1. 日本男子を「忠君愛国」という死の美学に駆り立てた檄句

<海ゆかば>  大伴家持

海ゆかば 水漬くかばね  山ゆかば 草むすかばね

    大君の辺にこそ死なめ  かえりみはせじ

 

2. いのちの尊さと不戦・非戦を訴える叫び

<君 死にたもうことなかれ>  与謝野晶子(日露戦争当時旅順港包囲戦中の弟を思って)

    ああ、弟よ 君を泣く、君死にたもうことなかれ  

    末に生れし君なれば  親のなさけはまさりしも、

    親は刃をにぎらせて  人を殺せとおしえしや、

    人を殺して死ねよとて 二十四までを育てしや、

・・・・・・・

 暖簾(のれん)のかげに伏して泣く あえかにわかき新妻を、   

 君わするるや、思えるや、十月も添わでわかれたる

    少女(おとめ)ごころを思いみよ、この世ひとりの君ならで 

    ああ、また誰をかたのむべき、君死にたまうことなかれ

 

3.旗色を明確に生きる

5月18日付朝日新聞の「声」に高柳 茂氏(埼玉県 63)の投書が載りまし
た。
『 安全保障をめぐる政府の基本的方向性についての阿部晋三首相の記者会見に、
言いようのない不安を覚えました』と言い、いかにも国民の安全をおもんばかるかに
見えて、『・・実は感情に訴えて首相本人の信念の実現が優先されている・・』と、
憂慮しています。

では阿部晋三首相の信念とは、ということですが“戦後レジームからの脱却”
“日本を取り戻す”という言葉に集約されています。若者が愛国心に燃える強い日本
への執念。――ふと、思い浮かぶのが大伴家持の「海ゆかば」です。多くの若者がこ
の歌に鼓舞されて戦場に向かいました。命よりも名誉を尊ぶ立場です。


 この阿部晋三首相の信念に真っ向対立するのが、不戦・非戦を堅持する生き方です。
少し情緒的すぎるかも知れませんが前掲の「君、死にたもうことなかれ」が、その一端
をうたいあげています。命こそ何よりも大切にされるべき、との立場です。

私たち高齢者は、老いを持ち堪えるだけで精いっぱいですが それに埋もれることなく、
重ねた経験に照らして国の行く末に向き合うことも
また必要(必然)かと思います。

もちろん、私は人命を賭して守る名誉よりも、非戦・人命尊重の道に与します。