「介護予防戦略会議」の提唱
下地 恵得
<うかうか歳も取れない>
「地域医療・介護制度推進法」が6月18日に成立しました。
このことに関しては前号でも触れましたが、介護分野では、介護度要支援の一部
で専門性の高いサービス(訪問介護や訪問・通所リハビリなど)以外は、市町村に移行さ
れるので、市町村の取り組みや社会資源の有る無しで地域間のサービスに差が生じること
が危惧されています。
特別養護老人ホーム(特養)は介護度3以上でないと入れなくなります。病気になっても
『時々入院ほぼ在宅』という方向で、急性期以外は自宅療養を余儀なくされます。歳を取
るのも益々大変です。
<いま、各町では>
このように高齢者を取り巻く状況が厳しさを増すなか、栄、諏訪、美住、富士見、多摩湖、
久米川の各町では「2014介護予防大作戦in東村山」の地域開催に向けて取り組みを始
めています。早くもイベント開催の具体的内容の検討に入った町、集客に知恵を絞ろうとい
している町、と対応はそれぞれです。
<時間不足と情報不足>
地域から挙がる悲鳴はスタートが遅いということです。実際、事務局体制が成るのが5月に
入ってから、それから地域に呼びかけて・・・、となりますと年度末までの時間が短く、地域では
慌ただしく形を整えるだけで精一杯という流れになってしまいます。地域開催推進委員の方々
の達成感の乏しい負担増になってしまいます。もう一つは地域間の情報が欲しいというこ
とです。内容や進め方など情報を共有することで、互いに繋がり、且つ、進化するか
らです。
<戦略会議の提唱>
時間・情報不足は大作戦が単年度毎の細切れ開催になっているのが一因です。従来は
“高齢者を元気にすれば、みんなも元気になれる”ということから、筋トレや脳トレを
奨励して自助努力を促すに止まっていました。なので、単年度の繰り返しで済んだのです。
でも社会の高齢化がどんどん進んで、地域の役割が大きく求められてきている今日、
“どのようにして高齢者を元気にすることが出来るか”に発想を変えなければ取り残さ
れてしまいます。従って、これまで福祉の範囲だけに限られていた思考の壁を取っ払って、
市民各層各分野を挙げて取り組む体制を作り上げる必要があります。その道筋をつけるた
めに、「介護予防戦略会議」を立ち上げ、長期展望を視野に戦略を練って大作戦の充実を
図る必要があると思います。
<介護予防の風景を市のステータスシンボルに>
大願成就して、市民各層各分野が挙って介護予防に取り組むようになった状況を一つの
風景と呼んでみました。この風景を東村山市のステータスシンボルとしたいものです。