2010年04月

2010年04月08日

池上先生の伝え方

「この施術はこうやって、ここはこういう圧で」なんてことは1つも教わったことがない。

毎週木曜日の教室でも、被験者を前に出して、瞬間で身体を変化させて、何回も見せてくれるだけ。

これだけだから自分で工夫しなくちゃいけない。

講義の中で池上先生の言われていることがさっぱりわからない時なんていうのはざらにあって、しばらくして何かの拍子に、その意味がわかったりする。

「あの時に言葉で伝えてくれてれば、こんな遠回りしなくて最短最速で今の状況になれたのに。池上先生は、あれだな。高倉健と一緒で不器用なんだな。とんだぽっぽやだぜ。」

と学び始めは思っていた。

でも今ならわかる。

池上先生は意図的にぽっぽやをやっていることを。

自分で考えて、身体で覚えたことは、これからもどんどん伸びていく。

考えてやってみる。これを繰り返して手に記憶させていく。

でも、なかなか頭と手はつながらない。

それでも自分を信じて、思考錯誤を繰り返しながらいろいろやっていくうちにそのうち、頭と手がつながってくる瞬間が来る。

ここで、重要なのが、つながった瞬間ではなく、自分で考えて四苦八苦している過程。

この過程で、自分の何かが練られている感覚があり、それが練られてくると一気に頭と手がつながる。

先達の知識や経験をもとに、最短最速で結果を出そうとしても、うまくいかない。

経験は学べないもの。
自分ではじめから基礎を積んで一歩一歩着実に歩んでいくしか道はなさそうです。

池上先生が慈悲心、親切心に溢れるお方だったとは。。。
単に意地悪な方かと思っていました。

「やり方」を教えてしまえば、簡単で楽なのに、それは決して行わない。

本当に芽が出てくるまで辛抱して、伝えるほうが耐えているなんて。

基礎が一番大事。

その意味が少しづつわかり始めた今日この頃です。


藤巻由崇

sanjiku_nova at 09:20|PermalinkComments(2)TrackBack(0)