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2006年01月01日 モバイル&インターネット

携帯公式IPのビジネスモデルは緩やかに崩壊する

明けましておめでとうございます。

新年最初のBlogなので、私の本業、モバイル・インターネットの今年〜3年間の動向を予想することにする。



携帯公式IP
のビジネスモデル、すなわち、携帯通信キャリアの公式サイトとして有料課金サイトを運営し、会員1人当たり月額○円の利用料を徴収するビジネスモデルは、この数年間、株式市場を席巻してきた。これほど良く出来たビジネスデルは、ここしばらく見つからない。(このビジネスモデルの何がどう優れているのかは、別の機会で取り上げる。)
このビジネスデルでIPOを果たした会社は20社近くにのぼる。一つのビジネスモデルで短期間にこれだけの会社がIPOしたことは、歴史上類を見ないだろう。このビジネスモデルを作ったのは、NTTドコモの夏野氏であることは疑いの余地がない。宣伝をさせてもらえば、このビジネスモデルに最初に着目し、それを最初に実行・成功させたのが私です。

しかし、このビジネスモデルは崩壊の危機に瀕している。




というより、緩やかに崩壊が始まっている。

それは何故か?

下記は、今年の、Mobidecという携帯業界のカンファレンスでの私の発表からの抜粋です。

有料課金ユーザー総数の頭打ち
有料課金ユーザー総数が頭打ちしているにもかかわらす、未だ有料課金サイトのサイト数は増え続けている。したがって、1サイトあたりの平均ユーザー数は減る。これは、あくまでも平均の話。実際には、勝ち組サイトのユーザー数は減っておらず、負け組サイトの数が増え、2極化が進んでいる。

公式サイトから勝手サイトへのシフト
これが一番重要な流れかもしれない。
今まで、PCは無料、携帯は有料というサイトもあった。これは、携帯では、有料課金が成立しやすいという反面、携帯の広告市場がまだ成立していないという側面があった。今年は、携帯のネット広告市場がいよいよ拡大する年だ。

今まで、有料公式サイトに対して無料の勝手サイトは所詮無料サイトという感があった。これは、経済原則からしてしょうがない。勝手サイトは、利益を生まない以上、投下出来る費用に制限があったのだ。
昨年からこの流れが変わり始めた。

ユーザーからすれば、無料で有料と同レベルのサービスが見られるのなら、それにこした事はない。ユーザーのリテラシーの向上が拍車を掛ける。

端末のリッチ化による加工再販業者としての意義低下(レベニューシェアモデルの崩壊)
ケータイのコンテンツプロバイダというのは、ケータイの端末(Hard Wear)が貧弱だった時代、すなわちケータイ向けにコンテンツを加工しなければならなかった時代、元のコンテンツをケータイ向けに再加工する役割を担っていた。ケータイが普通の端末になってくれば、再加工の必要性が無くなる。一番わかり易いのが着メロだ。着メロ業者というのは、CD音源をMIDI化する役割を担っていたが、ケータイでCD音源を再生できるようになった今は存在価値が低下せざるを得ない。

携帯のコンテンツプロバイダは、元々の情報源だったり、コンテンツホルダー(ネタ元)と業務提携し、携帯向けにコンテンツを加工し、配信している。そして、それによって得た売上をレベニューシェア(%で売上を配分)している。
携帯のリッチ化に伴い、音楽ダウンロードや動画配信など、今までより高い金額設定が可能なサービスが流行る。したがって、総売上は増える。しかしながら、端末のリッチ化は、同時に再販加工業者としてのコンテンツプロバイダーの存在意義の低下を招き、結果として、コンテンツプロバイダー側のシェアレイト(取り分の比率)が低下し、ネタ元側に付加価値がシフトしいく。

 

ピンチとチャンスは常に表裏一体なので、ピンチから新たなビジネスチャンスが生まれる。トレンドを正しく把握しているコンテンツプロバイダはまだまだ業績を伸ばすだろう。KLab(株)はもちろんトレンドを正しく把握しています(^_^)v


携帯公式IPのビジネスモデルは緩やかに崩壊する 。しかし、ピンチとチャンスは常に表裏一体なので、そこに新たなビジネスチャンスが生まれる。
携帯のの公式サイト関連で20社程の会社が株式公開し、今まで株価は上がり続けてきたが、今後3年間で地殻変動が起きるだろう。少なくても3分の1の会社は減益になるだろう。

まずは、なぜ崩壊が始まっているのか。その原因を探ってみたい。

端末のリッチ化と多キャリア化による開発費の高騰


その昔、ファミコンがブームになった時、雨後の竹の子のように、小さなゲーム会社ができた。しかし、8bitマシンの初代ファミコンから家庭用ゲーム機はどんどん高機能化(リッチ化)を続けた。それに伴い、開発費は高騰し続けたが、ユーザーが、ユーザーがゲームに支払う対価は変化しなかった。その結果、メジャーなタイトルを擁するゲーム会社だけが生き残った。
携帯電話業界では、ゲーム業界と比べれば遙かに影響は小さいが、似たような現象が起こっている。

今後、新たな開発費高騰の原因になる可能性があるのが携帯キャリアとMVNOの新規参入による多キャリア化だ。
現在、多くのコンテンツプロバイダは、まずドコモ向けかAU向けにサイトを作り、それを他の2キャリア向けに作り直す作業をしている。もし携帯キャリアの数が3社から6社になれば、その手間が倍になる可能性がある。但し、ならない可能性もある。問題は互換性だ。


PCは初期の頃はメーカー間の互換性に乏しかったが、今はパーフェクトに互換性がある。Wintelが業界を牛耳っている功罪の功の部分だ。CPUとメモリに余裕が出れば、互換性を保つためのソフトウエア処理をする余裕が出来るという側面もある。

日本の携帯電話業界はメーカーではなく通信キャリアが牛耳っている、世界でも希有な構造だ。携帯キャリアが増えようと、メーカーが増える訳ではない。互換性を維持しようという意志さえあれば、互換性は保てる。現に、同じ家電業界が開発製造しているCDやDVDは互換性を維持している。ところが、携帯キャリア業界は家電業界に比べて、幼稚というか業界意識が希薄だ。今までも、互換性を保つ努力をしてこなかった。業界の発展よりシェアと意地の張り合いを優先する。ナンバーポータビリティの実施により、囲い込み思想が強くなる。すると、わざわざ手を加えて非互換に改造する愚を犯す可能性を否定出来ない。


携帯通信キャリアの囲い込み行動によって、開発費が高騰してしまう可能性は否定できない。

 

繰り返すが、ピンチとチャンスは常に表裏一体なので、ピンチから新たなビジネスチャンスが生まれる。トレンドを正しく把握しているコンテンツプロバイダはまだまだ業績を伸ばすだろう。KLab(株)はもちろんトレンドを正しく把握しています(^_^)v


Profile
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KLab(株) 代表取締役社長

19歳で株式会社リョーマを起業して以来、数々のベンチャーを起業。地獄と天国を経験し、それでもベンチャー起業と経営にこだわり続けます。


趣味:音楽(オールジャンル)、酒(飲み過ぎ)、ゴルフ(下手くそ)、サーフィン(過去形)、旅行、
出没地:六本木、西麻布、麻布十番、豊洲、沖縄

真田が登場する本

Director'sMagazine
巻頭特集では未公開の幼少期や学生時代の半生記が描かれています。


TechnoTokyo

IT系のベンチャーの受付や応接室でよく見かけるTECHNO TOKYOカレンダーの書籍版。巻頭のカラー特集では、GMOの熊さん、インデックスの小川さんなどと共に、KLab(株)、真田も掲載されています。


モテカフェMesseage
Tokyo FMの人気番組「モテカフェ」が本になりました。ゲストとして登場した13人のベンチャー社長が"モテる"秘訣を語っています。
六本木ヒルズ
真田哲弥が、三木谷浩史、藤田晋(敬称略)などとともに、10人の21世紀勝ち組企業家の1人として紹介されています。
勝ち組と言われても、今は、再び挑戦者なんですけど。。。

本表紙_あのバカ
真田哲弥の学生起業家時代からサイバードの公開直前までが描かれています。
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