2012年06月26日

第62話 「衣を脱ぎ馬超と戦う」

皆さん、こんばんは! 哲舟です。

西暦211年、中原より、やや西で行われた渭水(いすい)の戦い。
父を殺され、怒りに燃える馬超が曹操に戦いを挑みました。

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馬超(ばちょう)、字は孟起(もうき)。
「錦馬超」と、うたわれるほど武勇の誉れ高い猛将で、
その名前は遠い西蜀の国や異民族の土地にも轟き、恐れられていました。

曹操の陣中からは、于禁(うきん)が飛びだし、馬超と槍を合わせます。
于禁は「赤壁の戦い」で水軍都督を務めた将軍で、なかなかの使い手ですが、
馬超の猛攻に耐え切れず、馬を傷つけられて落馬してしまいました。

于禁が敗れると、今度は張郃(ちょうこう)が、馬超に挑みました。
もともとは袁紹に仕えていた将で、ドラマでは描かれませんでしたが、
張遼と互角に戦ったことがある猛将。今回が初登場となります。

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息詰まる好勝負を演じていましたが、わずかに馬超の武勇が勝り、
張郃はバランスを崩して落馬し、起き上がれなくなりました。

二将を撃破し、勢いを得た馬超軍は奇声をあげて総攻撃に移ります。
菓子を口にするなど余裕を見せていた曹操ですが、
味方は馬超軍の激しい攻撃を支え切れなくなり、慌てて撤退に移ります。

駕籠を捨て、自らも馬に乗って退却する羽目になった曹操。
目立ってしまうために赤い羽織を捨て、長いヒゲを切り落とし、
短くなったヒゲを布で覆い隠し、忍者のような覆面姿になって逃亡を続けます。

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それでも、追いすがってきた馬超に危うく討たれそうになりますが、
護衛の許褚(きょちょ)が防戦し、なんとか逃げ延びることができました。

馬超率いる西涼軍の将兵は力が強く、馬の扱いに長けているため、
勢いに乗せると手がつけられません。
その強さを身をもって知った曹操は、自陣に戻って対策を練ります。

弓で攻めたり、鈎鎌鎗(こうれんそう)という
鎌のついた槍を使って馬の足を絡ませたりする方法を
諸将が提案しますが、いずれも有効な策とはいえません。
そこで、徐晃が河の向こうに回って敵の背後をつく戦法を提案、曹操も採用します。

その間にも、韓遂の軍が馬超軍に合流するなど、
西涼軍はますます兵力が増強されていきます。

曹操は、わざわざ討伐に行かずとも、この戦いで
西涼軍を討ち滅ぼす好機が来たと言って諸将を励まし、進軍を再開。

曹操は渭水をわたり、陣城を築こうと木材を運ばせますが、
西涼軍はそうはさせじと奇襲をかけ、木材を焼き払いました。
なおも陣を築こうとするも、この地域特有の乾燥した土壌では、
すぐに壁が崩れてしまい、思うようにいきません。

窮した曹操。参謀の程昱(ていいく)も、退くよりほかに打つ手なしと言います。
そのとき、程昱が発した「水も凍るような寒さ」という言葉から、
曹操は一計を案じ、壁に水をかけて凍らせた「氷の城」を築くことを思いつきます。

翌日、曹操の陣営には立派な城門ができていました。
西涼軍はそれを崩そうと大量の矢を射かけますが、
カチカチに固まった氷の壁は、ビクともしません。

陣城を築き、優位に立った曹操軍。
今日こそは曹操を討ち取ろうと勇んで来た馬超ですが、
これではうかつに攻められません。曹操に、出てくるように罵る馬超。
曹操は、護衛の許褚(きょちょ)を送り出し、馬超と勝負させます。

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ついに真打ち登場といいますか、曹操軍随一の猛将が出てきました。
馬超、少しもひるまず許褚に突進し、武器と武器をぶつかり合わせます。

当代屈指の猛将同士の対決は、時が経つごとに白熱し、
陣営の前に置いてある逆茂木をも切り倒し、その断片が城壁にぶつかるほど。

150合を経過したところで、曹操は
「わしは疲れたが、奴らは少しも疲れておらんな」と感心します。

なおも打ち合う2人ですが、先に馬がへばってしまったため、
馬を乗り換えて再戦することに。

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許楮は、「身軽なほうが良い」ということで鎧を脱いで肌着になると、
ふたたび武器を取り、新たな馬に乗り換えて駆け出します。
馬超も、叔父の韓遂の馬を借りて再び戦場へ。

再戦においても、少しの疲れさえ見せずに打ち合う両者。
兵たちはただ、固唾を呑んで見守るばかりです。

そのうちに、許楮が馬から落ちますが、
馬超も馬を飛び降りて、徒歩での打ち合いになりました。
互いの武器を脇に挟み、力比べとなりますが、まったくの互角。

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地に倒れながらも、互いの武器を離さない両者・・・。
いつ果てるとも知れない対決は、思わぬ形で終息します。

派遣しておいた別動隊の徐晃軍が、西涼軍の背後に
到着したのを認めた曹操は、城門を開いて出撃し、西涼軍を挟み撃ちしました。
さすが西涼軍も挟み撃ちされては分が悪く、劣勢に陥ります。
乱戦となり、さすがに馬超・許褚も武器を収めて自軍に戻ったようです。

2倍の兵力を擁しながら敗れた西涼軍。
馬超、韓遂、馬岱、龐徳(ほうとく)が、今後の方策を練ります。

このままでは不利と見た韓遂(かんすい)は、態勢を立て直すために撤退し、
一時和睦を結ぶことを提案。馬超もしぶしぶ納得し、同意します。

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韓遂は、馬超の父・馬騰の盟友であり、義兄弟です。
総大将は馬超ですが、軍の決定権は韓遂が握っていました。
馬超は慎重な姿勢で臨む韓遂とは、意見が合わないこともあったようですが、
自分の叔父でもあることから、その決定には従うほかありません。

曹操はそこに付け込むことにし、韓遂と直接顔を合わせ、
和睦の交渉をしたいと持ちかけます。

城の前で顔を合わせる韓遂と曹操。
3日後に撤退する口約束を交わし、すぐ帰ろうとする韓遂を曹操は呼びとめます。

曹操は、わざと「文約殿」と韓遂の字(あざな)を呼んで、
なにやら親しげに言葉をかけ、馬騰の昔話などをします。
それに乗ってしまった韓遂も、二言三言なにか答えたと見えます。

その様子を見ていた馬超と馬岱は、
「もしや、韓遂殿は曹操と内通を・・・?」と疑念を抱き、
陣営に戻った韓遂に、疑いのまなざしを向けるのでした。

さらに、曹操は陣に戻ると、用意した書状の文面に墨を塗って、
そのまま西涼軍の陣営にいる韓遂に届けさせました。
黒く塗りつぶされた書状を見た馬超は、その書状は
韓遂が「見られては困る部分」を塗りつぶしたものと信じてしまいます。

韓遂は、疑いを晴らすために曹操を呼び出してその隙に殺すことを提案し、
城門前に出ていきますが、曹操は出てこず、
代わりに夏侯淵(かこうえん)を出して、「すべては打ち合わせ通りに」と言わせ、
馬超にますます疑念を抱かせます。

謀略戦では、西涼の荒武者など曹操にとっては子供のようなもの。
これぞ曹操の「離間の計」。完全に韓遂を疑った馬超は、
諫めに来たその部下たちに武器をふるってしまいます。

西涼軍は空中分解し、ついに仲間割れを起こすに至ったのです。
さて、進退きわまった韓遂、そして馬超の運命やいかに・・・?
 

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第61話~第65話 

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コメント一覧

1. Posted by yamaneko5646   2012年06月26日 23:16
こんばんは=!

「馬超」と「許緒」の一騎打ち すごかったです!

 日本の場合、こんなにフェアでは 無いような!

両軍ともに 統制力がありますね。

今日は 「曹操」の 逃走シーンが 楽しかったです。

「馬超」の 言葉に丁寧に 反応して!

しかし、逃げ延びてからの「曹操」は 本領発揮!

「離間の計」は いやです!
アンフェア!
2. Posted by ずぅ   2012年06月27日 23:40
馬超と許緒の激しい戦い・・・
曹操の賢しい計略・・・
すごいです

それにしても
馬がかわいそう・・・
中国の視聴者は、なんとも思わなかったのかな
3. Posted by ヤッター   2012年06月29日 01:07
「ありえない・・・!」
馬超と許緒の戦いにツッコミを入れる母と私でした。
曹操の逃走シーンに爆笑。

ずぅさんへ

>馬がかわいそう・・・

同感です。
公式ガイドブックの周瑜役のビクター・ホァンのインタビューで、
元競走馬の白馬について語っていました。

「馬も人も同じで、誇りや自尊心は失ってはいけないと思いました。」

気性が激しく、乗馬での芝居ができず、
スタッフの調教で変貌して従順になったけれど、
憐みの情しか湧かなかったという。
4. Posted by ずぅ   2012年06月30日 22:11
ヤッターさんへ

コメントありがとうございます。
何よりも、激しすぎる馬のシーンを
許してしまう中国の視聴者に根源があるのでしょうね・・・

馬超という名前だけに
騎馬に長けたみんぞくなのでしょうね・・・・
そうでしょ。哲舟さん☆

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