なぞなぞやクイズは出題者が答えを知っている事が大前提
というのは世界の理、この世のルールといえるだろう

だが、そのクイズの問題と答えをまるで靴下のように
『片方だけ』失くしてしまったらどうなるのか
答えは明白 「とても困る」 それが大事なものであればあるほど『とても困る』
諦めるという選択肢があるのならそれを取りたいが
そんなことも許されない状況はあまり無いと思いがちだが
案外そうでもない,,,
事の発端は1時間前の17時・・・
「オカン ただいまー・・・って何してるんや?」
洋榎が高校から帰ってきたら1枚の写真と睨めっこしている母の姿がいた

「ん?おぉ おかえり いやわからんくてな」
「ん?何が分からんのや?」
「いやぁこの間の練習試合の牌譜のデータを暗号化した際に そのパスワードがどんなんやったか忘れてもうたんや」
「そんなもん またやればええやん」
「そう簡単に練習試合 組んでくれるところならええけどなぁ」
「ん?あっせやった」
「やろ~?」

つい先週練習試合を組んだ所は新道寺女子だったことを思い出す
千里山や晩成ならスケジュール次第で容易に組めなくもないが
福岡から大阪へ再度練習試合組むとするなら移動時間などがあり
そう簡単には行かなかった

「んで、なんで自分の写真と睨めっこしているんや?」
「その際に書いたパスワードのヒントがこれに書いたんやけど、他の人に読み取られんように暗号として書いたけど・・・」
「・・・その暗号の答えを忘れた、ということかいな・・・なんか オカンらしいな」

ヒントが書かれているものはこの間の海水浴で撮った雅枝がピースを決めている写真だった
下の空白には八分音符と鍵が書かれていた
写真の裏には犬らしき物と棒人間が描かれてて犬の首から棒人間の手に妙に長い線があった
察するに散歩の様子だろう その上に下方向の矢印と8分音符が書かれていた
「写真の裏表にある音符・・・これも暗号の鍵なんか?」
「そうなんよ この暗号を思いついた際にええの思いついたわ!と我ながら感心したんやが・・・」
(音符・・・音楽?)

「…なんか 他にヒントないん?」
「う~ん...あっ名前に関する事と数字が入っとったなぁ!」
(…余計分からんくなってきたしお腹空いてきた)
「そういやオカン そろそろ夕飯やけど夕飯作っとる?」
「えー?...え?あぁ!?」

どうやら暗号と睨めっこに夢中で時間の経過に気がついていなかったようだ
(このままでは空腹の時間が長引いてまう)
「…オカン、このままじゃ埒が明かんから助っ人呼ぶで」
「助っ人?」

洋榎が頭を掻きながら携帯をイジり始める
「すぐ来るって」

18時を迎えたころ チャイム音が響く
「それで 呼んだと」
「あぁ アンタなら監督とそこそこ長い時間おるやろ?」
洋榎助っ人として呼んだのは船久保浩子だった
「…あんたの方が長くおるしそもそも親子だからこういうのわかると思うんやけど」
「そう思いたいが腹が減ってそうとはイカンから無理なんや」
「はいはい では監督 暗号を見せてもらえるかいな?」
「はい これがその写真や」
「犬との散歩、裏表にある音符・・・うーん 他になんか覚えております?」
「確か 人の名前と数字が入っとった」
「うーん?…音符、犬の散歩、監督が写っとる写真…あっ分かった 恐らくそういうことか」
浩子がパソコンにタイピングをしていく

「・・・これで開く はず」
エンターキーを押すとファイルが展開され 無事ロックが解除された

「「えぇ!?」」
呆気なく開いたため今までの苦労は何だったのか と全身の力が抜ける雅枝
「えっどないやって解いたんや」
「監督、この暗号じゃそのままじゃ解けませんで」
「…どういう意味や?」

「ではこの暗号を解説しますね。まずは下の矢印からの説明から 恐らくこれ、紐の事を指していたんです」
「紐?」
「せや『リード』や!ようやく思い出した」
「そうです 恐らく監督が伝えたかったのは『リード』」
「んで、リードと暗号がどう繋がるんや?」
「恐らく監督は『リード』を『リート』を間違えて一緒に覚えてしまったと推測されます」
「えっ違うの?」」
「えぇ違いますよ監督」

「えー 名探偵浩子さんちょっとええですか?」
「はい洋榎」
「そもそも『リート』ってなんや?」
「せやな…例えばこういう文字を見たことある?」
浩子がキーボードを打つと画面には『∀N5W3R』という文字列が書かれていた
「これ なんて読むか分かる?」
「ん?あぁ??えー、エヌ、ご、・・・は?」
「答えは『アンサー』や」
「えっ これそう読むん?」
「Aは言わずもがな、5はSに似とるやろ?Eは3の鏡文字っぽく見えるやろ?」
「あー言われてみれば」
「リート表記というのはまぁ海外の言葉遊びや」
「これでもまだ一部だけをリート表記したものやから さっきのを全部リート表記するとこうや」
『@И$ω3Я』

「すまん、全然分からへん」
「まぁ こういうのは知らないと分からへんからね 雰囲気は伝わるから読めなくもないけど」
「そんで続きやけどこの表裏に書かれている音符はこの写真じゃないと意味がない」
「どういうこと?」
「写真に写っているのは誰?」
「?オカンやろ?」
「せや でも『それ』ではこのこの暗号は成り立たない」
「…??」
「方言じゃない普通の言い方があるやろ」
「んそれって『母さん』か?」
「せや そしてこの音符」
「音符…母さん…あっ」
「せや これは『母音』を意味していたんや」
「つまりオカンの名前の母音をリート表記したのがパスワードの答えってことか」
「せや では答えとしてあたごまさえ これをまずはローマ字表記にする」

atago masae

「んで、母音のa、i、u、e、oをリート化する んで大体のパスワードでは@や$とかの記号は使えない、そして数字が入っとると言ってたから母音は数字に限定されるからこうなる」

4t4g0m4s43

「『4t4g0m4s43』 これが暗号の答えや」
「はぁー...成る程」
「Aと4が似ているのは分かるよね?」
「あぁ で 『O』が『0』になって『E』が『3』になる、と」

「うーん これhじゃ忘れてしまったらまた浩子呼ばなアカンから『password123』に変えた方がええかもなこれ」

「「それは絶対ダメ」」
「そしてオカン そろそろ飯作ってくれ」

「ただいま~あれなんで浩子来てるん?」

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4月に引っ越したり仕事先が変わったりしておりました
どうもsannpannです
少し前にしもやけさんというSS書きの方と交流し
先日同じお題で自分も書いてみました
(このお題を出したきっかけはiTunesのバックアップパスワードを忘れた自分の体験談から)
ちなみにしもやけさんのSSはこちら

久しぶりの更新(とログイン)に手間取りました(;^ω^)