2012年04月

2012年04月27日

ついに登場!今年の課題は絶対コチラ。「完本 情況への発言」@吉本隆明さん

※本日は圧倒的に文字量が多く、個人的な想いの強い文章なので目を休めながらお付き合いくださいませ。

 

明日からいよいよゴールデンウィークということになるんですが。お読みいただいている読者の方は何日間の連休が取れたのでしょうか。私は中学3年になる甥っ子と何処か出かけるくらいですが。この甥っ子がかわいいんですね。絵に描いたように素直で優しい子どもでして。しかし、何でこんなに甥っ子をかわいがっているかといいますと。昔読んだ記憶ですが、文化人類学の中沢新一さんの著作で人間関係学上の理解者に言及する内容がありまして。そこに書いてあったのが、子どもが一番吸収しやすいのは“叔父”なり“叔母”に当る関係なんだとか。10年前に読んだ記憶ですからね、正しくないかもしれません。簡潔にいいますと、親ほど責任も無く、かつ信用に足る関係ということだと記憶していますが。中沢さんにとっての民俗学者である義理の叔父・網野善彦さんとの関係も近いかもしれません。

 

さて。またしても枕が長くなる癖が出ましたが。本日ご紹介する書籍も中沢新一さんも近しい関係にあった“戦後思想界の巨人”の書籍ですね。今年3月に亡くなられたのですが、主義・主張を超えて広い読者を獲得した不出世の思想家の発言集が・・・

 

「完本 情況への発言」@吉本隆明

2011年11月18日発行つまり、絶賛好評発売中です。

発行:洋泉社

定価:本体3000円+税

上下段組・約700ページの超大物です。

 

先に言いますがね、この本、今年一年をかけてじっくり向き合うレベルの作品。 1962年10月の状況への発言「終焉」以後から始まり、97年12月までの約35年間を大衆の目線で喝破し続けた発言集です。

 

私は35歳なのですが、自分の中の強みをあえて挙げるとしたら、吉本隆明を通ってきたこと。主義・主張の差はあれど、この“戦後思想界の巨人”の目を通して批評の目を養ったのは事実でありまして。なので今回の完本版が出版されたと聞き、是非皆様にご紹介したいと思いました。

 

吉本隆明さんというのは簡単に言えば思想家なのですが。思想家なんていってもピンときませんよね。それも当然。今の日本に思想(家)なんて言葉ほぼ使われませんからね。それだけ日本が世界的な文化レベルから遅れをとっているということなんですが。しかし、確かにあのミシェル・フーコーと対談したり、界レベルでのガチンコ(本気)論争で互角にやり合っていた人がいたんですね。それが吉本隆明さん。わかりやすく例えますがね、例えばボクシングでも階級(体重)の軽いクラスでは日本人の世界チャンピオンもいますが、注目度の高いヘビー級での世界ランカーなんてまず無理ですよね。この文脈で言えば吉本さんはヘビー級の世界ランカーです。それぐらいの思想家なんですね。

 

一番有名な著作は「共同幻想論」ですね。タイトルはなんとなく聞いたことがある方も多いと思います。一時期はファッション化し、「共同幻想論」を持っていることがステータスだった時代も。

 

本作品「情況への発言」は読んだままの通り、“情況=過ぎ去る時代の様”への発言なので時代的な理解が追いつかない方もいらっしゃると思いますがね。ちょっと古いかもしれませんがあえて言わせて貰いますよ。

 

そんなのかんけーねぇ

 

そんなのかんけーねぇ

 

私自身76年生まれなのでこの前半部分は記憶に無いどころか生まれていませんからね。しかし、あたかもその時代を生きていたかのように読者が錯覚してしまう程の熱量。いや、圧倒的な熱量ですよ

 

ここからは私の幼稚な知見ですがね、度々言及していますが、昨今のコミュニケーション事情。ツールばっかり発達して就活生の8割がスマホを使い、ソーシャルメディア化した活動ばかり。私も実は就活生を対象とした講演も数年間行っており、近しい距離に相談者もかなりおりまして。みんな聡明でテキパキ、ノウハウもあるのですが何か味気ない。これは考える幹(みき)”のようなもの未熟なのにスキルばかり身につけた結果、乖離がものすごく目立つってしまった結果だと思うんですね。ものすごくもったいないと常々思うんです。“考える幹”があってツールの活用ノウハウもあれば完璧になれますよ。兎に角、こういう“もったいない学生さん”が多くて話を聞いていて辛かった。どうすればこの乖離が埋まるかって皆さん聞きますが簡単です。思想で埋められるんです。一年かけて読むべき。引っ掛かりがあるところは付箋をしてでも読み進めるべき!本は読んでナンボ、汚れてナンボですね。

 

いまからでも遅くないので「完本 情況への発言」絶対読むべき!そうすれば今年一年を振り返ったときに確かな達成感が残ると思います。

 

【チーフY】 



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2012年04月26日

■速報■小沢一郎民主党元代表判決号外

先程、注目されていた小沢一郎元民主党代表の強制起訴に対する判決が出ました。有罪であれば政治家生命に関わり、無罪であれば今後の民主党の混乱が予想されておりましたが。詳しくは以下URLクリックでPDF号外を読むことが出来ます。

 

■産経本紙・PDF

http://reader.sankei.co.jp/reader/east/news/pdf/20120426gougai.pdf

 【チーフY】



sankei_kurashi at 11:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0)指定なし 

2012年04月25日

映画の邦題タイトルにまつわるエトセトラ

最近改めて洋画の邦題が面白いと、タイトルを詳しく調べているんですが。最近届いた試写状の中からコチラをご紹介。

 

「ローマ法王の休日」@ナンニ・モレッティ監督

 

・・・あの。意図的なものを感じるんですが。

原題はHabemus Papam 。イタリア語なんですが、法王に就任すると演説の第一声がこのHabemus Papam なんだとか。意味は私も分かりませんが。なかなか神秘的な原題じゃないですか。それが「ローマ法王の休日」とはなかなか。

 

因みに私の薄い記憶ですがこのナンニ・モレッティ監督、邦題「息子の部屋」という映画もありますね。この映画も原題が全然ちがかったような気が。勿論「徹子の部屋」か!というツッコミですね。

 

本日はこれでおしまいおしまい。

 

【チーフY】



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2012年04月24日

川本三郎さんはやっぱりわかってらっしゃった・・・というお話。

昨日ご紹介した映画秘宝さんの6月号、私の先週のブログと、ものすごく注目されているのが映画「裏切りのサーカス」ですね。久しぶりに骨のある作品なので是非皆様に観ていただきたいのは勿論なのですが。

 

■ご参考に~★お待たせしました★21日公開「裏切りのサーカス」ご紹介

http://kurashi100.iza.ne.jp/blog/entry/2661398/

 

私のように映画公開情報が耳に入ってから文献や過去関連作品を調べるのは当たり前。そんなことしなくても教養というか知識のレベルでしっかりと把握されているのが映画評論家で作家の川本三郎さん。中学生のときに読んだ「子供たちのマジックアワー」で映画評論にはじめて触れた私としては川本さんと全著作読破し後に名著「世界は使われなかった人生であふれている」で決定的となった沢木耕太郎さんと映画評論の双璧なのですが。

 

そんな川本三郎さんの最新作がこちら。

 

「白秋望景」@新書館さん

2012年2月10日発売つまり、好評発売中です。

定価:2800円+税

 

明治・大正・昭和をまたにかけて活躍した詩人であり童謡作家であった北原白秋の評伝ですが、コレが面白い。

 

白秋についての著作は枚挙にいとまありませんが、私にとって川本さんの真骨頂と感じるのは童謡「からたちの花」についての件(くだり)です。白秋の歌詞は以下の通りですね。

 

「からたちの花」

 

からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。

からたちのとげはいたいよ。
靑い靑い針のとげだよ。

からたちは畑の垣根よ。
いつもいつもとほる道だよ。

からたちも秋はみのるよ。
まろいまろい金のたまだよ。

からたちのそばで泣いたよ。
みんなみんなやさしかつたよ。

からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。

 

5・7調を用いたリズミカルな童謡ですね。川本さんはこの「からたちの花」についてこのように書かれています。

 

‐以下「白秋望景」引用です‐

「からたちの花」が素晴らしいのは、第五連で、突然、花から離れ、「からたちのそばで泣いたよ。みんなみんなやさしかったよ。」と変わること。起承転結で言えば転。カメラはそれまでの眼前から離れ、垣根のそばで泣いている子供―白秋は「この主人公は男の子です」と註を入れている(『白秋童話読本』)―をとらえる。しかも、この子供は、現在の子供というよりは、白秋の思い出の中の子供だろう。白秋自身かもしれないし、あるいは、音なの白秋が小田原の町を散歩しているときに見かけた子供かもしれない。あるいは、子供の頃、一度は泣いたことのあるすべての大人たちへの呼びかけかもしれない。普遍性がある。いずれにせよ、この子供が泣いたのは、いじめられたからなのではなく、悲しいことがあったからだろう。それは「みんなやさしかったよ」で分かる。子供は、普通、いじめられたり、大人に怒られたりすると案外、泣かないものだ。子供が泣くのは、一人で悲しみに耐えていた時、絶対に人に涙を見せないと思っていた時、ふとやさしい言葉をかけられる瞬間だ。

 

この文章に白秋を通した川本さんのやさしさ、人間性を見出すことができますね。「子供たちのマジックアワー」で私が感じた川本さんの子供に対する目線はすこしもぶれていませんでした。

 

そして話は映画「裏切りのサーカス」に戻るのですが。この「裏切りのサーカス」は原作が「ティンカー テイラー ソルジャー スパイ」でして、イギリス童話であるマザー・グースの数え歌“ティンカー テイラー ソルジャー セイラー・・・”からですね。実はこのマザー・グースを日本で初めて本格的に紹介したのが北原白秋。本書籍14章「日本で初めてマザー・グースを訳す」において、マザー・グースと映画タイトルの親和性(『カッコーの巣の上で』や『お暑いのがお好き』など)と共にジョン・ル・カレの「裏切りのサーカス」原作「ティンカー テイラー ソルジャー スパイ」にもしっかり言及しています。この14章は「大航海」の第59号に掲載されたものですから、少なくとも遡る事2006年の10月にはこの知識を得ていたわけですね。こういうものが知識レベルでさらっと紹介できるあたりが兎に角脱帽です。しかも映画公開のちょい前の絶妙のタイミングで読者が本を読んで発見できる。まさに当意即妙。これは川本さんはもちろん、新書館さんのすばらしい仕事にも拍手。

 

と、いうことで詩や童謡について普段興味が湧かない方もおススメ。白秋を通ものの考え方を養う本ですから。こういう本、通り過ぎないでしっかり読んで欲しいと切に願います。

 

【チーフY】



sankei_kurashi at 15:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)指定なし 

2012年04月23日

☆取り急ぎ☆映画秘宝6月号発売中です

東京はジメジメした天気が続きますが如何お過ごしでしょうか。ところで産経新聞社は東京都千代田区大手町なんですが、弊誌「くらしの百科」の実務的編集室は千代田区神田錦町なんですね。そしてその事務所の裏にあるのが洋泉社さん。ってことは本日ご紹介するのは“アノ”雑誌ですね。

 

ということで・・・

 

「映画秘宝6月号」@洋泉社さん

6月号(5月21日発行号:毎月21日発行)

好評発売中です。

税込:1050円

映画秘宝公式HPはコチラ↓

http://www.eigahiho.jp/

 

くどいようですが映画秘宝は毎月21日発売ですからね。

 

それでは今月号の目玉をご紹介。

■「深夜0時の自宅映画祭」

ゴールデンウィーク特別企画!【永久保存版】何度観ても面白いDVD100選!

選者はみうらじゅんさん、町山智浩さん、菊地秀行さん、中原昌也さんなど。

 

■2012年、男たちの大復活祭!

あのラジニカーントさんなど、映画秘宝版「あの人は今」

 

 

■初夏のイチ押し新作洋画、最前線!

昨日私、チーフYもご紹介した「裏切りのサーカス」や「ブライズメイズ」、「ブラック&ホワイト」、「ムサシ日記」などをご紹介。

 

その他連載も豊富です。成海璃子さんの「キミにRICOメン!」では前述したラジニカーントさん復活の狼煙である「ロボット」、よく知りませんが「預言者」、そしてそして注目の「SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」の3本。

しょこたんの連載も大槻ケンヂさんも最高!

 

発売をうっかり忘れててしまった人は急いで書店にGO!

【チーフY】

 



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