2012年04月17日

第12話 「呂布、小沛に留まる」

みなさん、こんばんは! 哲舟です。

劉備軍の乱入を受け、いったんは退いたものの、再度の徐州攻めを狙う曹操。
そこへ、徐州へ入った劉備から書簡が届きます。
内容は、「陶謙と曹操の講和」を求めるものでした。

「たかが草履売りが・・・」

と、曹操はそれを無視し、一旦は徐州攻略を決行すると言いますが、
そこへ荀彧(じゅんいく)が来て、留守中の曹操の領地・兗州(えんしゅう)に
呂布が攻め入ったとの情報をもたらします。

12-01
食事中の曹操、その報告を受け、「なんだと!!」と激怒して飯椀を叩きつけますが、
あとで、ぶちまけた飯を元に戻して食べ続けます(笑)。

兵糧が不足しているので飯は貴重。曹操らしい、倹約家の一面も見えますね。
食卓には薄切り肉と、キャベツのような野菜が見えますが、
それにしても、長い箸でいったい何を食べているのか気になります。

白いご飯は、おそらくこの時代はなかったと思いますし、
中原では米は獲れなかったようなので、実際は、
麦や粟などを粥のように煮て、匙を使って食べていたと思われます。
ま、そんな細かいことを言っては無粋ですが・・・。

そうと知った曹操は、徐州攻めをひとまずあきらめ、
呂布を食い止めるため、兗州(えんしゅう)へと引き返していきました。

危機を脱した陶謙とその配下は、
劉備に徐州統治を願い出ますが、劉備はそれをまたも断ります。

ドラマでは陶謙の息子が出てきていますが、立場がないですよね。
いっそ、麋竺とか出してくれても良かったんじゃないかな、と思えます。

しかし、その直後、引き返した曹操が、半日で呂布軍を打ち破ったとの報告が入り、
陶謙は再び曹操の攻撃を受けることを心配し、ショックで寝込んでしまいます。
・・・これって何気に書いてますが、すごい情報網ですよね(笑)。

陶謙は、いよいよ死の床に伏し、遺言として劉備に徐州を託します。
こうなっては、さすがに劉備も引き受けざるを得ません。

陶謙は劉備の返事を聞き終わるか、聞き終わらぬか
というところで世を去ります・・・。

陶謙の葬儀の最中、曹操に敗れた呂布が、劉備を頼って徐州へ逃げてきました。
関羽・張飛は当然、油断ならぬ人物である呂布の受け入れを反対します。

以前、呂布を「3つの家の奴隷」とののしった張飛、
今度は「あいつには4人の父親がいる」とこき下ろします。
張飛、なんだかんだ言って、やっぱり呂布のこと詳しいです(笑)。

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劉備は「私は友人になりたいだけだ」として呂布を歓迎。
ここで、劉備は曹操の「われ 人に背くとも 人われに背かせじ」の言葉を出し、
「私は違う。われ 人に背かれるとも われ人に背かじだ」
と言って趙雲を感心させます。

劉備は呂布と陳宮を丁重にもてなし、酒宴の席を設けます。
酔って気分の良くなった呂布は、上機嫌。劉備に対して自らの武勇を誇ります。

同じく傲慢なことで有名な関羽も、呂布の前では、あきれ顔(笑)。
陳宮は、「劉備殿に酒を・・・」と取りなしますが、呂布は武勇伝をやめません。

曹操軍に負けたばかりだというのに・・・
「俺には岩をも砕く方天画戟と千里を走る赤兎馬がある!」と豪語。
劉備と共に天下を取ろうと大言壮語を口にします。

まるで子供のようです。夢はどんどん膨らみますね(笑)。
でも、本当にこの2人が手を取り合えば、かなり強かったんじゃないでしょうか?
劉備も、本来はやくざ者。意外に呂布のような豪傑は好きなんだと思います。

ただ、そう上手くいかないのが世の中。
劉備も呂布も、人の上に立ちこそすれ、人の下につく男ではないからです。
ゲームのように、簡単に忠誠度を上げたりできればいいんですがね。

劉備は、そんな呂布に徐州を譲ると言い始めます。
喜んで受け取ろうとする呂布を、陳宮は必死で制し、
「我々は敗残兵。置いてもらえるだけで喜びです」と、
とりあえず劉備のもとに留まり、様子をみるように話をもっていきました。

一方の曹操は、労せず徐州を手に入れた劉備を攻めようとしますが、
軍師の荀彧(じゅんいく)は、
「英雄並び立たず。劉備と呂布の仲が不和になるのを待つべき」
と冷静に諭し、思いとどまらせました。

そのころ、今度は呂布が劉備を宴に招き、貂蝉の歌と舞いを披露して歓待。
劉備、貂蝉の美しさに見惚れ、恍惚とした表情に・・・。
さすがの劉備も美女にはメロメロの様子。

それを聞いた張飛が宴席に突如現れ、立てかけてあった方天画戟を投げつけ、
呂布を挑発。久々に得意の「3つの家の奴隷め!」とののしり、喧嘩を売ります。

劉備が張飛を叱責し、なんとかその場は収まりますが、
このままでは居られないと、呂布は徐州を去ろうとします。
そこで、劉備は呂布に小沛へ滞在するように勧めます。

呂布はそれに従って、小沛へと移動していきました。
さて、徐州をめぐる英雄3人の動き、この先どうなることでしょうか・・・?


【このシーンに注目!】
今回は、さまざまな人による「劉備評」が聞ける。それらを列挙してみよう。

曹操 「たかが草履ウリの分際で、わしに指図する気か」

曹操 「忠義面をしているが実は腹黒い」

荀彧(じゅんいく) 「劉備は独りよがりの偽善者です」

関羽 「兄者は女のことになると、からきしウブだからな」

ろくな言い方をされていない劉備・・・。


【このひとに注目!】
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◆陶謙(とうけん)/佟漢(トン・ハン)
今回で最期を迎える徐州の牧。劉備に国を譲ろうとした行為や、曹操に領地を蹂躙される被害者という立場から、善人のイメージがある。ただ、正史・魏書には「道義に背き、感情にまかせて行動した」とあり、本作や演義のイメージとはかなり異なる記述がなされている。
その理由として、建前上、「魏」を正当とする『正史』では、「陶謙を悪く書く必要があった」からだと思われる。曹操は徐州で多くの民を虐殺しているので、その行動を正当化するためだ。一方の呉側の記録である呉書には「陶謙は剛直で節義のある人物だった」と、まるで逆のことが書かれている。『正史』は、同じ著者(陳寿)が記しているはずなのに、なぜ違う内容になっているのか・・・それはまた別の機会に。


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第11話~第15話 

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コメント一覧

1. Posted by 5人目の兄弟   2012年04月17日 22:45
いつも楽しく拝見しています。

ストーリー展開が早いので、ドラマ後にこちらで自分の
解釈があっているか
確かめられて、助かっています。「この人があの時の人か!」
等、ドラマ後も余韻を味わっています。

吉川さんの特番もまた再放送して頂きたいです。三国志を
どの目線で語るか、誰に
肩入れして語るかで、その方の物の見方もわかりますよね。

今後長い道のりなので、〇〇編のまとめと、討論会を
三国志好きの有名人の方で
おこなう番組なんかもあったら嬉しいです。三国志は
初心者なので、ドラマに
なっていないエピソードなんかも語って教えて頂けたら
楽しいだろうな…と。

これからも楽しみにしています。応援しています!
2. Posted by 三国志初心者   2012年04月18日 11:08
三国志は以前から興味はあったのですが、まるで知識なしの初心者です。だから毎回本当に解説を楽しみに、また勉強させて頂いていています。そこで、よく話の中で出てくる「正史」と「演義」ってなんのことでしょう?もう呆れられてしまうような質問ですが、いつか教えていただけると助かります。
3. Posted by もも   2012年06月19日 09:30
曹操とジュンイクのやりとりが大好きです

劉備に怒りそれを攻めたくて仕方ない曹操。

ジュンイクにたしなめられるも『この後も怒り心頭で冷静さを欠いていたらすぐ教えてくれ。これは命令だ!』と言える我が君。

勉強になります。

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