2012年07月31日

第86話 「空城の計」

こんばんは!哲舟です。
皆さん、オリンピックもいいですが、三国志もぜひ観てくださいね(笑)。

いよいよ、残り10話・・・。
丹精こめて綴りますので、よろしくお願いします。

さて、魏の若き皇帝・曹叡(そうえい)から、
初めて正式に軍権を与えられた司馬懿(しばい)は、
都の洛陽に近い、宛城(えんじょう)に駐屯し、兵を集めていました。
ここで軍を整えた後、都で曹叡に謁見するためです。

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そこへ、友人の申儀(しんぎ)が訪ねて来ます。

●魏が負けて滅びるのを傍観し、自分が帝位について覇業を成す。
●曹叡に忠誠をつくして蜀と戦い、魏のために手柄を立てること。

申儀は、司馬懿が今とるべき道を上のように
2つ示しますが、迷わず後者を選びます。

「私は大業を成就して名をあげたい。
 夢の中でも孔明と勝負しておるほどよ」

司馬懿は、友に対して正直に言います。
彼がこれほど、正直にものをいうのは初めてのことかもしれませんが、
はたして、それは魏のためを思ってのことか、
自分の野望のためなのか。ここではハッキリわかりません。

さて、申儀はまた、新城の孟達(もうたつ)が蜀に寝返り、
洛陽で謀反を起こそうとしている計画を、司馬懿にもたらします。

司馬懿は、即座に新城へ向かい、使者をとらえると
孟達を城外に誘い出し、その首を素早くとってしまいました。

蜀の諸葛亮(孔明)にとって、
この孟達の計画が露見したのは、なんとも痛い出来事でした。

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司馬懿は、曹叡に謁見すると、
孟達の首を手土産として献上したのです。

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もし、孟達が謀反していたら自分の命が危なかった・・・
曹叡は司馬懿の忠誠心と大手柄を褒めたたえ、宝剣を与えたうえで
洛陽と長安の軍の指揮権を、司馬懿にすべて委ねることにします。

都の洛陽、そして蜀軍の進軍ルートである雍州との境に位置する長安。
その軍のすべてをゆだねられた司馬懿は、まさに魏の司令官となったのです。

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司馬懿は、諸将を集めて軍議を催しました。
そこには、歴戦の将・張郃(ちょうこう)、関羽を荊州で破った徐晃(じょこう)
といったベテラン、若手の郭淮(かくわい)、孫礼などの将軍が集っています。

司馬懿は言いました。
「私が諸葛亮ならば秦嶺を越え、子午谷を抜けて長安を奇襲する」と。

奇しくも、魏延(ぎえん)が孔明に献策したルートです。
これを通れば、魏軍も相当に苦戦を強いられたと徐晃も予測しますが、
しかし、慎重な孔明はその手を使わず、
着実に一歩一歩進む戦法で来るはずだと司馬懿は読みます。

その場合、最初に奪うべき要地は、「街亭」(がいてい)だと司馬懿は予測。
街亭は漢中の喉元であり、これを奪えば蜀軍の兵糧や武器の補給路を
断つことが容易になるとみた司馬懿。
張郃(ちょうこう)を先鋒に任じ、街亭へと急がせました。

いっぽう、蜀の陣営には、孟達が捕えられて処刑され、
司馬懿が全軍の指揮権を握ったとの報がもたらされていました。
孔明をはじめ、諸将は落胆を隠せません。

孔明は、司馬懿が街亭を狙ってきていると読み、
防衛のために軍を出そうと諸将に呼びかけます。
すると、諸将に先んじて、馬謖(ばしょく)が名乗り出ました。

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「街亭を守れなければ首を差し出します」

不退転の決意を示す馬謖ですが、孔明は躊躇します。
司馬懿は曹操に劣らぬ才があり、張郃も天下の名将。
実戦経験の浅い彼では勝てないだろうと踏んだのです。

しかし、蜀漢への篤い忠義心を示す馬謖。
趙雲のとりなしにより、孔明は王平(おうへい)を副将につけて、
街亭へと向かわせることを決定しました。

馬謖、王平が退室した後も、なぜか不安の色を隠せない孔明は、
高翔(こうしょう)と魏延を、万一のときのための救援に赴かせます。

なおも不安がる孔明の様子を見て、趙雲も不思議に思って尋ねます。
「20数年一緒に戦っていますが、かような姿は初めてです」

孔明は、趙雲に本心を話します。
これまで、自分とは対照的に、それまでずっと日陰にいた司馬懿を
得体のしれない人物と見て、大いに恐れているのだと・・・。


その孔明の不安は、早くも的中します。

街亭へ到着した馬謖は「平地の五叉路に陣を敷け」との孔明の指示を無視し、
小さな山の上に陣を張ろうとします。

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孔明の命令を守ろうとしない馬謖。副将の王平が諌めますが
自信満々の彼は、まったく聞く耳を持ちません。

軍を駐屯させるには、飲み水や飯を炊くための水を
常に川から補給しなければならないのですが、
この山は、川から遠い小さな山でした。

そんな小山の上に陣を敷いた場合、大軍に包囲されてしまえば
兵糧や水の補給も望めず、孤立無援の死地となります。

馬鹿でも分かりそうな愚行を犯そうとする馬謖に対し、
王平は喰い下がりますが・・・

馬謖は長年学んだ兵法を持ち出し、
兵糧を失った兵は死に物狂いになって戦うこと、
兵は高いところにいるほうが有利であり、
山の上から攻め下れば竹を割るような勢いで敵を突破できること。

しかも、自分は丞相に意見を求められたこともある。
その自分の命令は絶対であるなどと、王平に向けて怒鳴るのです。

古来、『孫子の兵法』にも「兵は詭道(きどう)なり」と書かれているように、
戦いとは詭道、つまりは「騙し合い」であって、
敵の裏をかき、あえて死地に陣を張って勝利に結びつける例もありますから、
馬謖の言い分も、見方を変えれば尤もなのですが・・・。

しかし、王平は「丞相の命令には逆らません」と言い切り、
やむなく自分だけで5000の小勢でもって
山の下に布陣し、敵に備えることにしました。

蜀軍がすでに街亭に到着していることを、
息子の司馬昭(しばしょう)から知らされた司馬懿は、
孔明の鋭い読みと才能に改めて感じ入り、街亭を諦めようとしますが・・・

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「蜀軍は小山の上に布陣しています」と、司馬昭は喜んで報告。
それを聞いた司馬懿は耳を疑い、みずから偵察に出ることにします。

司馬懿は街亭をその眼で確認すると、山上に布陣する蜀の指揮官が
名ばかりの無能な者であると見破りました。

好機とみて、ただちに街亭を包囲にかかります。
さすがは司馬懿。行動を起こすとなると迅速なこと、この上ありません。
しかし、攻めずに包囲し、水源を断つに留めました。

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魏軍の数は、馬謖の2万を大きく上回る15万。
それでも余裕しゃくしゃくの馬謖は、
包囲されるに任せ、魏軍の疲弊を待つことにするのですが・・・。

案の定、数日すると、馬謖軍の将兵は
脱水症状に苦しめられることになりました。
水を汲みに行こうにも、麓は完全に包囲され、ままなりません。

その様子を見た司馬懿の軍は、一気に攻め上りました。

馬謖は攻撃を命じますが、
高いところにいる兵が有利といっても、
それは兵が同数程度で、満足に動ける場合のみ。

飢えと渇きに苦しんだ将兵はろくな抵抗もできずに大敗。
街亭は、早々と魏軍に奪われてしまいました。

そのころ、街亭の王平から届けられた布陣図を見た孔明は、
馬謖の敗北を即座に悟り、愕然として立ち上がります。

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事態は深刻です。
かつて「夷陵の戦い」で陸遜に大敗した時のように。

蜀軍は街亭を失ったことで、これまでに攻め取った城や領地を
すべて放棄して退却しなければならなくなったのです。

街亭はそれだけ重要な拠点でした。
こうなった以上、全軍を漢中まで撤退させ、
少しでも味方を安全に退却をさせなければなりません。

「先帝・・・わたしの眼は節穴でした」
孔明は天を仰ぎ、「馬謖を重用するな」と言い残した劉備に詫びたのです・・・。

劉備の言葉を忘れたわけではないでしょうが、
自分が手塩にかけて育ててきた人材である馬謖の願いを
聞いてしまったことが、痛恨のミスにつながりました。
孔明、一世一代ともいえる失策です。

孔明は、西城に置かれた大量の兵糧を持ち去るため、
みずから城へ入ります。

そこへ迫り来る魏の大軍。
西城は極めて小さな城で、兵も1000未満。
とうてい防げないばかりか、逃げ切ることもできません。

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孔明は一計を案じ、城門を開放し、兵に民の身なりで門を掃き清めさせて、
司馬懿の軍を待ち受けることにしました・・・。これぞ、タイトルの 「空城の計」。

この作戦、はたして吉と出るか凶と出るか?
明日をお楽しみに。


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第86話~第90話 

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コメント一覧

1. Posted by ハル   2012年07月31日 18:49
結果論ですが馬謖を用いたのは諸葛亮痛恨のミスでしたね・・
あの場には魏延や趙雲もいたのに・・と思うと惜しくてなりません

後詰めを任せるくらいなら最初から魏延に任せればよかったのに、と思いますが諸葛亮の馬謖を用いたい気持ちも分かりますし、三国志の面白い所ですね
2. Posted by すいちゃん   2012年07月31日 19:19
5 馬謖の馬鹿、馬鹿。
劉備の遺言の馬謖を重用するなと言われたのに、孔明は我教え子可愛さに、愚かなミスをしてしまいました。
司馬懿と孔明の対決、面白いな。
「空城の計」ってどんな作戦なの。ワクワク。
早く明日の放映がみたいです。
3. Posted by リリィ   2012年08月01日 14:56
馬謖!
孔明の傍に居る時と全然違う!!

許した孔明も理解できない。
以前、この戦いに失敗は許されない・・・・とかなんとか言ってたような。
魏延の奇襲作戦も却下したし・・・・
(司馬じぃは奇襲派だ)

不安はあったはずなのに、慎重な孔明がなぜ?

なんとなく知っていた三国志。
特に劉備側の人名とか出来事を少し知っていたので疑うことなく、劉備が天下統一を果たした人だと思ってました。お恥ずかしい・・・・

去年だったか三国志のアニメを見て、その結末にびっくり!!!

劉備・孔明・関羽・張飛・趙雲・龐統・・・・優秀な武将、軍師がいてなぜだめだったのか?

ドラマを見ていて単純な発想の私はだんだん納得・・・・・。

遠~い遠~い昔の話ですが現代にも通じる人間ドラマですね。
4. Posted by yamaneko5646   2012年08月01日 20:50
こんばんは=!

「空城の計」という 兵法があったのでしょうか?

あったとすれば 見破れるでしょうし、「孔明」の オリジナルなのでしょうねえ!

信じられないような 戦略をまるで 平常心で 実行する「孔明」の精神力!

分けて欲しいです!
5. Posted by Zoe   2012年08月02日 20:33
武田信玄も空城の計を実際用い、成功したと、聞いたことがあります。
6. Posted by yamaneko5646   2012年08月05日 22:26
こんばんは=!

「空城の計」は三十六計のうち
敗戦計に属する計略だそうです!

先に 調べるべきでした!
ZOeさん どうもありがとう!
7. Posted by ずぅ   2012年08月09日 23:06
馬謖さえも・・・・・・・
人間、奢り高ぶると、ダメなのねぇ~
録画少しずつ見てます

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