3knot(サンノット) 神奈川県横須賀市秋谷 www.3knot.com san@navy.plala.or.jp
『秋の富士サボリ登山』レポートです。
今回の連休はおおむね天候も安定しており、以前からのリクエストもあり、でいつもの5合目登山プラス、頂上アタックもオプションとしました。
前回頂上を目指したのは3年前、2日間とおして0合目から頂上まで登るというハードルが今の自分にとってどんなものなのかはまったくの未知数でした。

1日目ーサボリ登山(馬返し〜5合目)
今回のツアーに参加されたのは4名、遠くは名古屋からのご参加もありで、皆さま朝早くからの集合、お疲れ様でした。
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では今回も張り切っていきましょう!

出発地点の馬返し(1450m)でじっくり時間をかけてストレッチしてから出発。
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これが怪我や疲労防止になるのですから、入念にね。

登山道に入るとひと気はほとんどなく、富士山の登山シーズンも終わったのだなと感じます。
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道端に目を凝らすとあちらこちらに小さな秋の気配がします。

ゆっくりと、しかし快調に歩みをすすめ、いつものゴリラの木までやってきました。
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富士山の凛とした空気は高度を上げるにつれ清清しさを増していくようです。

お昼前には三合目(標高1840m)に到着。
見晴らし茶屋のあった場所でお昼ご飯とすることにしました。
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参加のFさんのランチョンマットや箸入れが可愛いので撮らせてもらいました。
せっちゃん特製のお握り&デザートのパンケーキ

ああ、ちょっと食べ過ぎた、食休みにはやっぱりこれだ。
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足があがるだけでなんとも気持ちいい。これ本当に登山時おススメの休憩方法です。

とそこに、お母さん暴走。(笑
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のってるヒトはお嫁さん。ここに姑のハンモックいびりが勃発!(嘘ですよ

空を見上げると紅葉にはまだ遠く、葉っぱが青々としています。
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今年は暑いからね、9月後半でも夏の名残が楽しめます。

静かな森を楽しみながら、5合目(2304m)に到着。
所要時間はちょうど4時間でした。
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富士山頂の旗は捏造(笑ではなく、明日の頂上登頂を祈願してのもの。
ガスがでて視界が悪かったのがちと残念でしたが、休憩ごとのストレッチも功を奏し、とても快適な登山となりました。

アフター登山はサボリアワーの開始です。
まずは温泉へ直行!汗を流してサッパリしたらビールで乾杯!
夕食の準備ができるまで焚火を囲もう。
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ちょっと緊張した登山も終わってみればみな笑顔。
お母さんも明日の山頂アタックにやる気満々。
夕飯時に明日の登山組に加わるコウキさんが到着しました。まぁ、今夜はお酒もほどほどにしときましょう。明日は3時起きです。


2日目ー頂上アタック班(5合目〜頂上)
深夜2時半、目覚ましアラームに設定した時間より30分ほど早く目覚めたのだけど、目は冴えていてあまり眠れた感じがしません。 
コウキさんを起こし、身支度を整えます。 
間もなく女性陣も起床、みな言葉少なめで小さな緊張が伝わります。

準備が整い、いよいよ出発というところで、お母さんが靴ずれによる足の痛みで急遽参加を断念。テーピングを試みるも状況は変らず。
状況判断は本人にしかできません。無理は禁物です。
ホリベさん、コウキさん、僕との3人で出発することにしました。

まだ真っ暗なスバルラインを5合目目指してひた走ります。
車を停め、登山の準備が整ったところでうっすらと明るくなった東の空から、太陽が昇りはじめました。不思議なもので人間、陽光を浴びると俄然やる気になるものです。
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おっし、頂上いくぞ!お鉢めぐりもしちゃうぞ!
昨日同様に入念なストレッチをしてから5時30分に登山を開始しました。

富士山の東面は明るくなるのも早く、頂上までの全容があらわに。
昨日はこれがみられなかった。
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遥かなる道のり。期待と不安が交錯します。

ここで毎日曜の朝のお勤め、FMヨコハマ(84.7mhz)のasarenフィールドレポート(記念すべき第50回目)を本日登山途中からの生中継。
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心配していた電波もバッチリ入り、初の登山中継が実現。
ホリベさんにも急遽出演いただき番組を盛り上げていただきました。

6合目をすぎると、岩場が多くなり斜度も険しくなります。
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ふと振り返るごとの景色の素晴らしさよ。

7合目付近は多くの山小屋が点在し、そのほとんどが冬じまいの支度中。
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カラッと乾いた空気のなかに干されたふとんが気持ちよさそうですね。

8合目を過ぎるとあたりは一変、赤土の世界になります。
5合目登山のときと同じ山とかとおもうほど、殺伐、荒涼とした景色です。
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ここから本8合目までの道のりが長い。すでに標高は3000mを超えて空気も極端に薄くなります。

3250mに位置する元祖室では『酸素供給所』なる表記も。
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ちゃんと息を吐けないと空気もたくさん吸えません。富士登頂の最大の恐怖、高山病を防ぐには深呼吸が一番なのです。

本8合目到着。 参加者のコウキさんは実は10日ほど前に富士登山に訪れていて、この本8合目まで登ったのですが、台風接近による天候悪化のため、やむなくここから下山したとのこと。ここから先は未知の世界なのですね。
富士登山の厳しさはこの本8合目から上です。 頂上は手が届きそうなところにあるのですが、体がいっこうに動かない。一歩がでない。進むほどに逆に頂上が遠のくような気さえしてきます。
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それはここまでの疲労の蓄積に加えて、酸素不足による運動能力の低下、そして胸突八丁と呼ばれる急斜面が立ちふさがるのです。

実際、この付近にくると、道端に倒れこんでいる人を多数みかけるようになります。
息を整え、気合をいれて足を踏み出します。
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体力、技術、経験より頂上へ行こう!という意思が体を動かします。

一歩、また一歩。
いよいよ鳥居と狛犬がみえてきました。
やったぁ、到着です。
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スタートから約7時間ほどかけての登山でした。
けっして早いタイムではないけれど、途中で十分なる休憩や補給、ストレッチをしてきたので、全員で無事頂上にたどり着くことができました。
疲労ダメージもおもっている以上に少なく、まだまだ歩ける余力があります。

山頂についてまずは握手。
登頂を祝ってコーヒーで乾杯しましょう。
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The★five beans特製の焚火ブレンドコーヒーをドリップ。 (コウキさん撮影)

日本一の山、登頂おめでとう!カンパ〜イ!
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うまいっ!! 道具や水が重くても、この一杯のためならば耐えられるのです。

さて、続いてはお楽しみのお弁当。
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ああ、これまた美味ぃ。 やっぱり山はおにぎりに限る。これに暖かい味噌汁も沸かしました。せっちゃんのおにぎり、てっぺんまできたよ。

ああ、満足満足。でも今日はこれで下山じゃありません。
噴火口の外輪をまわる『お鉢巡り』に出発!
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日本で最も高い場所はこの世の果てのような景色で、この山が生き物として宇宙に向かって大きく口を開いている独特な世界です。 (コウキさん撮影)

右に火口、左に雲海をみながら外周をまわると、目の前に強烈な上り坂があらわれます。 そこは富士山最高峰の剣ヶ峰へとむかう『馬の背』と呼ばれる難所です。
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気を抜くと後ろに下がってしまうほどの急斜面を登るのですが、とにかく空気が薄い。 (コウキさん撮影)

ようやくのことで剣ヶ峰(3776m)到着。
正真正銘の日本で一番高い地点です。
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これまで2度登頂しましたが、天候や時間の関係でこられなかった剣ヶ峰にたどり着けました。

ここには富士山の測候所があり、ドームレイダーが設置されていた場所です。
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小学生のときのあこがれ(南極観測船ふじ、アポロ11号、太陽の塔、新幹線、レイダードーム)のひとつがあったところ、 感慨深いです。

一番高い場所でやりたかったこと、そうです、個人的風速観測(凧揚げ)です。
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これがまったく風が吹く方向も風量も定まらない不安定なものでうまくあがりません。富士山頂の乱気流というものを図らずしも知ることができました。
実はてっぺんで綱渡りもしようとトラベルラインを持参(重かった)してきたのですが、これまたうまく固定ができず、今回は時間切れとなりました。 (コウキさん撮影)

さて、あまりゆっくりもしてられません。下山の予定時刻は過ぎています。
すでに午後の陽になって吹く風が肌寒くなってきました。
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相変わらず薄い空気のなか、このような景色の中を歩いていると異星を探検しているような気分になります。

東側に回りこんだときに、眼下の雲に富士山の姿が映りこんでいました。
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通称『影富士』です。

下山道に到着したのは午後3時30分。
山頂の滞在時間は約3時間。大幅なタイムオーバーでしたが想定内。
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山頂もだいぶひと気が少なくなりました。
頑張って降りましょう。 無事家に帰り着いてこその登頂成功です。

朝から一日中晴れていましたが、夕方になると大きな雲がわきはじめ、下のほうからガスが登ってきます。今日はもうおしまいだよ、といわんがばかりです。
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前回この道を下ったときは一人きりで、とっても長い道のりにおもえていたのですが、道が空いていることもあり、途中でいろいろ話しながら降りていくと意外に早く6合目に到着しました。
ここで完全に辺りが暗くなりました。 背後には月がでています。
ヘッドライトを装着して、スタート地点までのなだらかな道を慎重に下りきり、ついにゴール。 時刻は6時半。実に朝から13時間、歩き続けたのでした。

毎日8kmを歩いて通勤するホリベさん、10日内に2度登って頂上を踏めたコウキさん、メンバーの体力や運、天候、気候、すべてがパーフェクトに作用した登山だと感じました。
あまり時間だけにとらわれず、自分達のペースを守り、ストレッチなどで細かな疲労回復を心がけたり、こまめな水分補給やトイレ休憩、体温調節、深呼吸の実践など、基本的なことを疎かにしなかった成果でもあるとおもいます。
そして2週間前の剱岳登頂に続き、2日間をかけて馬返しから頂上まで登りきれたことで自分自身の体力への自信にもつながりました。

富士山はただ高いだけの山ではなく、その高さゆえ、ひとつの山の中がいろいろな世界で構成されています。
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0合目から高度を上げるにしたがって変っていく植生、苔やヤドリギなど小さな植物からダケカンバやコメツガなど、頂上からの雪解け水が育んだ豊かな森が5合目まで大きく拡がり、その森は多くの生き物たちを養っています。
5合目から7合目までは高山植物などが厳しい環境の中で生き抜いている草と土のゾーン、7合目から頂上までは森林限界も超え、岩と溶岩の瓦礫が拡がる荒涼とした世界、そして頂上は永久凍土でできた生物を拒むような異次元空間。
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1合目と頂上ではまったく世界が違うのですが、でもそれはひとつの山の持つもので脈の部分はしっかりと繋がっていることが下から歩きとおすことによって、身をもって理解できます。そう、すべてはグラデーションのように段階があるのです。
それはまるで時代を遡るようでもあり、未来をみるようでもあるのです。
一般的な5合目からの富士登山だけでは富士山というひとつの生きた山を知ることはできないのだと感じた登山でした。

昨日同様、下山後は温泉に直行。
しみじみと今回の登山を振り返ってみました。
家に帰り、今日のサボり班の状況をききながら夕食をとった直後にはもう爆睡でした。

明けて翌朝、ハンモックにのんびりと身をあずけて、いまだ登山の余韻に浸っていました。
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体に残る筋肉痛を達成感が癒してくれます。

朝食後、富士吉田にある富士山レイダードーム館を訪ねました。
あの、剣ヶ峰に10年ほど前までは設置されていたドームを登山後に目の当たりにできて感無量です。
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痛み傷ついた外壁は過酷な環境に耐え抜いた証です。
館内に展示された観測隊の日誌や画像に触れると、あの頂上の希薄な空気が蘇ってくるようでした。頂上登頂後にこの施設を訪れるのはとてもおすすめです。

あ、そうだ、サボリ班の2日目は芝生の美しい公園でスラックラインに興じたようです。
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お母さんもT氏に手をとられて楽しそう。

こうしてそれぞれの富士山ツアーは無事終了しました。
きっとこれまで以上にみな富士山のことが好きになったに違いありません。

富士サボリ登山、年内にもう一度いきたいなぁと考えちう。(笑

お知らせー我らが鈴木みき(3knot HPの『サボリのすすめ』の作者)が著書第2弾をリリース!『あした、山へ行こう!』(講談社)¥1200
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なんとタイムリー。山にいきたくない人までも読めば不思議と山へいきたくなる本。
3knotでも取り扱う予定です。

Comments

    • koki's comment
    • 2010年09月23日 01:55
    • 突然のお誘い(出発前日の夕方!)でしたが、お受けしてヨカッタ。これ以上の好条件は無いというくらいのコンディションで登る事が出来ました。せっちゃんにもすっかりお世話になりました。頂上で食べたおにぎりの味は忘れられません。さらに熱いコーヒーとお味噌汁の美味しかったこと。そのためにわざわざ重い水やストーブを頂上まで運んで頂いた事も感謝です。ありがとうございました!
    • やまねの母さん's comment
    • 2010年09月23日 07:59
    • お疲れ様でした。
      運動会とぶつかってしまったツアーでしたが
      登頂まで しちゃうなんて・・。
      大陸父さんに ブログを見てもらいたいが・・。
      なので 上の書き込みのkokiさんのブログ「秋谷日記をおすすめしてみます。
      いつか よろしくなツアーですわ!
    • 3G's comment
    • 2010年09月23日 08:04
    • Kokiさん
      こちらこそ、お疲れ様でした!本当によい条件が揃った登山でしたね。持っていったものはすべて自分がそうしたいとおもったものばかり(遊び道具がほとんど)ですからどうぞ気にしないでください。
      おもえばkokiさんとは高いところ(しかも命がけ)ばかりいってますねぇ。
      あ、事後報告ですが画像もいくつかお借りしました。
      秋谷日記のURLも遅ればせながら改訂しました〜
    • 3G's comment
    • 2010年09月23日 08:10
    • 母さん
      本来はいらっしゃる予定だったのにご一緒できなくて残念でした。
      父さんとぜひ富士山登ってみたいね。
      僕が元気なうちに。(笑
      母さんには5合目登山おすすめします!
      PS-秋谷日記も相当サボりだから大陸検閲にひっかかるかも(笑
    • yokko's comment
    • 2010年09月23日 12:26
    • 5 こんにちは!読んでいるうちにもう一度登った気分です。五合目から山頂までの行程はおよそ6kの道のりだそうですが 下から五合目までは何キロ位有るのでしょう。一度はチャレンジしたいです!馬の背も初登山の一昨年登りました。あの最高峰標高3776Mに立った時の感動は一生忘れないと思います!さて ダイヤモンド富士ですが11月は6日前後の2週間で見ることが出来ます。山中湖の北岸です。ただこの時期はお天気が定まらずなかなか難しいです。2月は空気が澄んで寒い代わりに綺麗なダイヤモンドが見えます。自宅は山の中ですが職場は湖畔まで徒歩1分内です。お出掛けの時はご連絡下さい。探します(笑)!
    • 3G's comment
    • 2010年09月24日 09:44
    • yokkoさん
      こんにちわ、ほぼ前後して富士山に登ったのですね。
      馬返しから5合目までは正確な距離はわかりませんが、普通に4時間ほどで登れます。とてもいい道なのでぜひ登ってみてください。
      ダイヤモンド富士情報ありがとうございます。
      この秋にまたいく機会があるとおもいますので、その際にはよろしくです!

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