2012年06月14日

第54話 「甘露寺に婿を招く」

こんばんは!哲舟です。

孫権や呉国太との対面のため、甘露寺(かんろじ)に赴いた劉備。
孫権に迎えられ、劉備は趙雲、孫乾、簡雍と
数名の衛兵のみを従えて邸内へと入っていきます。

呉国太は、劉備に一目会っただけでその人物を気に入ったようです。

会見場の周囲には、劉備を殺すために伏兵が潜んでいましたが・・・、
護衛の趙雲は、剣が鞘を払う音に気づき、障子を斬り破ってそれを見抜きます。

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どうやら、周瑜の司令は、劉備を「捕える」のではなく
「殺す」ほうへ方針転換されたようです。

劉備は表情も変えず、身じろぎもせず、
趙雲に剣を納めるように言うと、部屋の中央へ出て、跪きます。
こういうときの劉備は、本当に肝が据わっています。

周瑜の腹心の部下である呂蒙(りょもう)は、
劉備が荊州を騙しとり、そのために自軍の兵が
多数犠牲になったことを主張し、劉備を斬り殺そうとしますが、
趙雲の青釭の剣が、呂蒙の剣を真っぷたつにしてしまいます。

孫権は、「無礼を働く呂蒙を斬れ!」と命令しますが、
劉備がそれを止め、孫権へとりなします。
表情を見るに、劉備が処刑を止めるのは孫権も想定内だったようです。

劉備は、荊州はお借りしているだけのこと。
漢の再興のみが自分の志で、「それを疑うなら斬ってください」と言い放ちます。

劉備に趙雲の剣を渡された呂蒙は、遠慮なく斬ろうとします・・・が、
そこへ笛の音が聞え、呂蒙が一瞬動きを止めます。
趙雲はその隙をつき、呂蒙の手を蹴り上げ、剣を奪って鞘におさめました。

・・・どうやら趙雲がいる限り、劉備は斬られることはなさそうです(笑)。
劉備はそれを見越してふるまっていたのか、
それとも、本当にここで命をも落とす覚悟だったのか・・・。
私としては、後者を推したいところですが。

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笛の音は、孫小妹(そんしょうめい)が吹いたものです。
小妹が劉備を気に入り、結婚に同意したとする呉国太への合図でした。
これをもって孫権も、劉備と妹の婚礼を承諾せざるを得ませんでした。

命を拾い、邸外へ出た劉備は、傍らにあった石に剣で斬りつけます。
「無事に荊州へ戻り覇業を成せるなら石よ、真っ二つに割れよ!」と念じて
剣を振り降ろすと、石は見事に2つに割れました。

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遅れて出てきた孫権も、同じく運だめしをします。
荊州をとり、帝業を成せるなら、真っ二つに斬れよう・・・。
孫権の剣もまた、石を両断にします。

曹賊は滅び、漢は中興する・・・孫権は建前を口にします。

「我らの大業、必ずなる」
そういって、孫権と劉備は手を握り合いますが、
曹操を倒す目標は同じでも、その先の目標は異なるのです・・・。

しかし、両者とも石は割れました。
天は、両者に等しく機会と試練を与えるということなのかもしれません。

その夜は、新婚初夜を祝っての酒宴となりました。
孫権はじめ、呉には大酒飲みが多いのですが、
呉国太も「100杯は飲まねば」と、劉備に酒を勧めます。恐るべき酒量。

劉備はいい気分で宴会を辞し、花嫁の待つ屋敷へ案内されます。
そこには2本の剣が用意してありました。

劉備が剣をとると、花嫁はいきなり劉備に斬りかかってきました。

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「この劉備は取り得のない男だが、剣術だけは誰にも負けぬ」

たしかに劉備は剣の名手。
しかし、泥酔しているうえに、本気で小妹を殺そうとはしていません。
剣を交えるうち、劉備の取った剣は粗悪品だったようで、ポッキリ折れてしまいました。

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小妹は、自分よりも武芸の劣る男には嫁ぎたくないと思っていたために、
剣の勝負を挑んだようなのですが、しかし、昼間からの一連の劉備の行動や
剣で打ち合ううちに、どうやら劉備に惹かれた模様です。

ちなみに、孫権の妹は史実においても武装させた女官200人に身辺を
守らせていたといいますから、劉備も床入りの際には非常に緊張したようです。

それから、質問にもありましたが、「孫小妹」はこのドラマだけの名前です。
「孫尚香」という、最近の映画やゲームで見られる別名は、
中国において京劇で使われている名前のようです。
京劇は清の時代、18世紀の末頃に始まったので、比較的新しいですね。

今までの多くの三国志作品では「孫夫人」が一般的な呼ばれ方だったのですが、
それだと「孫家の奥さん」みたいな意味なので可哀想に思うのか、
作品ごとに作家がつけた違う名前(弓腰姫など)が使われることも多いです。

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さて、ひとつの寝台に座った2人。
こうなると、もう48歳の経験豊富な中年男と、
今でいう高校を出たばかりのギャルとでは、今まで重ねてきた経験が違いすぎます。
あとは劉備、しっとりと口説き落とすのみです・・・(笑)。

かくして、その夜2人は「夫婦」となりました。
今では歳の差夫婦などと呼ばれますが・・・
体力さえあれば。30歳差なんて、戦乱の世ではさほど珍しくもありません。
日本でも、徳川家康は70歳を過ぎてから17~18歳の側室を可愛がっていました。

一夜明け、小妹はすっかり妻の顔となり、清々しい顔をしていました。
呉国太は、劉備に惚れ、一夜で女らしくなった娘を見て大変に喜びます。

・・・さて、そこへ周瑜が訪ねてきます。
劉備をこのまま荊州へ帰してはならない。そう、呉国太へ言い含めると、
彼女もまた、娘とすぐに離れるのは嫌なので、それに賛同します。

劉備は、周瑜の策と知りつつも、その意を汲むふりをして呉へ留まり、
時機を待ってから荊州へ帰ることにし、趙雲にもそう言い含めました。

次に周瑜の打った手は、劉備を江東にできる限り留め、
金銀財宝や女性をたくさんあてがって厚遇し、味方に取り込むこと。
劉備が、もとは草鞋売りという貧しい暮らしをしていたことを
利用して、骨抜きにしてしまおうというのです。

劉備のもとに、さっそく珊瑚や玉(ぎょく)といった財宝、
さらに大量の銭が送られてきます。
劉備は目の色を変えて喜び、有難く頂戴することにしました。

その日から、劉備は連日宴にふけり、
小妹が日課である弓の訓練に行くよう促しても起きず、
二度寝をするようになってしまいました。
劉備は、かつて味わったことのない贅沢な暮しを満喫し始めていました・・・。



昨日に続き、皆さんからいただいたコメントへの回答です。
すべてはフォローしきれていないかもしれませんが、あしからず御了承ください。

Q.第33話 「三顧の礼」で孔明が起きがけに詠んだ歌はなんという意味ですか?  「平生我れ自ら知る」みたいな歌です。調べてもよくわかりません。有名なのでしょうか?(ららさん)


A.大夢、誰か先ず覚む。平生、われ自ら知る。草堂に春睡足りて、窓外に日は遅々たり・・・ですね。出典はこのドラマの原作小説「三国志演義」です。意味は、何度も読んで頂くとだいたいわかるんじゃないかなと思います。よく寝てから目覚めたことを、自分が長く暮らした庵から出て、世に出ることを暗示している、と深読みすることもできますね(笑)。


Q.曹操の詩歌を楽しめる(全くの素人なので)お薦めの本あったらどこかで独り言して下さいマセ。 (ももさん)


A.個人的なお薦めですが、書籍では三国志漢詩紀行(集英社新書)、曹操~矛を横たえて詩を賦す(ちくま文庫)、三国志と乱世の詩人(講談社)など。三国志漫画では「蒼天航路」(講談社漫画文庫)も、曹操はじめ、曹丕・曹植の詩の才能をかなりクローズアップして描いてあるので、お薦めです。


Q.今日、公式ガイドブック上・下巻の在庫があると某本屋から連絡がきましたッ!!  あきらめないでよかったー!! (ヤッターさん)


A.良かったですね!ネット上では在庫がないようですが、このように、もしかしたら書店によっては本棚の隅とか倉庫の中などに、まだ在庫があるかもしれません。諦めずに問い合わせてみてください。あと、復刊ドットコムにリクエストしてくださった方も、ありがとうございます。リクエストが集まれば、再販の可能性も出てくるかもしれませんよね。それから、版元(学研さん)に直接、予定がないといわれても再版のリクエストをしてみるのもアリだと思います。よろしくお願いします。



sangokushi_tv at 17:55コメント(7)トラックバック(0) 
第51話~第55話 

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コメント一覧

1. Posted by yamaneko5646   2012年06月14日 20:26
こんばんは=!

たくらみから 離れて、劉備さんと孫少妹の剣舞に 見とれました!

劉備さんが 剣の名手とは 驚きました!
人は 見かけによらないもの!

嘘から出た誠が 誠になりますように!
2. Posted by はち   2012年06月14日 21:33
5 婚礼の日には赤い服を着るのですか?今回もでしたが、呂布とちょうせんの時もそんな映像があったよーな気がします。
それから、孫権も結婚されてるんでしょーか?妹さんの方が先に嫁ぐのかなぁときになります。
3. Posted by ぴか   2012年06月15日 10:01
 「大夢誰が先に~」のシーンは演じるルー・イー氏も
「これほど人を惹きつける登場があるでしょうか」と
のたまっておられますが、ドラマで見ると張飛がつけた火の
せいでゴホゴホ煙にむせている孔明先生はちょっとおマヌケに
見えてしまったワタクシです。

 玄徳さんの来訪は一度ならず二度までもあったのですから
孔明先生は自ら玄徳さんを訪れることもできたはず、
それなのに三度も足を運ばせるとは、玄徳という人を
試しているようで、どこか傲岸不遜な感じもしますが、
訪なう方も、待つ方もそれぞれに思惑があるようで
面白いなぁ、と思ったり。

 52話で良い卦が出るまで占いを繰り返していた
孔明先生が泣かせます。
4. Posted by ぱんだ   2012年06月15日 13:56
ここまで、ずーっと楽しみに観ています。
ひとつ、疑問があるのですが。。。
孫権の母である呉国太の年齢は、いったいいくつなのでしょうか。
30歳前に夫に死なれ、40前に孫策に死なれたとありますが、孫小妹が18歳だとすると、29歳以前に産むことになると、現在少なくても47歳ってことになりますよね。
その割には、随分老けているようですが、いかがでしょう?
劉備が「48歳にはとても見えません」というセリフがありましたが、どーみても中年そのもの。。。
同じように、呉国太も、それきらいの年齢という設定で、なのでしょうか。。。
5. Posted by ずぅ   2012年06月16日 22:17
口説いて寝台に連れて行く時の
劉備の表情が「エロおやじ」のようだと
うちの妻が嘆いていました・・・
6. Posted by ヤッター   2012年06月17日 21:03
こんばんは。
お返事どうもありがとうございます。
役者のインタビューが興味深かったです!
周瑜の役の方が人間的に優しいので惚れそうになりました。

ずぅ さんへ

>劉備の表情が「エロおやじ」のようだ

あははっ!!
私は女性ですが、劉備が首に怪我をするシーンに色気(マゾ?)を感じました。
お姫様だっこはかっこよかったです
7. Posted by ずぅ   2012年06月18日 23:12
ヤッターさん

傷ついた英雄もかっこいいですものね。
公式ガイドブック、いいですね☆
魅力ある人物像や
国の様子がわかるのかな(゚∀゚)

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