参加型評価で改善!のブログ

NGO/NPOなど非営利活動をより良くする参加型評価について、参加型評価ファシリテーターの田中博が知識・経験を情報発信し、関心を同じくする皆さんと共有・意見交換するブログです

NGOスタディツアー総合冊子が完成しました!

NGOのスタディツアーを包括的に解説する冊子「実践的!スタディツアーIMG_2035学-NGOスタディツアーの考え方と作り方-」スタディツアー研究会(STAR研)で作っていましたが、めでたく完成しました。10/1〜2のグローバルフィエスタでは事務局である(NPO法人)地球の友と歩む会のブースで販売を開始します! ぜひ多くのNGO関係者に読んでもらいたい。最終的に、目次立ては以下のようになりました。全部で120ページの力作です。

序 章 はじめに
第1章 NGOスタディツアーの現状と課題
第2章 開発教育とスタディツアー
第3章 受入コミュニティへ与える影響
第4章 スタディツアーと旅行業法
第5章 ツアー安全管理:リスク・マネジメントの基礎
第6章 リスク・マネジメント:感染症編
第7章 スタディツアーの効果的な広報・宣伝について
第8章 大学スタディツアーとNGOのパートナーシップ
第9章 スタディツアーの評価〜より良いツアーのために
第10章 プロに聞く、ツアコン・テクニック
終 章 終わりに

読者のあなたが、NGOのスタディツアー全般に関心があるならば、最初から順番に読むことで、スタディツアーに関する体系的・包括的な知識を得ることができます。またあなたがNGOでスタディツアーの業務にあたっているならば、必要に応じて興味・関心のある部分から読み、実務に役立てることもできる、実践的な内容になっています。今回(一財)国際協力システム様のご支援で、STAR研の20年分の経験をまとめる作業を、成し遂げることができたことを御礼申しあげます。

自費出版なので、本屋では売ってません。下記の事務局まで電話かメールで注文をお願いします。ちなみに価格は税込1,000円です。

<STAR研事務局>
〒102-0071 東京都千代田区富士見2-2-2東京三和ビル503号
(NPO法人)地球の友と歩む会(LIFE)内
Phone: 03-3261-7855 Fax: 03-3261-9053
Email : starken1997@yahoo.co.jp

カリタスジャパン様被災地活動評価〜まだまだ高い支援の必要性(南相馬市原町)

カリタスジャパンさんはカトリックのNGOで、国際カリタスには全世界165ヵ国が加盟しています。東日本大震災の復興活動も積極的に行っており、東北8ヵ所のボランティアベースを拠点に、被災地へのボランティアの派遣などの支援を行ってきました。

震災後5年目となり、じっくりと活動の評価を行うことになりました。手始めに福島第一原発から25キロIMG_2023の近さにある南相馬市原町区にある原町ベースの活動の参加型評価を行うため、ファシリテーターとして10日間出張してきました。周辺の小高区が今年7月12日に、原発事故から5年4カ月にわたって続いてきた政府の避難指示が解除されたばかりのところで、放置されてきた家の片付けなどの支援作業のニーズがまだまだ残っています。

スタッフの方に原発周辺の被災地を案内して頂いたのですが、まだ人の入れないゴーストタウンのような家々や、放射線量の高い地域などが点在し、ここは震災後5年がすぎてもまだ放射線被害が深刻に残っています。特に除染作業後の除染物が「仮置き場」としてあちらこちらに大量に積み上げられている様は、正直ショックを受けました。

そんな中、カリタス原町ベースは全国からやってくるボランティアさんをまとめ、社会福祉協議会など、IMG_2009地元のパートナー団体のニーズに沿って適材適所に派遣する方針を採用しています。独自に活動するというより、地元のパートナー団体の要請にきめ細かに答えていく後方支援のポリシーを持っている訳です。

今回の参加型評価のパートナー団体へのインタビュー調査では「人手が足りないときに協力してくれて助かった」「カリタスさんのスタッフ・ボランティアには安心して仕事を任せられる」「支援のおかげで存続の危なかった活動を継続することができた」などの声が寄せられ、後方支援の方針の有効性・妥当性の高さが、明らかになりました。

NPO活動では、時に「外部」の援助者が自分のやりたい支援を勝手に行い、ときに受益者のニーズとかけ離れてしまう失敗があることを私は経験しています。原町ベースの「援助者は当事者のニーズを優先し、後方支援に徹する」姿勢の大切さを、私も改めて学びました。

避難中に荒れてしまった家を片付けてきれいになると、戻るのをあきらめようと思っていた被災者の方でも、「やはり戻ってきたい」と気持ちが変わる例もあるそうです。東北全体では復興支援はフェードアウトの傾向を感じますが、ここではまだまだ支援のニーズが高いのです。
そのような今後の事業継続の必要性も、評価インタビューの結果、確認されたことの一つです。

IMG_2002もう一つ印象に残った評価結果があります。ボランティアなど1度被災地を訪れた人が皆その体験を周りの人に伝えていること、また伝えられた人の6割がその後、被災地を訪れていることが、過去参加者へのネット・アンケートでわかったことです。自分の目で被災地の状況をみて、知ったことや感じたことを直接誰かに伝えることは、大きな影響力があるようです。

原町ベースの皆さんからは「話し合っていく中で理解(自分も周りも)が深められていくプロセスを学んだ」「自分たちの活動の成果の一端が確認できた」など参加型評価の利点に関する感想がありました。皆さん、お忙しい中積極的な参加ありがとうございました。

和気閑谷高校様:先生方にMSC研修を行いました(8/23)

1月に岡山大学ESD研修会でMSCを紹介しましたが、そのつながりで再び岡山でMSC研修をやりました。訪問先は、岡山県立和気閑谷(わけしずたに)高校、江戸時代に設立された日本最古の庶民のための学校である閑谷学校をルーツとする歴史ある学校で、生徒会を中心としたボランティア活動が盛んなことで有名です。IMG_08951月の研修会に和気閑谷高校の校長先生、O先生のお二人に出席いただいたご縁で、再びお招きいただきました。

ちょうど移動する日は東京に台風が直撃、電車が止まり飛行機も遅れましたが、なんとか岡山に着きました。岡山の天気は東京とは正反対で晴天・猛暑で驚きました。

和気閑谷高校は岡山駅から電車で30分ほどの自然豊かな校外にあります。会場となった教室には和気閑谷高校の先生、他の高校からの先生を含めおよそ30名の出席がありました。MSCの解説からはじめ、ステップ4(データ収集)の演習、バングラデシュでの実践報告、ステップ5(データ分析)の演習・発表と、いつものパターンで進みました。

その一方、学校の先生対象にMSCを講義するのは初めてだったので、国際協力の手法がどの程度共感してもらえるか少し難しさを感じました。結果的に「現状の教育評価では測れない部分を把握できる手法を学びたい」と熱心な先生が多く、教育現場の問題意識からMSCを理解、活用しようと模索されている姿勢が印象的でした。

IMG_0898感想アンケートからは「やっぱり参加型はいいですね」「試行錯誤しながら結論を出していく過程を純粋に楽しめました」「MSCの弱点もおさえながらの説明だったので、実際に活用する場面をイメージしやすかった」「MSC評価を教育に活用した実践事例などを知りたいです」「質的な変容を測ると同時にそれが組織に共有されることが良いことだと思いました。ぜひ教育活動に取り入れていこうと思います」など、多彩かつ真面目な意見が多く寄せられました。MSCのやり方は「物語を話す」ことが基本なので、高校生なら充分に授業や学習効果などの評価に参加出来ると考えます。

その晩、お寿司屋さんで懇親会を開いて下さいました。美味しい料理をいただきながら、校長先生をはじめ先生方から今の日本の教育現場のかかえる課題と、今後の評価のあり方に対する熱い持論を訊きました。個人の自発性を伸ばしていくこれからの教育の重要性が、私が関わってきたNGO活動の理念とも共通すると感じ、MSC評価が、教育評価で効果的に活用される可能性を大いに感じた次第です。

和気閑谷高校の皆さま、受講者の先生方、ありがとうございました。

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