2012年06月19日

第57話 「周瑜の死」

こんばんは! 哲舟です。

今夜の第57話をもって、4章「荊州争奪」の幕が下ります。
周瑜という英雄のひとりが死を迎え、物語は新たな展開を見せるのですが、
まずは、今夜のストーリーを追って行きましょう。

荊州を訪れた魯粛は、周瑜と程普が太守となったので、
南都、江夏を明け渡すよう、劉備と諸葛亮(孔明)に迫ります。

しかし、予想通り孔明は、南都も江夏も重要な拠点であって、
手放すことはできないと突っぱねました。

そこで魯粛は本題に入ります。
半年前に、劉備軍が他の土地を奪れば
荊州を孫権に譲ると約束したことを持ち出し、早く挙兵するよう催促。

しかし、劉備も孔明も、曹操の領地は兵力が強大で、
西蜀には親族の劉璋(りゅうしょう)が治める土地だから攻められぬといいます。

「荊州は返さないよ」
「南郡も江夏も渡さないよ」
「西蜀を取るには5年かかるよ」

この劉備陣営の理不尽な態度。魯粛も強い態度で臨みます。

魯粛は、ついに切り札を出し、孫権軍(孫呉)が代わりに
西蜀を攻略することで、荊州と交換しようという周瑜発案の取引を持ちかけます。
孔明も、それを呑まざるを得ませんでした。

劉備は、西蜀を周瑜に先に奪られてしまうことを心配しますが・・・
ただ、孔明はその後に送られてきた周瑜の書状を
つぶさに読み、その計略を見抜きました。

すなわち、西蜀攻略は見せかけで、その真の狙いは荊州であると。
孔明は養っていた8万の兵を総動員、孫呉軍を迎撃する体勢を整えます・・・。

057-01+1
一方、柴桑(さいそう)を出陣しようとする周瑜。
周瑜の病は重く、すでに自分では馬に乗れないほどに衰弱していました。
呂蒙の肩を借りて乗馬した周瑜は、死力を振り絞って兵を鼓舞します。

ここにいたり、今まで意見を違えていた魯粛も、周瑜の計画遂行のため
尽力することを既に決めています。孫呉がひとつにまとまった瞬間でしょう。

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そして、襄陽の城を前にした周瑜の軍勢は、総攻撃に移りました。
が、劉備軍は孔明の布陣によって、万全の備えで待ちかまえており、
城を中心にして、関羽、張飛、趙雲の軍が三方から襲来。

周瑜、身命を賭して臨んだ戦いでしたが、
5万の兵のうちの3割を失う大敗を喫してしまいます。

夜、陣営に横たわる周瑜のもとに、孔明からの書状が届きます。
内容は、周瑜の策を見抜いていたことや、
それに対する批判と皮肉に満ちたものでした。

側近の呂蒙は、残った3万の兵で再度攻撃をしかけるよう提言しますが、
周瑜は勝ち目は薄いとみて、後のことを考え、
兵を温存して江東へ引き返すことを命じます。

帰路、最後の力を振り絞って馬車を出た周瑜は、荊州城を眺めました。
曹仁を追い払い、一度は手にする寸前まで行きながら、
劉備軍に先を越されてしまった、自らの失策を改めて責めます・・・。

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「呉の旗が荊州城に翻ることを、私が目にすることはあるまいな」
孔明の才に、自分が及ばなかったことを嘆き、虚しく笑いました。

その後、なんとか江東へ辿りつき、床に伏した周瑜。
そこへ孫権が見舞いに訪れます。

もはや身を起こすこともできなくなった周瑜。
先君、孫策との約束を果たせなかったこと、
孫権に対して、今まで礼を失する言動をしてきたことを詫びます。

周瑜は、自分が軍中で尊大に振舞ってきたことを自覚していました。
そのために、孫権自身の力が周りに侮られることも・・・。

しかし、それは孫呉の重鎮たちを抑える目的もあったのです。
江東という土地は、もともと豪族の力が強く、孫権が跡を継いだばかりの頃は
彼を軽んじる部下たちも少なくなく、苦労が絶えませんでした。
そういう空気を変えたのが、先代からの一番の功労者・周瑜でした。

江東は、豊かな土地といえども辺境・・・。
曹操、孫権は希代の大物であり、いわば虎のような存在。
彼らと共に生きねばならないことを孫権に強く自覚するよう、周瑜は助言します。

「もし、そなたに何かあれば、誰が大都督を引き継げよう・・・?」
孫権は周瑜の意を十分に汲んだうえで尋ねます。

「ひとり、おります。私より道理を知り、私より才があり、
 私より徳が高い・・・江東の柱になり得る者が」

「誰だ?」

「・・・魯子敬。魯粛を大都督にお任じください」

その言葉を聞き、孫権も魯粛に跡を継がせることをすぐに承諾しました。
そうして話をする間にも、周瑜の命の灯火は、
ますます細くなっていき、いよいよ別れの時が迫ってきました。

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「口惜しい・・・。天はこの周瑜を生みながら、なぜ諸葛亮も生んだのか!」
そう声を絞り出したきり、周瑜は二度と口を開くことはなくなりました。

ときに西暦210年。
享年36歳。「江東の美周郎」は、波乱に満ちた短い生涯を終えたのです。

茫然とたたずんでいた孫権は、意を決したようにそのまま魯粛の屋敷を訪ね、
出迎えた彼に、周瑜の死を伝えます。

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手にしていた書簡を取り落とし、膝から崩れ落ちて嘆く魯粛。
「まさか、然様な・・・。当代の名将がこんなに早く亡くなるとは・・・」

天の非道を嘆く魯粛。
周瑜と親友でもあった魯粛は、その友の死に、悲しみを隠せません。

魯粛を助け起こした孫権は、周瑜の遺言を伝えます。
「魯粛を大都督にお任じください・・・」
その言葉を聞いた魯粛は、驚きの表情を浮かべるのでした・・・。


【このひとに注目!】
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◆呂蒙(りょもう)
 178~220年
本作においては、周瑜の愛弟子として常に側におり、孫権とともに周瑜の最期を看取った。史実でも孫策の代から仕え、これ以後、孫呉の屋台骨を支える将軍として大活躍する。
正史のエピソードより。若い頃は武勇一辺倒の人物で、教養は全くといってよいほど無かった。そのために孫権から勉学に励むよう諭されると、以後は猛勉強に励み、儒学者にも勝るほどの学識を身につけたという。あるとき、魯粛が呂蒙の軍営を訪ねたとき、以前とは比べ物にならないほど学と教養を身に付けていたので驚き、「呉下の阿蒙にあらず」(もう、呉にいくらでもいる、昔のような蒙ちゃんではないな)と評した。
それに対して呂蒙は「士別れて三日、すなわち更に刮目して相待すべし」(男子たるもの、三日も会わなければ、新たなものをみるように対面すべきです)と言ったという。

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第56話~第60話 

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コメント一覧

1. Posted by わんぽぽ   2012年06月19日 18:36
4 はじめまして。当方女ですが、中国歴史ドラマは女性が不幸になるパターンが多いような気がします。史実ならば仕方ないと思いますが、小喬と周瑜を別れさせなくても…違うドラマですが、「大漢風」の虞美人とその侍女は可哀想すぎます。三国志だとあと女性キャラは黄月英と孟獲の妻くらいですね、どんな女優さんか楽しみです。
2. Posted by yamaneko5646   2012年06月19日 18:47
こんばんは=!

「周喩」の死!
魯粛のように 手放しで泣きました。

出陣の時!敗戦して帰還する途上に 荊州を 見渡す姿!そして 別れの床で 本心を打ち明ける時!
とても 美しい映像で、嬉しかったです。

「周喩」さん!本当に頑張った!
お疲れ様でした!と言えたらねえ。

悲しみの映像には 必ず美しい音楽!
この ドラマは 視聴者の心情を支えています。

さて、「魯粛」と 「孔明」!
楽しみに しています。
3. Posted by はち   2012年06月19日 19:20
5 周ゆ、可愛そうです。
前回のこのblogで、正史の中では、周ゆが孔明にに嫉妬するような人物ではないと知り、本当の周ゆがどんな方だったのかなぁと考えていました。
いつも、参考になるblogをありがとうございます。
4. Posted by みるく   2012年06月20日 15:33
5 初めまして!毎日楽しみに見ております!!
学校でも三国志を普及中です。

周瑜の死、あらかじめ分かっていたこととはいえ、あまりにも早すぎるな…と思いました。

「口惜しい・・・。天はこの周瑜を生みながら、なぜ諸葛亮も生んだのか!」
すごく衝撃な、そして納得のセリフでした。

この世に2人の天才が同じ時代に存在してしまうなんて、皮肉なものです。惜しい人を亡くすとは、このことかと感じました。

周瑜の後継となった魯粛さんにも期待しています!!


それにしても、孔明の天才っぷりは神の領域です。
5. Posted by ヤッター   2012年06月22日 06:55
おはようございます。
公式ガイドブックに全員のキャスト名がなかったので、ネットで調べてきました。
こちらに紹介します。

曹操…陈建斌 Chen Jian Bin as Cao Cao
劉備…于和伟 Yu He Wei as Liu Bei
孫権…张博 Zhang Bo as Sun Quan
孔明…陸毅 Lu Yi as Zhuge Liang
周瑜…黄维德 Victor Huang as Zhou Yu
魯粛…霍青飾 Huo Qing as Lu Su

詳しくはこちらへどうぞ。

http://wiki.d-addicts.com/Three_Kingdoms

このアドレスから周瑜役の黄维さんのブログを見つけました。(只今、2011年7月頃、更新が止まってます。)
中国語なので読めません~。
魯粛役の霍青さんは本当に演技がうまくて見入ってしまいます。
6. Posted by 月下美人   2012年10月28日 20:11
5 とうとう周瑜、死んじゃいましたね…。私は周瑜の大ファンなので、とても哀しかったです。思えば、わがままな所も有ったとは言え、孫権に忠義を尽くす、私の憧れの男性でした。いくら見ても見飽きませんでした。すごい吐血の回数が多くて、痛々しかったです。彼の冥福を祈っています。どうか、来世では幸せになっていますように。

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