参加型評価で改善!のブログ

NGO/NPOなど非営利活動をより良くする参加型評価について、参加型評価ファシリテーターの田中博が知識・経験を情報発信し、関心を同じくする皆さんと共有・意見交換するブログです

第5回MSC入門セミナー〜男性パワーの活躍がありました(7/18)

7/18に第5回MSC入門セミナーが新宿で行われました。IMG_0880


参加者は7名で、大学の先生や学生、開発コンサルタントなど多様な顔ぶれはいつもと同様でしたが、7人中6名が男性と多く、いつも女性が中心の私のセミナーでは異例のジェンダー・バランスでした。ちなみに女性一人は静岡の女子大学生。東北の陸前高田から、かけつけてくれた男性もいて感激です。

 

質疑応答や演習で、活発に意見交換がありましたが、論理的にサクサク進む印象なのがやや男性的かな?と思いましたが、紅一点の女子学生さんも、がんばって討論に参加していました。今回は

IMG_0876ステップ5(最も重大な変化を選ぶ)の演習で、二つのグループの結果が同じになり、これは私のセミナーでは初めてのことでした。でも選ばれた理由は、両グループで微妙に違うところが面白かったです。「学習」目的中心の評価は、結果は同じでも、やる人によって過程が異なることが実感できました。

 

現場の質的変化を活き活きと表現できるMSCの魅力と、ログフレームやロジックモデルの評価とMSCを併用することで、重層的で豊かな評価ができるというポイントが共有できたようで、とても良かったです。参加者の皆さん、お疲れ様でした。


環境省・地方環境パートナーシップオフィスの方々にMSCを紹介しました

環境省総合環境政策局環境教育推進室が行う、環境教育における「ESD推進」のための実践拠点支援事業において、私が講師としてMSC手法を紹介しました(7/14)。

IMG_0859参加者は、環境省が全国8箇所で地域のNPOなどと協働して運営する地方環境パートナーシップオフィス(Environment Partnership Office:EPO)の方々です。EPOは、地域で環境教育・ESD・官民パートナーシップなどに関する情報やさまざまなノウハウやネットワークを共有する活動をしています。本年度、EPOが行う前記事業において、活動の成果をわかりやすく発信できるよう、MSCのエッセンスを活用することが予定されています。

私自身は、環境教育やESD事業の評価に、MSCはとてもしっくりくると思っており、このような機会がもIMG_0863ててうれしかったです。その一方で日本ではまだまだ知られていないMSCが、どこまで受け入れてもらえるか心配も少々ありました。

蓋をあけてみると、皆さんとても熱心で、インタビュー(ステップ4)や「最も重大な変化の物語を選ぶ(ステップ5)」の演習も積極的に参加してもらえました。手法の核心をつくするどいような質問もいくつか出され、答えながらはりあいを感じました。

EPOにおいて、MSCが有効に活用され、お役に立てれば光栄だと感じました。

国内事業にも威力を発揮するMSC手法

私が最近普及に力を入れているMSC(Most Significant Change)手法ですが、国際協力の活動に使う手法と考えている方がいるようです。確かに、MSCはバングラデシュのNGOの活動現場で考案され、現在も欧米のNGOが国際協力の評価に多く活用されていますが、決して国際協力専門の手法ではありません。私は、日本国内の様々な非営利事業の評価に、MSCは役にたつと考えています。以下にその理由を述べます。

MSCは参加型評価手法の一つです。評価の過程に受益者やスタッフなど利害関係者が参加する評価には二つの源流があります(*)。

一つは北米において、専門家による事業評価の結果が充分に活用されておらず、評価対象の固有の状況や文脈の多様性を反映していないという疑念から、評価の実用性を重視する流れで、実用重視型評価や、エンパワーメント評価などがあります。これらは国際協力ではなく、アメリカ国内の教育や福祉事業の評価に盛んに活用されています。

もう一つは開発途上国等において、社会開発の当事者の自立やエンパワーメントを目指した参加型調査や、アクションリサーチ等の流れです。この分野での参加型評価は欧米の国際協力NGOが盛んに活用しており、手法的には有名なPRA(参加型農村調査法)や、私が売り込み中のMSC(Most Significant Change)もこちらに属します。

このように二つの流れがあることは事実ですが、評価の過程にスタッフや受益者など利害関係者が参加することで評価の価値を高めていく点や、人間を対象とした社会開発事業の改善に有効であること、質的分析が多いなどという特徴は共通すると思います。

日本では「新しい公共」として教育や福祉に関わるNPOなど市民セクターの役割が非常に高まってきています。東日本大震災の復興事業も、震災後5年が過ぎてコミュニティ開発の側面が強まり、人々のエンパワーメントが焦点に移りつつあるといわれます。

これら国内事業の学習・改善目標の評価に、参加型評価の長所を持ち、専門家でなくとも質的な分析を可能にし、関係者をエンパワーしていくMSCが有効だと考えます。実際、私がMSCを伝える対象も、国際協力NGOだけでなく、国内NPOや教育機関などからの依頼が増えてきました。今後、どのようにMSCを国内事業に活かしてけるか、私はとてもワクワクしています。

*源由理子(2008)「参加型評価の理論と実践」『評価論を学ぶ人のために』世界思想社

※メルマガ【元気になる参加型評価】Vol.15:2016年6月9日発行の記事を転載しました。


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