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2006年02月26日 儲かるビジネスアイデア

ロングテール理論をオフライン・ビジネスへ持ち込め

1年ぐらい前、ネットマーケティングの世界で大いに盛り上がったキーワードが「ロングテール」。今では、ネットのビジネスを考える上での基礎理論としてすっかり定着した感がある。


(だから、今更、ロングテールについて書くのは、少し恥ずかしいんだけど、1年前はブログ書いてなかったもので、、、、
ネットでロングテールは当たり前なので、それをリアルの世界(オフライン)に持ち込んだら?という逆転の発想で書いてみます。)

ネット系ではない読者もおられるので、念のためロングテール理論を解説しておきます。

「今さら〜」という方は解説飛ばして、読んで下さい。

以下は@ITの記事から抜粋

インターネットを利用したネット販売などにおいては、膨大なアイテム(商品)を低コストで取り扱うことができるために、ヒット商品の大量販売に依存することなく、ニッチ商品の多品種少量販売によって大きな売り上げ、利益を得ることができるという経済理論。ロングテール効果、ロングテール現象、ロングテール経済、ロングテール市場という形でも使われる。

 一般に商品販売では「80対20の法則」が成立することが知られ、このためABC分析などを行って売り上げ下位のアイテムを“整理”することが必要だといわれていた。これは売り場面積やバックヤード在庫などの物理的制約があって限られたアイテムしか扱うことができず、かつ在庫(店頭在庫含む)には固定費が掛かるために、それを賄うだけの在庫回転率のあるアイテムでなければコスト的に見合わなかったからだ。

 しかし、オンラインビジネスでは無限ともいえる売り場スペース(Webサイトなど)を用意することができ、地代の安価な場所に在庫スペースを設置することができるため、従来の物理的制約の多くを乗り越えることができる。特にデジタルコンテンツのダウンロード販売のような在庫固定費をほとんど無視できるビジネスでは、数年に1回しか売れないようなアイテムであっても、データベース上に登録しておくだけでよいなら“整理”する必要はなく、そうしたアイテムを数多く用意することで大きな売り上げを期待することができる。

以下は、サイバービジネスの法則集から抜粋

雑誌『ワイヤード』編集長のクリス・アンダーソンが提唱したもので、販売ランキング順に販売額の曲線を描くと、ベストセラーが恐竜の高い首(ヘッド)で、ニッチ商品が長い尾(テール)のようになっているところから名づけられた。 

 

ネット上の販売だけではなく、なく最近では、下記のような現象も注目されている。

広告のロングテール現象:TV、新聞、ポータルサイトのバナーだけではなく、無数の小サイトへ広告が出せるGoogle Adsenseやリスティング広告が効果がある。

ジャーナリズムのロングテール現象:TV、新聞、雑誌だけではなく、無数のBlog、掲示板などが世論を動かす。

 

こうして見てみると、ロングテール論というのは、ネットの特徴、或いはネットのビジネスの優位性や利益の源泉を説明する理論だ。


今日は、ここまで。
本題に入る前の、用語解説で終わってしまいました。ていうか、俺、自分で文章書いてないやん (^_^)




ロングテール理論というのは、ネットの特徴、或いはネットのビジネスの優位性や利益の源泉を説明する理論だ。と前回書いた。

ところで、オフラインのマーケティングの世界で、「分衆」「個の時代」と表現は変われど、「好みの多様化」について語られるようになって、もう2〜30年にもなる。
高度成長期は「巨人、大鵬、卵焼き」などと言われたように1億国民が同じ好みで、一番売れそうな商品を1種類開発すれば良かった。
「それに対して、現代では、個々の好みに応じた多品種少量生産、多品種少量販売すべきだ」とマーケティングのテキストは揃って書き立てた。

ネットのロングテール現象から遡ること30年、ネットが存在しない時代から起こっていた「好みの多様化」のことを、「初代ロングテール現象」と名付けるこにしよう。 

初代ロングテール現象

販売ランキング順に販売額の曲線を描くと、左端のベストセラーの額が下がり、テール(尾っぽ)部分が大きく長くなった。この20年間のマーケティング理論を、今風に言い換えると、「ロングテールに焦点を当てろ」ということになる。

ところが、マーケティングのプロは、経営のプロではない。マーケティング的に正しいことが、必ずしも経営的に正しいとは限らない。

 



マーケティングのプロは、経営のプロではない。
マーケティング的に正しいことが、必ずしも経営的に正しいとは限らない。

ロングテールに焦点を当てて、多品種少量生産、多品種少量販売すれば、確かに売れる。だから売上高は向上するかもしれない。
しかし、そんなことをすれば、儲からない。仕入れ原価、在庫固定費や販管費などコストが増大するからだ。

ネットを使うことにより、そのコストが増大しなくて済む。これがネットのロングテール理論だ。 

日本のIT、ネット業界では、米国でIT、ネットの新しい理論が発表されると、すぐさま、皆が一斉に飛びつく。そして金科玉条のごとく信奉し、そのまま実践しようとする。
既知の成功事例の分析は非常に大切だ。しかし、それを、そのままコピーしても、既にチャンスは少ない。私は、何かのマーケティング理論や経営理論が、ブームになると、それを鵜呑みにするのではなく、「その理論が見落としていることは無いか」「もう一ひねり出来ないか?」と考える癖が付いている。

ネットのロングテール理論によって、ネット企業は問題が解決して万々歳だ。しかし、リアル(オフライン)の店舗にとっては、他の解決策が無い限り、初代ロングテール現象に対応することができない。
これを「リアルのロングテール問題」と名付けることにしよう。

そこに、問題があるから、ビジネスチャンスがある。




そこに、問題があるから、ビジネスチャンスがある。

初代ロングテール現象、「好みの多様化」は、あらゆるカテゴリの商品において表れている。その中でも顕著にロングテール化している分野こそ、問題が大きい、或いは問題が顕在化している可能性がたかい。すなわちビジネスチャンスがある可能性が高い。
実用性ではなく嗜好性や趣味性、パーソナル性が強い分野に、初代ロングテール現象は顕著に表れる。

例えば、「お酒」。 

昔は、日本人は日本酒、ウイスキー、ブランデーぐらいしか飲まなかった。しかも、日本酒なら大関、日本盛、菊正宗などのナショナルブランドしか飲まなかった。

ところが、今はどうだろう?
少し前に日本酒の地酒ブームがあり、今は、一番人気はワインと焼酎。そして一部では、泡盛の人気が出始めている。
焼酎の場合、宝酒造のような大手企業のナショナルブランドではなく、地方の小さな酒蔵の焼酎が人気で、出荷量が少ないから、プレミアムがついたりする。
ワインに至っては、選択肢の幅が世界中に拡がり、そこに年という奥行きがかけ算されるから、銘柄数は爆発的な数になる。

現在の酒の銘柄別売上高をグラフにすれば、まさしくロングテールになるだろう。
だから、その意味では、ネット販売に適した商材だ。

しかし、酒というのは、個人向け販売より、業務店(飲み屋やレストラン)向け販売の方が、遙かに販売量が多い。

今の風潮では、業務店にとって、酒の仕入れは、大きな負担になっているのでは無いだろうか?




今の風潮では、業務店にとって、酒の仕入れは、大きな負担になっているのでは無いだろうか?
ほんの少しでも高級感を出したい店舗にとって、今や、ワインや焼酎を置かない訳にはいかない。しかも、ありきたりの銘柄だと通なお客様は満足してくれない。しかし、全てのお客様を満足させるだけのワインや焼酎を揃えるとなると、保管スペース、仕入れ資金、死に在庫と経営が非効率になる。

これが、リアル店舗における「ロングテール問題」の典型だ。吉野屋のような単一商品を販売する飲食店は多少売上が落ちても耐えられるのと正反対だ。 

それ以上に、従業員の知識が付いて行かない。ワインと焼酎が流行っている最大の理由は「うんちく」だ。このウンチクが無いと、いくら珍しいワインや焼酎を揃えても、店は流行らない。これも人間の頭脳のロングテール問題だ。コンピュータはDB技術のお陰でロングテール現象に対応するが、人間の頭脳は対応出来ない。

一方で、業務用酒販店は今も昔も、そんなに変わらないのでは?(実はよく知らないから、間違えていたらごめんなさい。)新しい店が出来ると「冷蔵庫やビールサーバーを無料で提供しますので、ウチから仕入れてください。」という昔ながらの営業。

そこで、業務用酒販店の2つの新しいビジネスを提案したい



「週替わり、富山の置き薬式酒販店」 

■週替わりメニュー
「2対8の法則」の8の方(マイナーな方)から、毎週10〜20種程度の酒を選び、「今週のお薦めメニュー」を作成する。
このメニューは、
1)店舗で直接お客様にお出しする用のメニュー
2)店舗の従業員用にウンチクを書いたアンチョコ
の二種類用意する。

日本食向けに焼酎と地酒メニュー、イタメシ、フラメシ向けにワイン、そのMixと3種類のメニューを創る。
メニューは週替わり。季節ごとの食材に合う酒を選ぶと良いだろう。
このメニューを毎週変えると、1年間54週で1080種類の酒を掲載することになる。かなりロングテールだ。




■週替わりメニュー

「2対8の法則」の8の方(マイナーな方)から、毎週5〜10種程度の酒を選び、「今週のお薦めメニュー」を作成する。
このメニューは、
1)店舗で直接お客様にお出しする用のメニュー
2)店舗の従業員用にウンチクを書いたアンチョコ
の二種類用意する。

日本食向けに焼酎と地酒メニュー、イタメシ、フラメシ向けにワイン、そのMixと3種類のメニューを創る。
メニューは週替わり。季節ごとの食材に合う酒を選ぶと良いだろう。
このメニューを毎週変えると、1年間54週で540種類の酒を掲載することになる。かなりロングテールだ。
 

■富山の置き薬商法
業務店(飲み屋、レストラン)に前述のメニューを持って営業に行く。
初回は、メニューとそのメニューに掲載されている酒を1本づつ置いてくる。
そして、翌週、また訪問する。売れた酒の代金と売れなかった酒を回収し、新しいメニューと新しい酒を置いていく。
これを繰り返す。そう、富山の置き薬商法だ。

業務店は、珍しい酒、通な酒を多種仕入れして、何ヶ月も注文されなければ、それだけ資金が固定化されてしまうが、この方法だと、売れた分だけ支払えばよい。
業務店は、“通な酒”なので、売れ線のメジャーな酒に比べて、高い金額で販売できるメリットもある。

業務店側は、これによって「リアルのロングテール問題」すなわち、保管スペース、仕入れ資金、死に在庫などの問題を解決して、初代ロングテール現象である趣向の多様化に対応することができる。良いことずくめだ。 

■酒販店側のメリット

それでは、酒販店側はどうだろうか?

多種多様な業態のレストラン、飲み屋などからの注文を受け付ける酒販店の側こそ、業務店以上に、品種・銘柄の多様化による「リアルのロングテール問題」に直面しているはずだ。
通常、業務店は、毎日開店前に電話やFAXで酒販店に注文を出す。それを受けた酒販店はその日の開店前にその酒を届けなければならない。だから、常に在庫を切らさないように揃えておく必要がある。
業務店で100種類の酒を置いていれば、十分それが売りになるはずだが、酒販店となれば1000種類では収まらないだろう。それだけの種類の在庫を持つとなると、固定化される資金、在庫リスクもバカにならないはずだ。


週替わり、富山の置き薬式酒販店」では、
業務店の規模に応じて、1種類当たりの納品本数を変える。小さな店は1本ずつ。大きな店は3本ずつというように。
1銘柄1本ずつ納品した店の場合、1本注文が入れば、それで、その銘柄はもう売り切れだ。通常であれば、そこで、店は電話かFAXで追加オーダーすることになる。しかし、このビジネスモデルでは全種類が売り切れるまで、追加オーダーには応じない。業務店に予め、「SOLD OUT」のシールを渡しておき、ある銘柄が売り切れた場合には、メニューに「SOLD OUT」のシールを貼ってもらう。
業務店のウエイターはお客様にお薦めする際、「このお酒は、残り1本だけです」という希少性を煽るトークを用いることが出来る。客も「SOLD OUT」シールが増えていく様を見ると、つい注文してしまうに違いない。
この手法であれば、特定の酒が突出して売れて在庫切れを起こす機会損失も、特定の酒が突出して売れ残る不良在庫の問題を解決できる。

また、顧客店舗をA群、B群の2グループに2分し、メニューを2週ずつ、づらす。A群に4月1週目に出したMenuをB群には4月3週目に出す。こうすることにより、A群の店舗で売れ残って返却された酒は、B群に充当し、その酒だけ仕入れを減らす。これなら、不良在庫を極小化できる。


週替わり、富山の置き薬式酒販店」の最大の特徴は
受注の主導権を握ることによる計画性と効率化の追求だ。

普通、どんな商売でも、何を買うか、何を発注するかは、発注する側が決める。それに対して、このビジネスモデルでは受注側が何を受注するかを決めている。
通常の酒販店は業務店からの注文のFAXをじっと待つしかない。そして、FAXが流れてくるまで、そこに書かれている酒の種類は解らない。だから、何が来ても対応出来るように、あらかじめ在庫を仕入れておく必要がある。
週替わり、富山の置き薬式酒販店」では、何ヶ月か先まで、何を受注するか自分で決めることが出来る。どの酒が何本出るか、あらかじめ解っているので、それだけを仕入れれば良い。極端な話、毎日の納品スケジュールに合わせて、毎日仕入れれば、無在庫も可能だ。

もう一つ、重要な計画性は、タイミングの計画性だ。通常の酒販店は受注のFAXがいつ届くか解らない。FAXが届いてから、初めてオンデマンドに行動を開始する。だから、自分で行動計画を立てられない。
しかも、開店前に届けなければならないので、配送可能な範囲、つまり商圏は自ずと狭くなる。

それに対し、「週替わり、富山の置き薬式酒販店」は週1回の定期配送。自分で配送計画、配送ルートを組み立てることが出来る。効率的に、配送ルートを組み立てることにより、例えば、月曜日は銀座、火曜日は上野、水曜日は池袋、というように、商圏を拡げることが出来る。


さあ、如何でしょうか、ネットのロングテール現象というのは、オフラインのビジネスでは効率が悪くて商売にならず捨てていた尾っぽの部分も、ネットを使って効率化することにより、「美味しい身の部分」になり得るという現象だった訳ですが、必ずしもネットを使わなくても、効率化は可能で、知恵の使い方次第では「リアルのロングテール現象」もあり得るはずです。 


sana3991 at 14:27│儲かるビジネスアイデア 
Profile
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KLab(株) 代表取締役社長

19歳で株式会社リョーマを起業して以来、数々のベンチャーを起業。地獄と天国を経験し、それでもベンチャー起業と経営にこだわり続けます。


趣味:音楽(オールジャンル)、酒(飲み過ぎ)、ゴルフ(下手くそ)、サーフィン(過去形)、旅行、
出没地:六本木、西麻布、麻布十番、豊洲、沖縄

真田が登場する本

Director'sMagazine
巻頭特集では未公開の幼少期や学生時代の半生記が描かれています。


TechnoTokyo

IT系のベンチャーの受付や応接室でよく見かけるTECHNO TOKYOカレンダーの書籍版。巻頭のカラー特集では、GMOの熊さん、インデックスの小川さんなどと共に、KLab(株)、真田も掲載されています。


モテカフェMesseage
Tokyo FMの人気番組「モテカフェ」が本になりました。ゲストとして登場した13人のベンチャー社長が"モテる"秘訣を語っています。
六本木ヒルズ
真田哲弥が、三木谷浩史、藤田晋(敬称略)などとともに、10人の21世紀勝ち組企業家の1人として紹介されています。
勝ち組と言われても、今は、再び挑戦者なんですけど。。。

本表紙_あのバカ
真田哲弥の学生起業家時代からサイバードの公開直前までが描かれています。
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