2006年07月06日 ベンチャー起業の鉄則
人は20年後の技術を過大評価し、3年後の技術を過小評価する
2003年4月7日は「鉄腕アトム」の誕生日だった。
原作者の手塚治虫さんが、雑誌『少年』に「アトム大使」の題名で連載を開始したのは1951(昭和26)年。手塚さんは約五十年後の未来を想像し、その頃には鉄腕アトムのような知能と心を持ったロボットが誕生するだろうと考えたわけだが、現実の技術は手塚さんの想像に追いつくことができなかった。
ロボットはまだ喋らないし、車はまだ空を飛ばない。2001年宇宙の旅という映画があった。2001年は既に過去となったが未だあの映画のような宇宙の旅は現実化していない。
人は20年後に自分の想像がつかないぐらい技術が進歩しているだろうと思う。過去を振り返って、この20年でこれだけ技術が進歩したのだから20年後はさぞかし凄いだろうというわけだ。その一方で、人は身近な2〜3年後の世界にそんなに大きな変化があるはずがないと思いこむ習性がある。
つまり
人は20年後の技術を過大評価し、3年後の技術を過小評価する。
この「3年先を過小評価する」という〈誤差〉にこそ、ビジネスチャンスが潜んでいる。
「技術は商機と勝機で急成長する。」
よくある錯覚は、技術の進歩は、均等な速度で直線的に伸びることを前提に考えてしまっていることだ。ある技術の進歩をグラフで示すと五年前、一年前、そして現在と直線的に進歩していたとする。その延長線上に一年後が来ると思いこんでしまう。
これが「錯覚」だといったのは、技術は直線的に進歩しないからだ。技術は常にS字カーブの連続で進歩している。S字が緩やかなときは直線に見えるが、何かのきっかけがあれば、技術は予想以上の急カーブで一気に進歩を遂げる。
「きっかけ」とは、商機と勝機だ。商機とは経営者からみた商業的成功のチャンス。勝機とはエンジニアからみて技術的成功のチャンス。技術も人が生み出すもの。商機が見えれば、企業は惜しみなく人と資金をその技術に投入する。勝機が見えれば、エンジニアの頭脳が活性化しアイデアがわき出るし、徹夜も厭わず研究に没頭する。実現する上での難関をクリアすると後は雪崩式に技術が進化するのだ。いままで企業の片隅でコツコツとその技術の研究を重ねてきた技術者がいきなり主役になる。その相乗効果で技術は予想以上の進歩を遂げる。






