードを低くする方法として、学生に依頼して、卒論の調査や研究と称して調査して貰うという方法もある。

同業が存在しない、全く新しいビジネスの場合はどうすれば良いだろうか?

これも、やはり関連ビジネスの関係者にヒアリングをするのが最も精度が高まる。

類似するビジネスがまるで無いような、革新的な商品やサービスの売上予測を立てる場合は、統計的な処理や定量データよりも、感覚を大切にして事業計画を立てた方が良い。

一般ユーザーへのアンケートなど一般人の統計を無視した方が良い。それより、ごく一握りのキーマンと呼ばれるような識者の意見や感覚をヒアリングした方がよい。世の中の8割の人はフォロワーで、フォロワーの意見は全く聞く必要が無い。なぜなら、フォロワーはイノベーターの態度をフォローするだけで、自分の意見は持っていないのだから。 

事業計画書を作る過程に於ける価値を得る為には、事業計画書は社長が自分自身で作らなければならない。仮に創業メンバーの1人に財務担当がいたとしても、社長が自分で作らなければならない。仮に3〜4人ぐらいの少人数で起業し、全員が役員ならば、社長が中心になり、全員で相談しながら作った方が良い。

創業時のPLとCFは、最終版を作るまでに2〜30種類は作ってみるべきだ。ありとあらゆるシミュレーションをパソコン上で事前にやってみることに価値がある。初めて事業をするならEXCELと丸3日、できれば1週間ぐらいは取っ組み合いをやって欲しい。

私のところへ、出資して欲しいと来た人にPL、CFの計画を見ながら質問をしてみると、計画外の事に何も答えられない人が多い。

「もし、システムの開発が3ヶ月遅れて、売上が計画より10%下回ったら、資金はいつ尽きますか?」

「原価率が計画では30%ですが、それが40%になって、社員数が後1人増えたらどうなりますか?」

「解約率が10%上回って、客単価が10%下がれば単月黒転はいつですか?」

創業時の事業計画が計画通りに行ったことなど見たことが無い。だから、計画をどれだけ下回れば、キャッシュがバーンナウトするのかなど、限界値を把握しておく必要がる。いろんな変数の数値を入れ替えてみて、どのような結果になるのかを試して見ておくと、数字の感覚が体に染み込んでくる。

コレこそが事業計画書を作る一つ目の価値、意義だ。

本日は、ここまで。

書きかけの他の連載と織り交ぜながら、この連載も進んで行きます。


Profile
プロフィール用写真


KLab(株) 代表取締役社長

19歳で株式会社リョーマを起業して以来、数々のベンチャーを起業。地獄と天国を経験し、それでもベンチャー起業と経営にこだわり続けます。


趣味:音楽(オールジャンル)、酒(飲み過ぎ)、ゴルフ(下手くそ)、サーフィン(過去形)、旅行、
出没地:六本木、西麻布、麻布十番、豊洲、沖縄

真田が登場する本

Director'sMagazine
巻頭特集では未公開の幼少期や学生時代の半生記が描かれています。


TechnoTokyo

IT系のベンチャーの受付や応接室でよく見かけるTECHNO TOKYOカレンダーの書籍版。巻頭のカラー特集では、GMOの熊さん、インデックスの小川さんなどと共に、KLab(株)、真田も掲載されています。


モテカフェMesseage
Tokyo FMの人気番組「モテカフェ」が本になりました。ゲストとして登場した13人のベンチャー社長が"モテる"秘訣を語っています。
六本木ヒルズ
真田哲弥が、三木谷浩史、藤田晋(敬称略)などとともに、10人の21世紀勝ち組企業家の1人として紹介されています。
勝ち組と言われても、今は、再び挑戦者なんですけど。。。

本表紙_あのバカ
真田哲弥の学生起業家時代からサイバードの公開直前までが描かれています。
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