ブログは日記では有りません。過去記事に面白い記事、役立つ記事が有るかもしれません。こちらの目次より、興味の有る記事を探してご覧頂けると嬉しいです。

2006年08月25日 儲かるビジネスアイデア

保釈金の貸付ビジネス

株式会社ベイエリアの田中社長より、下記のようなビジネスアイデアを投稿頂きました。

田中社長とはお会いしたことは有りませんが、
学生イベント屋→学生起業もどき→26歳で独立。だそうで、学生時代にはリョーマが発行していたサークル情報誌にも掲載されていたり、大学時代の私の仲間の会社に一時期所属しておられたりと、何かと縁があります。
現在は「上海ヴォイス」という上海の情報サイトに力を入れておられるそうです。

ご本人の許可を得て、頂いたメールをそのまま掲載させて頂きます。


拘置所に入り保釈してもらうには保釈金が必要です。
この保釈金は最低150万円からで、概ね200万円程度の
犯罪者が多いようです。普通は弁護士を通じ家族などにお願いしますが、
いきなり、200万円を用意できない家族も多く、これを貸し付けるビジネスです。現在、ネットでは3社しか見当たりません。
その3社は、差はございますが、概ね消費者金融程度の金利に相当する手数料ビジネスを行っています。但し、広告宣伝が行き届いておらず、いわゆるスタンダードなサービスはございません。
保釈金は返金されるもので、あくまでも弁護士に渡し、弁護士より返却してもらうことにより、犯罪者が逃亡をはかったりしない以上は、多くの確率で返却されます。
手数料は、親よりいただき、親には保証人にもなってもらいます。

 

※田中社長からコメントを頂きました。私は、以前にお会いしたことがあるそうです。失礼しました。
 



さすが、様々な経験されておられる社長さんだけあって、非常に現実感のあるビジネスアイデアだ。

田中社長は
「但し、広告宣伝が行き届いておらず、いわゆるスタンダードなサービスはございません。」
と書いておられる。私もググってみたが、確かにほとんどまともな告知は無い。

でも、本当に、「広告宣伝が行き届いていない」んだろうか?
ここが問題だ。

「保釈金の貸付ビジネス」を分析検討するうえで、私のオリジナルのマーケティング造語、「群生度」と呼んでいる指標がを活用したい。

この群生度の考え方をしっかり説明しようとすると、連載10回の長期連載になってしまうので、別の機会に譲るとして、簡単に説明する。

群生度とは、特定の手法によって告知した場合にターゲットにヒットする確率及びその手法の有効性のことだ。「リーチ」というマーケティング用語が「ターゲット100万人の内30%にリーチする」というようにターゲットを母数にして、その内のどのぐらいの割合に届くかという概念であるのに対して、群生度の概念はその逆だ。
仮にとある雑誌に広告だすとすれば、「商品ターゲットに一致する読者がどのぐらい存在するか?」に焦点を当て、高確率にヒットするメディア、手法が存在することを群生度が高いと呼んでいる。

このように書くと、難しそうなので、例えで説明する。
森の中に疎ら(まばら)に生息する野生動物をしとめようとする状態が群生度が低い状態。
囲いの中に羊の群れが閉じこめられている状態が、群生度が高い状態。
森に向かって鉄砲を乱射してみても、滅多に動物に当たらないのに対し、囲いの中に向けて鉄砲を乱射してみると、下手な鉄砲でも高確率に当たる。同じ弾数を撃っても群生度によって成果がまる変わる。

群生度こそがマーケティングコストを決定するので、群生度は利益率を決める重要なファクターだ。

脱線はこのぐらいにして「保釈金の貸付ビジネス」の分析検討に戻る。

「保釈金の貸付ビジネス」のエンドユーザーは、拘置所に入っていて保釈金が必要な容疑者またはその家族・友人等だ。もし、このエンドユーザーを直接募集しようとすると、どのような手段をとりますか?
一般の新聞に広告を出し続ける?
全新聞購読者の内、ターゲット(保釈金が必要な容疑者)は1%も居ないだろう。つまり、新聞広告という手法では、群生度が低いのだ。だから、1億や10億円程度の広告予算ではほとんど集客できないだろ。マーケット規模から推測する期待収益と全く釣り合わない。

もっと、ターゲットが群生している場所が有るはずだ。

 



もっと、ターゲットが群生している場所が有るはずだ。

そう、ずばり拘置所だ。拘置所の入口付近に看板をだせば、それなりにリーチするだろう。この記事によると、実際、小菅の東京拘置所正門前の差し入れ屋には「保釈金 融資」の看板があるそうだ。

しかし、拘置所前の看板では、怪しすぎて、成約まで結びつくコンバージョンレートが上がらない。

田中社長のアイデアの素晴らしいところは、直接エンドユーザーを集客しようとせず、弁護士を販売チャネルにして、チャネル経由で集客しようとしているところだ。

となると、エンドユーザー開拓の前にチャネル開拓。弁護士を販売チャネルに仕立てる営業から始まる。
これは極端に群生度が高い。

弁護士は日本国中にたったの22,000人しか存在せず、どこに群生しているか明らかだ。全員、都道府県別の47しかない各地の弁護士会に所属している。つまり、弁護士会館に群生しているのだ。
簡単に名簿も手に入。22,000通のDMを送るだけで100%にリーチすることができる。他にも弁護士専門の雑誌なども有るし、アウトバウンドコールや弁護士会館を1件ずつ訪問などのハイタッチ手法も有効かもしれない。
群生度が高いので、マーケティング効率が高く、顧客獲得単価を下げられる可能性が十分ある。




群生度の高さやその他の面でも保釈金の貸付ビジネスによく似ているビジネスに葬儀屋がある。

葬儀屋にとってのエンドユーザーは、家族が亡くなった直後の人だ。このエンドユーザーに新聞や雑誌などでリーチしようとすれば群生度が低すぎる。家族が亡くなった場合、電話帳かネットで調べるだろうから、電話帳やネットならまだ群生度は高くなる。

人が死ぬときは、どこで死ぬか?現代では、普通、病院で死ぬ。しかも町医者ではなく、そこそこの大病院。大病院に行けば、お客様が毎日誕生する。だから、病院を代理店にするのが最も効率が良い。葬儀屋のような地域密着型のビジネスにとって、代理店にすべき大病院は、そんなに何軒もない。代理店獲得営業は、広告やDMをうつ必要さえない。1件ずつ訪問すればよい。群生度は極めて高い。

群生度が極めて高いということを別の表現に置き換えれば、「一網打尽に出来る」ということが出来る。鴨が葱背負って群生しているなら、手間と暇とコストをかけても一件ずつ総当たり営業してでも、しゃぶり尽くすだろう。つまり群生度が高いビジネスは、第一発見者にとっては、こんな美味しいビジネスは無いが、第二発見者にとっては、到着した頃にはぺんぺん草も生えていない可能性がある。後発組は先発組より価格を下げるとなどの譲歩をしたリプレース営業を強いられることになる。


田中社長の「広告宣伝が行き届いておらず」という見方に対して私は疑問を呈した。


保釈金の貸付ビジネスの先行3社も弁護士チャネルで営業しようとしている。
であるならば、ひょっとして「広告宣伝が行き届いていない」のではなく、
「我々一般人の目に留まるメディアに広告する必要がそもそもないだけ。」
ではないだろうか?
我々一般人が保釈金の貸付ビジネスを知らないだけで、刑事事件専門の弁護士には、既に馴染みの出入り業者がいるかも知れない。

この事を確かめるのは簡単だ。何人かの弁護士にテスト営業をしてみればよい。その結果、先行者が寡占しているなら、このビジネスは諦めた方良い。先行者が入り込んでいないようなら、このビジネスは、やる価値がある。

但し、集客ができても、金利以外の固定手数料など料金体系を工夫しないと、あまり利益が出そうな気はしない。


sana3991 at 22:42│儲かるビジネスアイデア 
Profile
プロフィール用写真


KLab(株) 代表取締役社長

19歳で株式会社リョーマを起業して以来、数々のベンチャーを起業。地獄と天国を経験し、それでもベンチャー起業と経営にこだわり続けます。


趣味:音楽(オールジャンル)、酒(飲み過ぎ)、ゴルフ(下手くそ)、サーフィン(過去形)、旅行、
出没地:六本木、西麻布、麻布十番、豊洲、沖縄

真田が登場する本

Director'sMagazine
巻頭特集では未公開の幼少期や学生時代の半生記が描かれています。


TechnoTokyo

IT系のベンチャーの受付や応接室でよく見かけるTECHNO TOKYOカレンダーの書籍版。巻頭のカラー特集では、GMOの熊さん、インデックスの小川さんなどと共に、KLab(株)、真田も掲載されています。


モテカフェMesseage
Tokyo FMの人気番組「モテカフェ」が本になりました。ゲストとして登場した13人のベンチャー社長が"モテる"秘訣を語っています。
六本木ヒルズ
真田哲弥が、三木谷浩史、藤田晋(敬称略)などとともに、10人の21世紀勝ち組企業家の1人として紹介されています。
勝ち組と言われても、今は、再び挑戦者なんですけど。。。

本表紙_あのバカ
真田哲弥の学生起業家時代からサイバードの公開直前までが描かれています。
記事検索


アクセスランキング