月イチ松浦フル駄マラニック42.195キロを3月も走ってきた。
実は3月3日はぼくの誕生日だ。
48歳になる。
一人で走ること、未熟であること。それが私の48歳の原点である。


まあ、置いていかれるから、一人で走る羽目になるだけなのだが(笑)。


ともあれ、平成25年3月2日は伊万里市の「ビジネスホテルかねこ」2500円也に宿泊して、朝から松浦鉄道で会場となっている松浦市に向かった。松浦市は山あり海ありの風光明媚な町である。松浦フル駄マラニックはこの町を走る。だから道も、山あり海ありと、「道の魅力」にみちあふれた(駄じゃれ)コースである。
3月3日、朝、スタート&ゴール地点の「松浦海のふるさと館」近くの公園に行った。今回は、走る選手のうちに、外国人選手3名がいるようだ。国際色豊かな大会である。もっとも選手は全員で20名に満たない。これはもったいないことだと思う。未知のみなさんにも「道の魅力」を知っていただきたい(駄じゃれ)。


130303_0850~00023月3日、選手が集まった。外国人選手がいるので、「国際大会」ということにした。長崎県北には米軍の佐世保基地があるので、すっかりぼくの中では、この外国のかたがたは「佐世保基地関係者」であるということになった。

午前9時にスタートして走り出す。
外国人選手3名も走り出す。ぼくは、先頭から4人目ぐらいの感じである。
実は今年はウルトラマラソンを走ろうと思っている。阿蘇カルデラ(50キロだけど)と橘湾岸(80キロだけど)にそれぞれエントリーしている。そしてその練習として、この山あり海ありのコースをとりあえず精一杯走ったらどうなるか。それが今回のテーマである。

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スタートしてしばらくは、志佐川沿いを走る。
のどかな道である。
ぼくのはるか前を、外国人選手のうち、背の大きい人が走り、ぼくのちょっとだけ前を、小柄な外国人選手が走っている。
鍛え抜いて盛り上がった感じの左ふくらはぎに、きれいな花のタトゥーがある。
つい、「コンバット」を連想する。

「軍曹、今日はこんなところで任務ですか?」
「駄マラニック、というそうだ。油断するな。『イノシシよけ電流柵』という現地のトラップにひっかかって戦死した仲間もいる。」
「アイアイサー」

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「軍曹、牛が見えます」
「これもなにかの罠かもしれん…。うっ、なんだこの臭いは!」
「牛の臭いです」
「牛が顔を出している。こうやってみると、牛もなかなか可愛いな」
「軍曹、油断は禁物です」
「あれは松浦牛と言って、結構おいしいそうだ。のんきな顔をして、哀れを誘うなあ」
「軍曹、本日の任務は駆け抜けることだそうです。のんびりと写真を撮っている場合じゃありません」
そんなことを妄想しながら、川沿いのだらだら道を走る。
こんなコースがだいたい10キロ程度続く。そして、道はやがて上りに入る。

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「いかつい上りだなあ」
「これはきっと、『速く走ろう』と言う野心を挫くための罠に違いないです」
「ところでカービーはどうした?」
「今、流行のカービィダンスをしています。」
「ばかもん。やせたかったら駄マラを走れ。毎月第一日曜日開催だ!スポーツエントリーからクレジットカードで申し込みができる。そう伝えろ!」
「アイアイサー」


坂をのぼるところで、先を行っていた外国人選手1名に追いつき、追い越す。
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坂の途中で、主催者あみりん氏とすれ違う。
駄マラニックはプライベート大会なので、主催者みずから車を運転してサポートに回る。
だから、42.195キロであっても、タイム4時間以前に走り終えて戻ると、ゴールには誰もおらず、さびしい思いをするのである。


コースはやがて、林の中に入る。
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「軍曹、やられました!」
「何だ?」
「馬鹿一号です!こいつはトラップです。リトルジョンがやられました。ズボンについてます!」
「気の毒にまだ48歳の若さでな。」
「お言葉ですが軍曹、48歳は決して若くないとおもいますが…」
「バカモン!ランナーの48歳はまだまだヒヨッコだ。還暦過ぎて毎年萩往還を走る人がぞろぞろいるのがランニングの世界である」
「アイアイサー」

そんな妄想をする。

上り坂が続く。
「軍曹?」
「なんだ!」
「現地の人が信仰する『アリモリサマ』に祈ってみました。そうしたら、上りが楽です!」
「それでお前はさっきから、『ツーナーヒーキ!ツーナーヒーキ!』と唱えながら走っているのか。」
「アイアイサー」

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永遠に続くのぼりはない。
両側の林が不意に切れ、見通しがひらけてくる。
やまびこロードへの入り口である。

そこからちょっと下る。
そして10キロエイド。
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「軍曹」
「なんだ」
「これは『フトマキズシ』という現地の食べ物らしいです。おいしいです!」
「油断するな。現地の食い物をたやすく口にするな、というのは基本だ」
「しかしおいしいですよ。ひとつどうですか?」
「もぐもぐ。なるほど旨いな。しまった!罠だ!」
「どうしました?」
「腹が一杯で走れない!」


そんなことを妄想しながら走る。
道は、はるかかなたをみはるかす風の吹く道へ続いている。
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ぼくは気分よく、走っている。
いい天気だ。














このよく整備された見通しの良い道路は、途中でトンネルに入りながら、延々続いている。
トンネルを抜けても、さらに続く。
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本当に風が気持ちいい。
外国人選手を抜かして、ぼくはいつもの一人旅である。















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天空の道、といった風情だ。
爽快な道である。

























130303_1111~0001その道が終わるあたりに、「まもるくん」(うた・谷山浩子)が立っている。
まさか、マネキンも、松浦で第二の人生を送るとは想像しなかっただろう。
なんだか面白い。


















まもるくんのいるところで右折し、ずーっと進んだ道の脇、林に入るところに20キロのエイドがある。
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「軍曹」
「なんだ?」
「こんどは怪しげな食べ物があります」
「どれどれ。これは『イモモチ』だな」
「なんですかそれは?」
「主催者の大好物らしい。用心しろ。」
「軍曹、これは走りながらつるっと食べたらおいしいらしいです」
「・・・なるほど。ウマイな・・・しまった!罠だ!」
「どうしましたか?」
「手がベトベトする!」
「ウェットティッシュあげましょうか?」
「サンキュー」


そんな妄想をする。


130303_1118~0002ここから林道で、森林浴という感じになる。
林道もまた、気持ちが良い。




















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3月らしく、途中に梅が咲いている。

















林道を抜けると、また、舗装道路になる。そして工場とか、人家とかいろんな風景を抜けながら、走っていくと、やがてこのコース唯一のコンビニエンスに出る。
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松浦フルは、コース上に公衆トイレがないので、女性の人はとくに大変であろうと、思う。
店に入り、「太陽のマテ茶」を買う。















コンビニエンスの横を進む。
→の指示にしたがって進むと、道はやがて海沿いの道につながる。




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春の海ひねもすのたりのたりかな  与謝蕪村

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のたりのたり、という感じがする。






「軍曹、海です」
「うむ。ノルマンディ上陸作戦だ!カービー、リトルジョン、援護しろ!」
というわけで軍曹とカービーとリトルジョンはどっかへ行ってしまった。

















この海沿いに、30キロエイドがある。
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ここのエイド食は、駄マラニック定番の「いなりずし」である。
これは、力のいるコースの直前あたりで出てくるやつである。
ここぞというところで出現する千両役者みたいなものだろうか。
甘くて、元気が出る。そんなにもたれない。ただし食べ過ぎると走れなくなる。








コースはここから星鹿半島横断に入る。


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辻の地蔵がある。
辻の地蔵は、いわば墓標みたいなもので、旅先で行き倒れた人を供養するために立てるらしい。
辻に立てると、たくさんの人に見てもらえるから供養になる、というのであるらしい。




途中、「アメリカいいなりもうやめよう」という日本共産党のポスターをまた発見する。
さっきの「いなりずし」を思う。
供養ではなく、また「食おう」という気持ちになる。
行き倒れではなく、食い倒れしつつある感じである。













星鹿半島を横断して、やがてコースは漁港に出る。
出る前にお寺があった。
お寺の門のよこに「出る杭は打たれる。出ない杭は腐る」
と書いてある。
「じゃあ、どないせえいうね」と文句のひとつもいいたくなる。
そしたらお坊さんが



「だから動かない杭にはなるな。転がる石になれ」



とか説教したら、わたし入信してもいい。
そんな気になるロックンロールな中年である。




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港。


「軍曹!怪しげなものがあります」
「不発弾かも知れん!用心しろ!」
「お言葉ですが、軍曹。これは蛸壺です。」
「タコツボとは戦争用語でざんごうのことだ。そうかタコツボか!ますます用心しろ!タコがでてくるかもしれん」
「・・・」






駄マラニックはまだまだ続く。
漁港を離れていったん舗装道路に入るが、その後また漁港っぽいところを通ったりする。

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その後、道は山道に入る。
森林浴っぽい道である。

今回、どこまで走れるかということでぼくは積極的に走っている。
さすがに足が疲れてきた。


山道では、松浦鉄道の線路と近づいたり離れたりする。
駄マラニックではとにかくゴールすればいいので、松浦鉄道など公共交通機関を使った「ワープ」もオーケーである。
もっとも、松浦鉄道といい、本数がそれほどないので、走ったほうが早いかもしれない。


40キロエイド。
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最近駄マラニックではやっている「プチトマト」である。
これが甘くておいしい。トマト嫌いの人にすすめたい。

道はあと少しである。



ここでぼくよりも年上ふうのおじさんが後ろから走ってきて、追い抜かれる。
軽快な足取りである。
必死で追いかける。
ちょっと離され気味になりつつも、後をついていく。


駄マラニックのゴールは近い。
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橋をわたって、この先は「海のふるさと館」へと降りていく道である。
なかなか気分がいい。














130303_1353~0001そしてゴール!
ゴールではあみりん氏が待っていて、写真を撮ってくれる。
これを絵葉書にして送ってくれるのだ。

実は駄マラニックのゼッケンも工夫されていて、この写真を貼るスペースがちゃんとある。
思い出作りにも抜かりがない駄マラニックである。



ゴールしたら、あみりん氏がサービスで「桜餅」をふるまって下さった。
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タイムは5時間を切るぐらい。
まあ、山あり海ありのけっこうしんどいコースだから、上出来上出来、と思うことにする。


「軍曹、ゴールです」
「うむ。頑張ったな」
「しかし軍曹」
「なんだ」
「平和が一番ですね」
「そのとおりだ」









というわけで、めでたくバカボンのパパより7歳も年上になってしまった中年男の
記念すべき駄マラニックは終了である。
走り終わって、ホテル「櫻梅閣」さんで、お風呂に入る。
櫻梅閣に向かう途中、途中で追い抜かれたおじさんが車で現れる。
そのまま櫻梅閣に送っていただく。
櫻梅閣は坂の上にあるので、走り終わったあとはたどり着くまでが意外としんどいのだ。
お風呂でおじさんと話をする。
定年退職後走りはじめたという由。
走暦は2年ぐらいだというが、なかなかいい走りっぷり。ぼくよりもよっぽど軽快だ。
「ネットで検索してね」
ぼくもきっかけはそうだった。
今ではすっかり駄マラニックの虜である。
駄マラニックは「遅いほうがエライ」「ワープも可」という大会である。
初心者は、そういわれるだけでずいぶん楽になる。
走るのが、楽しくなる。






しかし、このコース、なかなかであり、足に来る。
今日は水曜日で、走ってから3日が経っているのだが、まだ太ももが痛かったりする。
松浦フルのコースは楽しくて、しかも鍛錬になるコースである。

みなさんにもぜひお勧めしたい。



もちろん、走り終わったあとは宝の山「海のふるさと館」でおみやげもどうぞ。
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