2012年06月22日

第60話 「馬騰、都に入る」

皆さん、こんばんは! ストーリーテラーの哲舟です。
日本列島が台風に見舞われた今週、日が経つのがあっという間に感じます。

さて、司馬懿(しばい)は曹丕の師父になりたいと
曹操に頼みますが、曹操は「曹植を教えよ」といい反対します。
それを拒否した司馬懿は、曹操の怒りを買って城を出されてしまいました。

曹操はやはり司馬懿の才能を警戒しており、
一時、野に放って彼の出方を見るようです。

参謀のひとり、荀彧(じゅんいく)は、司馬懿が劉備や孫権に仕えるのでは・・・
と心配しますが、劉備には孔明と龐統が、孫権には魯粛がいる、
司馬懿の性格からいって、わざわざ彼らと争うことはないと曹操は見ます。

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実際、司馬懿は城を出た後、遠くへは行かずに
自邸に引きこもり、釣りに興じる日々を過ごします。
曹丕は、毎日のようにそこを訪ね、司馬懿に都の情勢を告げ、
助言をもらうようになりました。

曹操は屋敷に戻り、荀彧と今後の出方を相談します。
このところ、曹操には新たな悩みが持ち上がってきました。

西涼の馬騰(ばとう)、韓遂(かんすい)の存在です。
西涼という地名から分かるように、都からずっと西のほうにある土地で、
そこを治める2人は、曹操にとってかなり厄介な存在でした。

率いる兵力は10万にも及び、彼らがもしも孫権や劉備と結託し、
攻めてくれば挟み撃ちされることになるため、曹操にとっては一大事です。

馬騰は、第3話にも登場した、十八鎮諸侯の生き残り。
いまや、その諸侯も曹操、劉備、馬騰の3者のみとなってしまいました。
第44話でも、馬騰は曹操を暗殺しようと刺客を放っていましたね。

その馬騰は、中秋の祝いに、献帝には多大な貢物を贈って寄越しましたが、
曹操には、酥(そ)という菓子を一箱贈ってきたきり。
「わしを馬鹿にしておるのだ」と、曹操は悪態をつきます。

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ちなみに・・・、酥(そ)は、日本語では蘇とも書く乳製品(チーズ)の一種ですが、
本作では菓子として扱われているため、
中国語で酥(スー)と読ぶ、クッキーのような中華菓子のことでしょう。
中華街などに行けば「杏仁酥」という名前で売っています。

小麦粉に、牛や馬など家畜の乳を煮詰めて混ぜたものですが、
乳汁が豊富にとれたであろう、西涼の名物だったのかもしれません。

味は、今みたいな甘さは出せなかったと思いますが
荀彧や使用人たちが目の色を変えて食べていたように、
当時の中原では、なかなか手に入らない貴重なものだったとは思います。

さて、荀彧は、まず馬騰に朝廷から詔を出して将軍の職を与え、
孫権討伐を命じて戦わせ、
どちらも傷つかせてから、両者とも倒すという計略を講じます。
これぞ「狼を使って犬を討つの計」。

曹操は荀彧の策に、さらに上乗せし、
馬騰と馬超親子が都に立ち寄ったところを捕えて
西涼全軍を手中にしようと計画します。

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いっぽう、詔を受け取った馬騰は、曹操の計を見抜きました。
さすがに、しぶとく生き残るだけあって、なかなかの知恵者です

馬騰はこれを利用し、韓遂と仲違いしたふりをして
わずかな兵を連れて都に行って曹操に降り、
隙を見て曹操を暗殺して許都を奪おうと目論みます。

馬騰自身が都へ赴くのは危険であるとして、
彼の息子、馬超(ばちょう)は、「自分が行く」と申し出ますが、
馬騰は「自分が行かねば曹操は騙せない」と言って聞き入れず、
馬超の従弟・馬岱(ばたい)と、馬鉄(ばてつ)のみを伴って出発します。

馬騰から危機を知らせる偽の書簡を受け取った曹操。
それを見て、さすがに「クサい」と感じ、
まずは韓遂に官職を授ける一方、馬騰に会って様子を見ることにしました。

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投降したふりをして許都をめざす馬騰を、曹丕が出迎えます。
酒宴に招待された馬騰は、「西涼を取りたいが兵がいない」と曹操に泣きつきます。

曹操は、彼に3万の兵を授けることを約束します。
騙されたふりをする曹操・・・。曹操も、まだ計画を完全には見破っておらず、
手探りで事を進めていく、お互いの駆け引きがとてもスリリングです。

上手く運んでいると見た馬騰は、
かねてから交流のあった黄奎(こうけい)という官僚を呼び、
曹操暗殺計画を打ち明け、挙兵の際は内通するよう依頼。

内外から攻め、曹操を倒す手筈を整えますが・・・

そのころ黄奎の義弟、苗沢(びょうたく)は、
義兄の妾・李春香と密通していました。
馬騰、黄奎の計画に、さて、これがどう影響してきますか・・・?


【このひとに注目!】
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◆楊修(ようしゅう)
曹操の参謀のひとりとして、前回から登場。曹操が何も言わず、裏門に「活」という字を書いて立ち去ると、その文字から「門が広いので気に入らない」と意図を見抜き、門を取り壊させる。曹操が馬騰から贈られた菓子箱の上に「一合酥」と書いたところ、楊修は「一合」を分解すると「一人一口」になると読み解き、使用人たちに食べさせるなど、天才的な頭の冴えを見せる。人々の注目の的となるが、曹丕からその話を聞いた司馬懿は、「楊修の聡明さと、才能をひけらかす性格は命取りになる」と見る・・・。

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第56話~第60話 

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コメント一覧

1. Posted by 僭称二代目人生幸朗   2012年06月22日 18:35
 能ある鷹は爪を隠す。我が邦ではこういい、前回での司馬懿は、曹丕に「潜龍」とささやいてましたね。

 才走ってもいけない、さりとて愚鈍では、もちろん生き残れない。いやはや、毎日が真剣勝負の世界です。まだまだ今は有り難い時代です。ああ、われわれはただの市民でした、あはは。

 どなたかのご意見で女性があまり活躍出来ない時代だとおっしゃっておられましたが、あの時代、我々が思っている以上に女性もたくましく生きていたのだと思いますよ。「三國」でも、要所要所で女性が重要な働きをしています。今回もね。
2. Posted by もも   2012年06月22日 19:07
カッコよくふんぞり返ってました曹操…満足満足(笑)

母とよく話すのですが、ドラマが週1だったら絶対無理だったねと…記憶力最悪ですから(笑)

哲舟さん、ドラマの“ソ”とは違うみたいですが去年奈良の飛鳥に行った時、長屋王も食べてたという“蘇”食べてみました。

曹操が手にした1個で千円位でした(笑)

3. Posted by yamaneko5646   2012年06月22日 20:52
こんばんは=!

「浅はかなyamanekoは またしても
曜日を まちがえました!お許しください!」

まだ、書き込むの?と 家族に呆れられていますが、これこそが三国志を理解する道!

それで 「ブログを読んでから ドラマを視る!」ことにしました。

メモ片手に ドラマを視ますとわかる!わかる!と思いましたが 忘れるのも早い!

しかし、曹操の表情が 冴えません。
優れものの 部下を追放したり、試したり、敵将との懐の探りあい!

酒宴の席では「馬騰」の 演技が勝ち!
曹操さんの快活で魅力に満ちた笑いは 思い出!に なるのでしょうか?

本当に また来週もよろしくお願い致します!
4. Posted by 酥州夜曲   2012年06月23日 10:51
失礼いたします。

「酥」というお菓子は大陸の他には、
台湾で「鳳梨酥(フォンリースー、パイナップルケーキ)」という菓子が名物となっており、
沖縄にも「琉球酥(りゅうきゅうす)」という菓子があるようです。

「酥」は元々「牛や羊の乳を煮詰めて濃くしたもの」を意味した言葉だそうで、ブログにも書かれている通り今で言うチーズやバターに近いものを指した言葉だったようです。
おそらく、煮詰めた乳を小麦粉等に練りこんだ菓子を作る者が現れるようになり、漢字の意味が転じたのではないでしょうか?

ドラマの本筋から離れた話ですいません。どうも今回はあのお菓子のことばかりが気になってしまいましたもので。w

それでは失礼いたします。

P,S, ドラマの酥の味も気になりましたが、去年旅行に行った台湾で食べた鳳梨酥(パイナップルケーキ)も本当に美味しかったです。こちらの酥はお値段もお手頃なものが多いですし。w
台湾といえば、このドラマの呂布の俳優さんや孫夫人の女優さんは確か台湾の方だったかと記憶しています。

長文、失礼いたしました。
5. Posted by ずぅ   2012年06月24日 00:41
西涼の豪傑たちは
粗野な姿でありながらも
みんなたくましいですね

中華街に行ったら杏仁酥も探して
みよ~っと

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