2017年11月23日

十八、松風

秋風の涼しき朝に別れ行く
       父娘の涙に虫の音哀愁

この後をいかに過ごさむ老いの身は
       愛で育みし若君見ずして

明石浦朝霧の中を遠ざかる
        船は門出か永遠の別れか

君待ちて独り爪弾く琴の音に 
                  松風添いて夜が更けゆく

鮮やかに夕月輝き川の面
        風吹き過ぎて笛の音広がる

父に別れ上りし我から娘まで
        奪うあなたはほんとに情無し  


               
18松風


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八、松風 (まつかぜ)

        源氏は二条に建てた東の院に明石の君を迎えようとす
        るが、明石は態度を決め兼ねていた。
        それを見た明石入道は娘と孫娘のことを考えて、大堰
        川の畔にある尼君伝領の旧邸を修復して住まわせる
        ことにした。とはいえ、慈しんできた孫娘との別れは、
        入道には悲しいものだった。ひそやかに移り住んだ母
        子を源氏はすぐには訪れることができず、明石の君を
        不安がらせた。ようやくに訪れた源氏は若君愛らしさ
        に心惹かれ、先々の入后も考えて二条に引き取って育
        てようと思った。                          




sannmiya at 15:52|PermalinkComments(0) 源氏物語 | 短歌

十七、絵合

須磨の浦侘しき日々にしたためし
      絵取り出せば涙再び

かの日々の絵眺めおれば明石浦
      母娘は如何にと思い馳せ飛ぶ

さまざまの色華やかな絵合わせに
       悲しみ沈めし須磨の絵ゆかしや

桐壺の帝追慕し兄弟が
       語りて流す酔(えい)泣きしずく

人の世の常無きを知れば山里に
        御堂造りて余生を生きたし

17絵合
      
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   十七、絵合(えあわせ)
        絵を好む冷前帝の寵愛を勝ちとらすために、斎宮女御
        (六条御息所の娘)の後見をする源氏と弘徽殿女御の
        父親である頭中将はそれぞれ多くの絵を娘に授け、あ
        る日、絵の優劣を決める絵合わせが行われたが、そこ
        で際立ったのは須磨で源氏が描いた絵だった。絵合わ
        せの後の宴はそれぞれに琴など奏してゆかしいものだ
        ったが、兄弟の師宮と桐壺帝を追慕し、更に身の栄華
        のはかなさに思いを馳せた源氏に出家への望みが湧く
        のだった。.




sannmiya at 15:31|PermalinkComments(0) 源氏物語 | 短歌

十六、関屋

草むらに車引き据え眺むれば
      紅葉に照り映ゆ君が面影

合い会えば昔の情(なさけ)懐かしく
      袖の下にて文取り交わす
 
夫逝きて継子の息子に懸想され
      空蝉選びし尼への転生 



  16関屋

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        十六、関屋(せきや)
   夫の伊予介と共に東国に下っていた空蝉は、夫の
   任期満了で京に帰る途中、逢坂の関で石山詣の源
   氏の一行と偶然行きあい、弟の子君を通じて文を交
    わした。
    その後、夫が逝き、継子の河内守に懸想された空蝉
    は出家したのだった。































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sannmiya at 15:10|PermalinkComments(0) 源氏物語 | 短歌
ギャラリー
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