2006年09月


ブログは日記では有りません。過去記事に面白い記事、役立つ記事が有るかもしれません。こちらの目次より、興味の有る記事を探してご覧頂けると嬉しいです。

2006年09月29日 モバイル&インターネット

ドコモが日本最大の消費者金融になる日(携帯大競争時代の到来)

書きかけの連載が沢山ありますが、今日は久々にモバイル関連のことについて書きます。

最近は「ベンチャー」「起業」関連の講演が多かったのですが、この秋は本業のモバイル関連の講演を行って行きます。
 

2006年10月20日、『WPC TOKYO 2006』にて『番号ポータビリティ時代を勝ち抜く、ケータイビジネス戦略の行方』というタイトルのパネルディスカッションをやります。(裏が今一番ホットな笠原君だよぉ。客もってかれる。ヤバイ。皆さん来てね。)



以前こう書いた。

モノやサービスの価格は、需要と供給の関係で決まる。
光ファイバーや、メタルの線は、競合会社が敷設合戦をやれば、地中や海底に何本でも線を埋めることが出来る。今まで1本だった幹線が3本になれば、供給は3倍になる。それに、技術革新が加わと、ADSLの様に容量は何倍にも膨らんでいく。

ところが、ワイヤレスはどうだろうか?
空間は一つしかない。10年前も、10年後もやっぱり空間は一つしかない。
光ファイバーを増設するような訳には行かないのだ。つまり、電波の物理的な供給総量は永久に増えないのだ。

これが、携帯電話料金が高止まりする、本質的な理由。

しかし、それはあくまでも本質論であり、実際には下記の二つの要素によって、通信料金は変動する。

1)認可行政
2)技術革新


MNPが始まり、6キャリア体制になり、MVNPが登場し、携帯電話会社の大競争時代が目の前に迫ってきた。固定通信網のビジネスが通信費用だけでは収益が出ないことを見ても解るとおり、携帯電話も大競争時代になれば、土管代(通信費)だけでは収益を確保できないようにあなる。

そこで、AUとソフトバンクは「土管は顧客を囲い込みの手段として割り切って安価に提供して、独占的地位を活用して(とか書くと怒られますね)その上のアプリケーション&コンテンツ・レイヤーで儲ける。」という戦略に傾斜しているように見える。事実、AUは、インデックスやドワンゴを差し置いて、既に日本最大のコンテンツプロバイダーに成長した可能性が高い。プラットフォーマーとコンテンツ・アグリゲーターというレイヤーリング(垂直分業的棲み分け)は既に崩壊したと言って良い。

一方でドコモは、通信の上のコンテンツやアプリケーションに活路を見いだすという垂直統合に活路を求めるのではなく、金融事業へのパラダイムシフトに活路を見いだしているように見える。

この戦略の違いは、多少なりとも違和感を感じる。

これを書き出すと脱線したまま帰って来られなくなるので、シェアと垂直統合の関係、そして垂直統合の成功条件について別の機会に書くことにする。

さて、ドコモは「DCMX」を発行して、クレジットカードのイシュアラーとなった。まずは、この背景を考えてみよう。




ドコモは「DCMX」を発行して、クレジットカードのイシュアラーとなった。この背景を考えてみよう。


携帯電話が普及してから、様々な生活習慣が変化した。例えば、携帯電話が普及してから待ちあわせはアバウトになった。「渋谷に7時ね。」という待ちあわせは、携帯電話が無かった頃にはあり得なかった。「渋谷のハチ公前、尻尾の側に7時ね。」と言っておかなければ会えなかった。学生の場合、仲の良い友達でも連絡先と言えば、携帯の電話番号とメールしかお互いに知らない。

一度、携帯電話がある生活に慣れてしまうと、もう携帯電話が無い生活は考えられない。私は学生時代、パーティ屋をやっていた頃、1回のパーティで100枚以上のパー券を売りさばいていた。携帯電話が無かった時代、どうやって友達と連絡をとってパー券を売っていたのか、今となっては不思議でしょうがない。

今の時代、一番なくしたら困るものが携帯電話であり、水道・電気と並んで止められたら一番困るものが携帯電話となった。

だから、携帯電話の通信料は、後払いで有るにも関わらず、回収率は100近いらしい。DCMXのカード利用代金は公式サイトの情報料課金と同じく、通信料とセットで請求する。

ここが胆だ。

カード利用代金を支払わなければ、カードが使えなくなるだけではなく、携帯電話が止まるのだ。どんな怖いお兄さんが回収に来るよりも、携帯電話を止められる事の方が圧力になる。




借金の返済が出来ない人は1円の金は無い訳では無い。収入より支払いが多いので、支払いに優先順位をつけ、優先順位の高い順に支払っていき、金がなくなった時点でそれ以下の優先順位の支払い先に支払えなくなる。
だから債権回収とは、支払いの優先順位を上げさせることである。

貸金業に於いては、貸し金回収率と金利がトレードオフの関係になっている。
つまり、金融カースト制度のバラモンに君臨する都銀は、優良顧客(=回収率の高い層)に安い金利で融資する。都銀のローンカードを作れない人はクレジットカード、それがダメなら消費者金融、それでもダメな人は非合法な街金というように落ちていく。回収率が順番に下がるにつれて金利が上がっていく。逆に言うと、回収率が100%ならば、低金利で融資しても採算が合うが、回収率が低い層に融資するには高金利でなければ採算に合わない。

仮に、あなたが、消費者金融会社、クレジットカード会社、携帯電話会社からそれぞれ10万円ずつ金を借りていたとします。その他に家賃の支払いが10万円あるとします。手元には10万円しかありません。さて、どこに支払いますか?

昔なら、クレジットカード会社だったでしょう。なぜなら、クレジットカードを持てなくなるから。しかし、今はほとんどの人が携帯電話会社と答えるのではないでしょうか?なぜなら、クレジットカードが無くても生活できるが、携帯電話がなければ生活できないから。

今まで、消費者金融は、与信ノウハウが最大のノウハウとされてきた。無担保で金を貸す、返済できるかどうかを判断することが重要でかつ一番難しい。そして、その次が回収。

現在、貸金業制度等に関する小委員会などで、上限金利の引き下げ、総量規制などが議論されている。もし、これらの制度が実現すれば、ゲームのルールが変わるはずだ。

 



現在、貸金業制度等に関する小委員会などで、上限金利の引き下げ、総量規制などが議論されている。もし、これらの制度が実現すれば、ゲームのルールが変わるはずだ。

総量規制とは、一人の消費者が複数の金融業者から借りられる金額の合計額をを年収の3分の1に制限するという制度だ。また金融業者1社当たりの貸出上限額を50万円に制限するということも議論されているので、この二つの制度を足し合わせると、一人の消費者に貸すことが出来る金融業者は3社ということになる。

今まで、消費者金融とは、与信ノウハウと回収ノウハウをこそが利益率を左右する重要なファクターだった。ところが法律が改正され、信用情報が一元的にDB管理されると、DBにアクセスする権利さえ獲得すれば、それ以上の与信ノウハウなど必要なくなる。

これからの消費者金融業界のゲームのルールでは、「企業イメージ」と「借り易さ」のみを競うことになる。今までも消費者金融業界では、「与信ノウハウ」と「回収ノウハウ」が参入障壁となり、それをクリアした企業の中で、上位数社は、「企業イメージ」と「借り易さ」を競ってきた。この両方の要素を兼ね備えることは難しいので、銀行は消費者金融業者を買収して系列化してきた。

ところでクレジットカード会社が消費者金融とは別の業界として存在する。クレジットカード会社の収益のかなり大きな比率をキャッシングが占めている。クレジットカードのキャッシングと消費者金融の融資は何が違うのだろうか?
今までは、呼び方と金利が違っていた。しかし、法律改正によって上限金利が下がると、クレジットカード会社のキャッシングと消費者金融の融資はほとんど変わらなくなる。つまり実態は変わらなくなる。ドコモは既にクレジットカードのイシュアラーだ。

消費者金融業界は、利便性や心理障壁の低減の為、自動契約機の普及に努めてきた。もちろん、これは消費者の「借り易さ」を追求したからだ。しかし、ケータイで申し込み〜審査〜契約まで出来て、入出金もFeliCa連動で出来るようになれば、これほどの「借り易さ」は無いだろう。

後これに、ケータイ通信キャリア間で、通信料の滞納者などのブラック情報の交換機構が加われば、与信、回収もより強力になる。

ドコモが日本最大の消費者金融になる日は、利益貢献度の観点で見ると通信事業は融資事業の為のCRMと与信の手段でしかなくなるかもしれない。

な〜んてね ^^;


2006年09月26日 ビジネスプラン添削

「医療コンビニ」の添削(先生業は狙い目)

 主に東大生で構成される東大起業サークルTNKさんからの提案でスタートした「真田社長のオープンキャンパス」ですが、そろそろ佳境に入ってきました、というかケツに火が付いてきました(笑)

この企画は、東大起業サークルTNKビジネスプランを募集し、それを私が実戦的に赤ペン添削する。それをBlogに連載し、まとまったところで出版する。というものです。

私に提出されたビジネスプランは、「真田社長のオープンキャンパス」Blogでご覧になることが出来ます。私のブログでは、それを私が添削・評価した文章だけを掲載したいと思います。但し、この企画はとある出版社から出版することが決まっているので、2週間の限定公開です。2週間後には一部を残して削除してしまいます。

本日はその第1回目。元のビジネスプランをご覧になってから下記をお読み下さい。

寄付ポータルの続きはもう少ししたら掲載しますので、しばしお待ち下さい。


業種、ドメインの選び方

■先生業はねらい目だ

業種、ドメインの選び方は、ある面でとても当を得ている。今回選んだ医療という事業ドメインを含めて、免許や資格、許認可によって守られている業界は、その免許や資格の難しければ難しいほど、ユーザー視点による業務改善が行われず遅れている。
競争がないとろこに進化なし。

中でも特に、 士業、先生と呼ばれる業種、すなわち医師、弁護士、司法書士、税理士、学校などの業種は、複数の先生を雇用して法人として経営していても、経営者感覚ではなく先生感覚で経営されている方が多い。いわゆる「武家の商法」だ。本来は、サービス業であるにもかかわらず、「お客様は神様」「お客様に聞け」というサービス業の基本姿勢が無い。

このような業界に、徹底したユーザー視点による改善、改革を持ち込めば、十分成功のチャンスがある。

このような閉鎖的な業種は、外から見えることと、内部事情が大きく異なることが多々ある。例えば、私も病院経営者に「広告宣伝すれば良いじゃないですか?」と安易に提案したことがある。
そうすると、
「そんなこと出来るならとっくにやってますよ。それは法律で禁じられてます。」
とウンザリした表情で答えが返ってきた。門外漢の私はそんな法律さえ知らなかった。
だが、私は、続けて
「法律が禁じている広告の定義はなんですか?病院の入口にある看板は広告では無いんですよね。一般用語では看板は立派な広告ですよ。」
「術後経過の検診に来てくださいという連絡を入れるのは、一般業界ではCRMと言って、やはりマーケティングの一種ですよ。」
と畳み掛けてみた。先生は黙り込んでしまった。病院でも合法的に可能な広告・マーケティングが存在するのだ。

 


■門外漢の自由な発想と徹底した調査

良くも、悪くも門外漢だからこそ、安易で気軽で無責任な発想を持つことができることもある。業界の中にいる人は、出来ないと決めつけてしまいその先入観の呪縛から逃れられないことがある。
ある経営者の方からは、「一般の方には不思議だろうけど、それは業界慣習に反するんですよ。そんなことをしたら業界から閉め出されますよ」と言われたこともある。
私は、
「だから?」
「閉め出されるかどうか、やってみればええやん」
一般人にとって不思議なような業界慣習は、業界の中でも内心疑問に感じている人がいるかも知れない。

アイデアを思い付く段階で、門外漢であることは何の問題もない。しかし、 プランを練る段階で門外漢では、話にならない。プラン作成に当たっては徹底的な調査が必要だ。
調査というと、「市場規模が何億円で前年度対比なX%の伸び率」というような統計データを調べることだと思っている人もいるが、そうでは無い。もっと定性的な調査が初めに必要だ。

まず初めに、インターネットで検索して文献を読み漁る。文献と言っても白書や論文とは限らず、ブログやSNSのコミュなどに本音やヒントが隠されていることが多い。
次に、医療業界なら病院で働く人や経営者に話を聞く。ターゲットがサラリーマンならサラリーマンに意見を聞く。

そして、本気でそのビジネスプランを検討するなら、その類似の会社でアルバイトしてみる。当たり前だが、先生業の業界でやるなら、勉強して資格を取る必要がある。ビジネス感覚、ユーザー感覚がある先生になれたら、業界最強になれる。

メディコスのビジネスプランは、妙味のあるドメインを選定しているが、それを活かすための調査が足りない。門外漢の推測の域を出ていないことが大きな問題だ。

 



コンビニみたいな病院

「コンビニみたいな病院」というコンセプトは非常に当を得ていると思う。コンビニがスーパーなどの不満点を解消し、また独自の効率化システムを編み出すことによって普及したように、病院のコンビニ化によるニーズは十分にあり得ると思う。

コンビニ化の手法として、


駅前にチェーン展開
働くサラリーマンをターゲット 
早朝・深夜営業
携帯・PCから24時間予約可能
BOX SYSTEM(15分診療)
料金表
大病院予約システム

などを挙げている。
 

駅前で早朝から深夜までやっている病院は、確かにニーズがある。コンビニと同じく、病院のコンビニ化の胆は営業時間にある。都会に住む人のライフスタイルは、この30年間で大きく変化し、都会は24時間眠らなくなった。そのライフスタイルの変化に合わせて営業時間を変更すれば、新たな顧客を獲得できる。それが出来ていない業界は多数ある。その一つが病院だ。もちろん救急病院や入院をする病棟は24時間開いているが、一般診療は昼間しかやっていない。これが不便だと感じている人は確かに多いはずだ。

ついでに、他の業界でいうと、 区役所・市役所の市民サービス。住民票や印鑑証明を9時-5時しかとれない役所が多い。こんなことは民間では考えられない。KIOSK端末で24時間とれるようにして欲しい。探せば他にも沢山あるはず。

「駅前で早朝から深夜までやっている病院」はとても良い発想なのに、なぜそのターゲットをサラリーマンに限定しているのだろう?恐らく、「昼間に病院に行けない人=忙しい人=サラリーマン」という連想なのだろう。昼間病院に行けない人はサラリーマンに限らない。そこまでターゲットを絞る必要は無いだろう。

また、営業時間を「7〜9時 17時〜24時」と設定しているが、これはサラリーマンにターゲットを絞ったが故に、「昼間は営業しない」ということになったのだろう。夜間営業にニーズがあるからと言って昼間に営業しないというのは、回転率という観点から言ってあり得ない。店舗サービス系のビジネスのコストは1に人件費、2に家賃と設備の減価償却費、3に広告費の順にコストが掛かる相場決まっている。この家賃と設備の減価償却費の負担を増やさずに回転率を上げることが利益率の向上につながる。


2006年09月19日 儲かるビジネスアイデア

会員制ならぬ株主制のレストラン・バー

しばらく更新が止まってました。
これから再び平日毎日更新を目指したいと思います。
寄付の話もまだ続きがあるのですが、堅い話が続いているので、息抜きに軽い、くだらない話を。


最近、会員制のBar、レストラン、高級カラオケなどが相次いでオープンしている。2005年12月30日のエントリー「バブル時代に流行ったものがもう一度流行る」で指摘した現象の一つだ。

一般客の入れるスペースの奥に、会員だけが入れるVIPルームが有るという構造は、バブル時代のマハラジャというディスコと何ら変わらない。

マハラジャではVIPの入口に黒服が立っており、ユーザーの顔を黒服が人力顔認証するというシステム(いわゆる「顔パス」)だったが、テクノロジーの進化によって最近の会員制店舗では指紋認証や静脈認証などのギミックが取り入れられている。
この場合の認証は、精度やセキュリティなどはどうでもよく、そこで仰々しい入場の儀式を行うことにより、同伴者に対して、「ここから先は限られた者しか入れないんだよ」ということが暗黙の内に伝われば良い訳だ。

通常、会員になるためには入会金を支払う。入会金が5万円から10万円ぐらいの店舗が多いようだ。六本木ヒルズクラブのように名目上は100万円以上するところもある。この入会金は、資産性が無く、譲渡も出来ない。

会員制の店舗に入会する会員が、入会金の対価として求めているものは一言でいうと「見栄」。店舗側が会員に求めているものは、安定集客と高い客単価の維持。ところが、会員制の店舗が増えてくると、相対的に「見栄度」も話題性も下がってくる。すると、入会金を支払ったぐらいでは、リピートしなくなる。

 



そこで、会員制ならぬ株主制の店舗はどうだろうか?
 

本当の富裕層には見向きもされない子供だましだが、遊びたい盛りのM1層には効き目があると思う。

マハラジャの「顔パス」にあって、会員制店舗の会員に無いのが、「縁故」感だ。マハラジャの「顔パス」は金を払っても成れないが、会員制店舗の会員は金を払えば成れる。M1層の見栄の張り方は、金が有ることよりも、「俺、●●なら知り合いだよ」という「縁故感」の方が重要だ。
その点、会員制の店舗は、この「縁故感」が無い分、「見栄度」が低い。

「俺が会員になっている店があるから、そこ行こうよ」
は別に格好良くないので、あまり使われないセリフ。

例え3万円でも、入会金ではなく資本金になれば、

「俺が出資してる店があるから、そこ行こうよ」

というセリフが使える。M1層のサラリーマンにとって、このセリフは言ってみたいはず。この一言の為に3万円や5万円程度を払う人は沢山いるはず。

●もちろん株券も発行する。

未上場なので、株券の仕様に関する規定は特にない。持ち歩けるようにカードサイズの株券を作ってみる。会員カードではなくあくまでも株券だ。
株式投資をしている人でも自分の手に株券を持ったことがある人は少ないはず。だから、株券を手にすると少し嬉しい?少なくても話のネタにはなる。それは店舗にとってはクチコミ宣伝力になる。
いっそのこと、カード型株券を非接触ICカードにしてみる。もちろん世界初!非接触IC株券。店舗の奥にある株主専用ルームに入るためには、この非接触ICカードをかざすと、シャリ〜ンという音とともにドアが開く。

●もちろん株主総会も開く。

しかも、年1回と言わず、年4回ぐらいは開きたい。もちろん場所はこの店舗。しかも飲食しながら。飲食代金はしっかり頂く。

●月次の決算報告をする

月次の決算報告をメールで毎月送る。
入会金を払って会員になった店の収支など全く気にならないが、これが出資となると、なぜか業績が気になるのではないだろうか?なにせ株主様だから。株券は、店が潰れない限り資産価値があるが、店が潰れたらタダの紙切れ、いや板きれになる。
月次の決算報告が送られてきて、業績がイマイチだったら、客を連れて店に顔を出す律儀な株主様もきっといるはずだ。

●もちろん配当も出す。

但し、現金で出すのではなく、この店舗でだけ使えるお食事金券で出す。株主の皆さんが客を沢山紹介して下されば、その分、配当が増える。会社の接待交際費をこの店舗で使えば、自分に配当で返ってくる。

●問題点

何かと面倒なのが問題点。
50人以上の株主の公募なので目論見書を作らないといけない。資産(店舗の保証金や什器備品など)を持つ会社と、運営会社を分離して運営会社の株主を募集する形をとり、公募株主のシェアを33%未満に抑えておけば、基本的にたいていの問題は解決できるが、店を閉じるときなど、何かと説明が面倒。

 

この面倒さを厭わなければ、この手法は飲食店に限らず、あらゆる客商売で応用が効く。
話題性があるのは1店舗目だけ。やって見たい方はお早めに。


2006年09月05日 儲かるビジネスアイデア

WEB2.0 的、世界を救う寄付ポータル

今回のコラムは、「儲かるビジネスアイデア」というカテゴリーに分類しているが、儲からないビジネス?アイデアだ。いや、そもそもビジネスではない。


今から数年前、知人の金野策一氏の要請を受けて、アースセクターという会社の資本金集めを手伝い、アドバイザリーボードにも就任し、そしてネットを使った寄付集めの仕組み、それを普及させるための仕掛けなどのアイデア、プランをプランを考え、託した。
しかし、私が考えたプランの10分の1も実行されないまま、いつの間にか金野氏からは連絡がなくなった。立ち消えになったものと思っていたら、募金ポータルは運営母体が変わって継続していた。しかし、5年前からほとんど進化していなかった。

この5年間で世の中の状況とネットの世界の状況は大きく様変わりした。5年前に考えたプランに今の状況を踏まえた、2006年時点の「世界を救う寄付ポータル」を書いてみたい。

その前に、オンライン募金の状態がどんなものか、軽くググってみた。
ポータルもいくつかあった。

オンライン寄付サイト ガンバNPO
NGOアリーナ寄付サイト
イーココロ
クリック募金 _ クリックで救える命がある。
募金パーク

運営されておられる方々の苦労と善意には敬意を表したい。皆さんも協力してあげてください。
運営されておられる方々はIT系のビジネスマンではないので仕方ないが、もっと効率的に普及させる、寄付を増やす方法をいろいろ考えることが出来る。




寄付ポータルの概要

グーグルで検索すると「寄付」で17,200,000件、「募金」で6,850,000件ヒットする。不思議なことに、この二つのキーワードでヒットする上位のサイトに重なりが無い。多分SEOの概念が余り無いんでしょうね。二つを単純に足すと、24,050,000件。まとめサイトやポータルは前回書いた数サイト程度。

様々な団体が、それぞれ独自に寄付を募っている。

どれをとってもグーグルのPage Rankは低い。つまり、サイトの存在を知られていない。だから、当然、集客(?)できない。仮に集客出来たとしても送金方法が銀行振込だけのサイトが多く、それではコンバージョンレートが上がらない。

一方で、LOHASブームや異常気象などで地球環境に対する関心は高まっている。頻発する大地震や津波のニュースを見て義援金を送りたいと思う人、貧困の問題に心を痛めている人も多い。しかし実際に行動を起こす人は、その内のごく僅か。キッカケが無いのだ。寄付募金を送りたくても、どこに送れば良いのか分からない。その内に忘れてしまう。

そこで、寄付を募る団体とネットユーザーの間をつなぐポータルが寄付ポータルの必要性が出てくる。


ここからは、寄付ポータルを成功させるため要素アイデアを順不同に書いていく。まずは、わかり易いところから。

ポイント・マイレージ募金

JAL、ANA、楽天、ビックカメラ、、、、あるいはネットマイル、Gポイント、数えたらキリがないくらい世の中にはポイントorマイレージが溢れている。
そういう私も、KLabでは、ケータイコインというポイントプログラムを運営している。電子金券開発(略称:電金)では、ポイントプログラムのアウトソーシング事業を展開している。

日本国中全てのポイントの発行残高を合算すると、恐らく兆円の単位になるだろう。その内、かなりの割合が使用されないまま退蔵され使用期限切れを迎えている。

このポイントを寄付できるようにする。

 



●ポイント発行企業との提携
ポイント発行企業側のサイト、リーフレットなどからポイント寄付ポータルへのリンク(バナー)を貼って貰う。大手サイトにリンクを貼って貰えればSEO的にも効果がある。企業側にとってはこのバナーを貼ることが社会貢献イメージにつながる。

ポイント発行企業はポイントの退蔵率(未使用率)を計算に入れているので、寄付によってポイント使用率が上昇すれば、その分、利益率が下がる。しかし、社会貢献とイメージアップの為に協力してもらう。もちろん、寄付ポータル側に寄付できるポイントの紹介ページを設け、ポイント発行企業への誘導を行う。


●ユーザーメリット
ポイントは有効期限が1年程度の事が多く、有効期限の通知メールが来ても買うモノが無かったり、貯まっているポイントが280円とか中途半端な金額だったりすることが多い。そんな時に「寄付するボタン」があれば、押してしまう人は多いはず。ポイントは所詮もらい物、自分の懐は痛まない。まずは、そこから集客し、その他の募金につなげていく。

●システム
ポイント発行企業側のDBのポイント減算処理と寄付ポータル側の加算処理を同期させ、その後の発行企業側への請求処理などを行わなければならい。様々な企業のシステムと連動するとなると結構面倒だ。

実はKLabが開発し、電金が提供している ポイント交換のアウトソーシングのシステムをそのまま使える。
電金では、いちよし証券様 や E-TRADE証券様、サイバーエージェント様など様々の会社のポイントを特典商品に交換出来るサイトを運用しているが、ポイント発行はお客様企業側で行い、それを電金のサイトで使える内部ポイントに置き換えるシステムを持っている。お客様側のシステム改修を最小に抑えるために、複数の処理方法を用意している。

もし、本気でポイント寄付ポータルに取り組もうという団体がいれば、電金からシステムを無償で提供します。
ポイント発行企業のシステムと電金のシステムのつなぎ込みを行えば、ポイント発行企業は、ポイントの使い道として、ポイント寄付が出来るだけではなく、希望すれば、数万アイテムに及ぶ電金の豊富なMDも活用し、ポイントプログラムの魅力を向上することが出来ます。
その場合、もちろん電金もビジネスになる。(というか、少し宣伝モード)

 



私が子供の頃から、赤い羽根共同募金という仕組みがあった。
昨年は、ホワイトバンドが流行って、そして問題になった。

どちらも、人の心理をうまく突いている。
 

●人に知って欲しい心理

人は、寄付や募金をするとき、その事実を周囲の人に知って欲しいという心理がどこかに有る。もちろん、その心理の大小には個人差があり、匿名で寄付をする奇特な方もおられるし、銅像をたてる人もいる。
一方で、「寄付や募金をした事を知って欲しい」、という心理と同時に、「それを自分のクチで言うのは格好悪い。」という心理もある。
「自分からは言わないけど、さりげなく知られたい」というのが、近年の大部分の人の本音のはずだ。

その点に於いて、ブランドものの服に似ている。ユニクロで買えば1000円で買えるシャツをブランドの店で2万円で買う時、どこかにそのシャツがブランドものであることを知って欲しいという心理があるが、同時にそれを自分言うのは格好悪い。だから、余りにどーんと大きなロゴマークが入ってるシャツは(関西以外では)売れないが、分かる人には分かる要素がどこかに無いと、やはり売れない。


●皆がしてるから僕もする

赤い羽根やホワイトバンドのもう一つの効能は、「みんながやってる感」の醸成だ。どんなものでも普及させるためには、「みんながやってる感」が必要不可欠だ。

 

●主義主張と意思表示

赤い羽根とホワイトバンドには決定的な違いがある。ホワイトバンドは「ほっとけない 世界のまずしさ」というキャッチコピーの通り、貧困問題の解決という特定の主義主張に特化した活動で、ホワイトバンドを腕につけることは、その趣旨に賛同することの意思表示であり、募金と署名運動の合体のようなキャンペーンになっている。
それに対して、赤い羽根は、都道府県ごとにある共同募金会に一旦お金が集められて、そこから各種団体に配分される、ある種の募金のポータル、募金のデパートだ。そこには、特定の主義主張はない。

 

ネット上で寄付・募金を活性化させるためには、この赤い羽根やホワイトバンドに該当する目印が必要だ。


私が、ネット上の赤い羽根として最初に思いついたのが、フリーメールだった。

 



上記,
「寄付や募金をした事を知って欲しい」という心理と同時に、それを自分のクチで言うのは格好悪い。」という心理もある。「自分からは言わないけど、さりげなく知られたい」というのが、近年の大部分の人の本音のはずだ。
と書いた。

そこで、一定額以上の寄付をした方には、デジタル赤い羽根として、独自フリーメールのアカウントが与えるという仕組みはどうだろうか?

寄付ポータルのドメインが仮にe-kifu.jpだったとして、寄付した人は、下記のようなメールアカウントを取得することが出来る。逆に言うと、このメールアカウントを使っている人は、一定額以上の寄付をした人だということが、分かる人には分かる。

●●●●@*****.e-kifu.jp

(●●●●は個人のアカウント。
サブドメインの*****.は寄付した団体を表す)

サブドメインの「*****.」に特定団体を入れることにより、ホワイトバンドのような意思表示の意味合いを込めることも出来る。


このフリーメールは、フッターの使い方次第ではもっと大きな拡がりを持つ。


フリーメールのフッターに寄付ポータル又は寄付をした団体の告知を入れる。
そうすると、ユーザーがそのメールアカウントを使えば使うほど、その告知に協力することになる。
一人が寄付をして、フリーメールを使うことにより、その友達にバイラルに寄付の輪が拡がっていく。

但し、フッター告知が入ることにより、メールアカウントだけよりも、もう少しわかり易いデジタル赤い羽根になる。ある面、「さりげなさ」が損なわれかも知れないので、そのさじ加減は難しい。 




前回は、メールのフッタースペースを寄付するという話を書いたが、Blogなど誰でも気軽に自分のWEBサイトを持つ時代になると、WEBの広告スペースを寄付するという発想に必然的につながっていく。

個人のサイト、ブログの場合は、

アフェリエイトの延長線で考えれば良い。アフェリエイト収入を自分のポケットに入れずに、寄付できる仕組みだ。世の中にはアフェリエイトで本気で稼ごうと思っている人種もいるけど、少数派。実際に稼いでいる人となると天然記念物級の希少種。ほとんどの人は、「小遣いの足しにでも」とは思うけど、足しにもならないので、どうでも良いと思っているはず。その点前々回書いたポイント・プログラムに似ている。

これは、今更ゼロから構築する必要はない。既存に存在するA8.netやバリューコマースなどのアフェリエイト・サービス・プロバイダーと提携すればよい。


Profile
プロフィール用写真


KLab(株) 代表取締役社長

19歳で株式会社リョーマを起業して以来、数々のベンチャーを起業。地獄と天国を経験し、それでもベンチャー起業と経営にこだわり続けます。


趣味:音楽(オールジャンル)、酒(飲み過ぎ)、ゴルフ(下手くそ)、サーフィン(過去形)、旅行、
出没地:六本木、西麻布、麻布十番、豊洲、沖縄

真田が登場する本

Director'sMagazine
巻頭特集では未公開の幼少期や学生時代の半生記が描かれています。


TechnoTokyo

IT系のベンチャーの受付や応接室でよく見かけるTECHNO TOKYOカレンダーの書籍版。巻頭のカラー特集では、GMOの熊さん、インデックスの小川さんなどと共に、KLab(株)、真田も掲載されています。


モテカフェMesseage
Tokyo FMの人気番組「モテカフェ」が本になりました。ゲストとして登場した13人のベンチャー社長が"モテる"秘訣を語っています。
六本木ヒルズ
真田哲弥が、三木谷浩史、藤田晋(敬称略)などとともに、10人の21世紀勝ち組企業家の1人として紹介されています。
勝ち組と言われても、今は、再び挑戦者なんですけど。。。

本表紙_あのバカ
真田哲弥の学生起業家時代からサイバードの公開直前までが描かれています。
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