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2006年11月07日 ベンチャー起業の鉄則

形が見えないビジネスはまず形を作れ

以前にも話したことがあるが、全てのビジネスは、受託型と見込み投資型の二つに分類できる。

見込み投資型は、初めに有る程度の資本金が必要であることと、見込みが外れるリスクがある。だから元で無しで起業する場合は受託型から始めることになる。
受託型のビジネスは、リスクが少ない代わりに急成長が中々難しいというジレンマに陥り、抜け出せない起業家が多い。そういう方から相談を受けることが多い。

そういう方にアドバイスすることの一つが

「形が見えないビジネスはまず形を作れ」だ。


私が大学生時代に経営していた株式会社リョーマが運転免許合宿に次いで始めた事業がSPやイベントの企画運営業務だった。戦略的意図を持ってこの事業を始めた訳ではなく、なんとなく頼まれて、楽しそうだったから引き受けている内に事業になってしまった。(笑)

当時は、世の中はバブル時代であり、就活は超売り手市場だしおまけに女子大生ブームだった。それが「学生企業」当時呼ばれていた学生サークルを無数に産んだ。当時の「学生企業」とは、関西ではディスコ・パーティをやる傍ら、企業のセールスプロモーションの手伝いをするという業態のことだった。

このような「学生企業」が無数に有る中で、SPやイベントの企画運営業務に於いても、株式会社リョーマが頭一つか二つ抜けた存在になった理由を書こう。


学生企業が SPやイベントの企画運営業務など受託営業をいきなり飛び込み営業をしても、ほとんど成果は無いはずだ。いきなり、「イベントの仕事下さい」と言ってもそりゃ無理な話だ。

理由はそのビジネスは「形が見えない」からだ。同じ受託型でも、建築やデザインなど、成果物が「形」として残るビジネスは、実績を積み重ねていく内に、その会社は形が見える会社となる。

ところが、イベント制作やコンサルティングなどは成果物を目で確認できない。いくら能書きや実績を書いた紙を見せても、説得力に欠ける。結果、人脈を通じての縁故客に営業範囲が限られ、売上拡大のスピードは遅々として上がらない。

(株)リョーマは、SPやイベントなどの受託系業務と同時に、「オモローグ」というフリーペーパーの発行を行った。
SPやイベントなどの「形が見えない」ビジネスと同時にフリーペーパーという「形が見える」ビジネスを行った訳だ。

オモローグというのは、メインコンテンツが大学生のサークルのメンバー募集情報で、求人情報誌のサークル版のようなものだ。関西版は関西の主要な大学生サークルを網羅し、年1回4月に発行。主要な大学の入学式の日に校門前で新入生に配布した。さすがに入学式をサボる学生はいないので、新入生全員に行き渡った。入学式の日は様々なチラシが配布されるが、厚さのあるカタログなのでその場で捨てられることは無く、網羅性のある情報誌なので保存性も高かった。

学生サークルは無料で掲載することが出来るので、収益は全て企業広告。媒体資料をもってナショナルクライアントから学生街の居酒屋まで営業して回った。雑誌広告の営業なので、話はシンプル。個別に企画書を書く必要もない。企業側の答えは「出稿する」「出稿しない」の2つに1つだ。だから数を回れる。SPやイベントの受託営業はこうはいかない。

フリーペーパーとしての性格付け、ターゲットが非常に明確だった為に、広告は結構集まった。これはこれで、しっかりと黒字の事業になったが、所詮年1回だけの発行なので、そんなに大きな売上でもなければ、出版事業としての発展性はない。

ところが、その波及効果の方が遙かに大きかった。

リョーマでは、片っ端から企業に媒体資料と見本誌を送って、アポを取って会いにいった。ほとんど飛び込み営業に近いにも関わらず、高確率でアポが取れた。

会いに行ってみると、媒体の広告の話はそっちのけで、
「実は当社では、大学生向けの新商品の企画をしており、、、、」
「大学生向けのアンケートとキャンペーンをしたいのだが、、、」
と、相談を切り出されるのだ。

当時の「学生企業」はいい加減な連中も多く、クチでは「大学生をネットワークしてます。」と皆言うけど、実態が良く分からない。電通に頼もうが、結局は実態が良く分からない学生団体に下請けに出す。

オモローグを見ると主要な学生サークルが掲載されており、ネットワークがあることが視認出来る。主要大学の入学式に配布しているデリバリー能力も報告書で視認出来る。

また、リョーマは、大学生マーケットに対するマーケティング理論をそれなりに理論構築、理論武装していたことも、他の学生団体とは異なった。

お陰で、「まずは広告出稿からお付き合いを」ということで広告は頂くし、その後、様々な発注を頂いた。

また、オモローグは、新入生の間だけではなく、店舗に設置したり、広告代理店や企業のマーケティング担当者にも送付した。そうすると、お会いしたことが無い企業の担当者様から突然問い合わせが来るようになった。形が無いビジネスが紹介の紹介など人脈でしか拡がりづらいのと対照的だった。

そうして、SPやイベントの企画運営業務の売上は拡大していった。当に形のあるフリーペーパーという業務から形の無い企画運営業務への流れで拡大したと言っていい。 


sana3991 at 17:02│ベンチャー起業の鉄則 
Profile
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KLab(株) 代表取締役社長

19歳で株式会社リョーマを起業して以来、数々のベンチャーを起業。地獄と天国を経験し、それでもベンチャー起業と経営にこだわり続けます。


趣味:音楽(オールジャンル)、酒(飲み過ぎ)、ゴルフ(下手くそ)、サーフィン(過去形)、旅行、
出没地:六本木、西麻布、麻布十番、豊洲、沖縄

真田が登場する本

Director'sMagazine
巻頭特集では未公開の幼少期や学生時代の半生記が描かれています。


TechnoTokyo

IT系のベンチャーの受付や応接室でよく見かけるTECHNO TOKYOカレンダーの書籍版。巻頭のカラー特集では、GMOの熊さん、インデックスの小川さんなどと共に、KLab(株)、真田も掲載されています。


モテカフェMesseage
Tokyo FMの人気番組「モテカフェ」が本になりました。ゲストとして登場した13人のベンチャー社長が"モテる"秘訣を語っています。
六本木ヒルズ
真田哲弥が、三木谷浩史、藤田晋(敬称略)などとともに、10人の21世紀勝ち組企業家の1人として紹介されています。
勝ち組と言われても、今は、再び挑戦者なんですけど。。。

本表紙_あのバカ
真田哲弥の学生起業家時代からサイバードの公開直前までが描かれています。
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