いきいきシニア元気塾

自分らしく生きて生を全うしよう。その願いの実践を紹介する

2014年07月

介護予防大作戦の「戦略会議」を

「介護予防戦略会議」の提唱

下地 恵得

<うかうか歳も取れない>

「地域医療・介護制度推進法」が6月18日に成立しました。

このことに関しては前号でも触れましたが、介護分野では、介護度要支援の一部
で専門性の高いサービス(訪問介護や訪問・通所リハビリなど)以外は、市町村に移行さ
れるので、市町村の取り組みや社会資源の有る無しで地域間のサービスに差が生じること
が危惧されています。

特別養護老人ホーム(特養)は介護度3以上でないと入れなくなります。病気になっても
『時々入院ほぼ在宅』という方向で、急性期以外は自宅療養を余儀なくされます。歳を取
るのも益々大変です。

 

<いま、各町では>

このように高齢者を取り巻く状況が厳しさを増すなか、栄、諏訪、美住、富士見、多摩湖、
久米川の各町では「2014介護予防大作戦in東村山」の地域開催に向けて取り組みを始
めています。早くもイベント開催の具体的内容の検討に入った町、集客に知恵を絞ろうとい

している町、と対応はそれぞれです。

 

<時間不足と情報不足>

地域から挙がる悲鳴はスタートが遅いということです。実際、事務局体制が成るのが5月に
入ってから、それから地域に呼びかけて・・・、となりますと年度末までの時間が短く、地域では
慌ただしく形を整えるだけで精一杯という流れになってしまいます。地域開催推進委員の方々
の達成感の乏しい負担増になってしまいます。
もう一つは地域間の情報が欲しいというこ
とです。内容や進め方など情報を共有することで、互いに繋がり、且つ、進化するか
らです。

 

<戦略会議の提唱>

 時間・情報不足は大作戦が単年度毎の細切れ開催になっているのが一因です。従来は
“高齢者を元気にすれば、みんなも元気になれる”ということから、筋トレや脳トレを
奨励して自助努力を促すに止まっていました。なので、単年度の繰り返しで済んだのです。
でも社会の高齢化がどんどん進んで、地域の役割が大きく求められてきている今日、
“どのようにして高齢者を元気にすることが出来るか”に発想を変えなければ取り残さ
れてしまいます。従って、これまで福祉の範囲だけに限られていた思考の壁を取っ払って、
市民各層各分野を挙げて取り組む体制を作り上げる必要があります。その道筋をつけるた
めに、「介護予防戦略会議」を立ち上げ、長期展望を視野に戦略を練って大作戦の充実を
図る必要があると思います。

 

<介護予防の風景を市のステータスシンボルに>

 大願成就して、市民各層各分野が挙って介護予防に取り組むようになった状況を一つの
風景と呼んでみました。この風景を東村山市のステータスシンボルとしたいものです。

老いを矯めてボケを防ぐ

  二つの目玉で老いを矯める

下地 恵得

Ⅰ.目玉その一「あっぱれ通信講座」の創設と推進

<Aさんの投げかけた課題>

「家にいる時に(寂しさを紛らわすような)何かやることがあるといいんですがね」。

そのようなことを、今から3年半前のある日、会員のAさんが いきいきプラザの喫
茶室で一緒にコーヒーを飲みながら
つぶやくように言われました。その一言に促されて、
『読書会』をつくりました。読書なら自宅で
ひとりで過ごすのに間が持てるし、集まっ
て感想など述べ合えば楽しかろう、と。けれども、3年あまり続けましたが期待した機能
は果たせませんでしたので、昨年度をもって止めることにしました。

しかしAさんの投げかけた課題は残されたままです。解決の道はないものか。そんな時、
以前読んだことのある一冊の本を思い出しました。東北大学教授・川島隆太著「自分の脳
は自分で育てる」(くもん出版)です。その本の中で、簡単な計算が脳を活性化すると言
うことが映像で説明されています。では、脳のどこを刺激するのか。それは、前頭葉前野
です。          

前頭前野の働きは認知機能やコミュニケーション能力、自立機能などであり、そこに刺
激をすれば、それらの機能改善がなるというのです。                  

 

<「あっぱれ通信講座」でボケをストップ!>

 川島教授の所説に依って、自分の家にいても出来る脳トレーニング法の「通信講座」を
作ろうと思い立ち、テキストを工夫して試行を始めました。そんな折、去る3月15日の
朝日新聞に川島教授提案の『認知症改善に学習療法』が紹介されました。同療法は2001
年から始められていて、国内の1579施設で、約1万2千人が、月額2千円で利用して
顕著な成果を上げていると言うのです。その様子を仙台放送がドキュメンタリーに仕立て、
米国各地で上映して観客を動員。アメリカンドキュメンタリー映画祭で「観客賞」を受賞
したと伝えています。

 この記事は、大いに私の自信を深めてくれました。いきいきシニアの今年度活動の目玉
として、ボケを防いで介護予防につなげる「あっぱれ通信講座」を創設・遂行して参ります。
自宅で脳トレが出来る仕組みです。これで、Aさんの投げかけた課題が解決されるとともに、
高齢者がボケるのをストップさせる目途が付きました。

 

Ⅱ.目玉その二「介護予防大作戦」への取り組み

 介護予防大作戦は今年度も続けられますが、本来の趣旨を見失わないように心してかかる
必要があります。しかし、会を重ねるうちにイベント開催が目的のようになってきた所があ
ります。あくまでも、イベントは手段であって目的ではありません。増え続ける高齢者、孤
立化する高齢者をお互いに暖かく見守り、生きる喜びを共有できる、そんなまちを作って行
こう、というのが目的の一つであるとともに、そのような社会をつくるにはどうしたらよい
か、そのことを模索するのも、また課せられた課題です。

 この原点をしっかり踏まえながら、いきいきシニアは会員協力の下、精一杯頑張りたいです。

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