その場に立つ

浦和興産株式会社・社長ブログ

2013年08月

夏休みはイギリス海岸へ行って来ました!・・・1泊2日!!・・・しかも車中泊???

ここまで読んで、ニヤッとした方は「宮沢賢治」のファンかも知れませんね。
そう、『イギリス海岸』は宮沢賢治の理想郷『イーハトーブ』岩手県花巻にあります。

「夏休みの十五日の農業実習の間に、私どもがイギリス海岸とあだ名をつけて、二日か三日ごと、仕事が一きりつくたびに、良く遊びに行った処がありました。
 それは本当は海岸ではなくて、いかにも海岸の風をした川の岸です。北上川の西岸でした。」

(中略)

 「イギリス海岸には、青白い凝灰質の泥岩が、川に沿ってずいぶん広く露出し、その南のはじに立ちますと、北のはづれに居る人は、小指の先よりもっと小さく見えました。」

(中略)

 「日が強く照る時は岩は乾いて真っ白に見え、たて横に走ったひび割れもあり、大きな帽子を冠ってその上をうつむいて歩くなら、影法師は黒く落ちましたし、全くもうイギリスあたりの白堊(はくあ)の海岸を歩いているやうな気がするのでした。」
                      宮沢賢治作『イギリス海岸』より
 イギリス海岸1
私は、この場所を訪れる度に思うのですが、

宮沢賢治は詩人であり童話作家として、『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『注文の多い料理店』など、多くの作品を残しました。けれども、宮沢賢治という人は、決して長くは無い自身の生涯で実に多くのことに目を向けています。

それは、鉱物採集や天体の観測に熱中したり、農学校の教師、羅須地人(らすちじん)協会を設立して、農民に芸術を説き、音楽にも親しみ作詞作曲も手がけ(代表作『星めぐりの歌』は映画「あなたへ」のテーマ曲に使われました)水彩画も見事です(彼の描いた絵は「宮沢賢治記念館」で見ることができます)

あらゆることに興味を向けた彼は、生涯を通じてイギリスに行くことは叶いませんでした。

しかし、彼はこの川岸を『イギリス海岸』と呼んで、農学校の生徒らと遊んでいた・・・その感受性と表現力を私はとても可愛いと思うのです。
茶目っ気のある『宮沢賢治』・・・私は愛着を感じてしまいます。


花巻市内の商店街に『やぶ屋』があります。
この「宮沢賢治行きつけのそば屋」で彼が好んでいたものを紹介します。
イギリス海岸5
えび天そばと三ツ矢サイダーです。

私もこの店に来ると『宮沢賢治』になった気分で、必ず注文してしまいます(笑)

今年の夏も「やぶ屋」の「えび天そばと三ツ矢サイダー」
暑くて!熱くて!冷たくて!
どうかなって仕舞いそうなくらい最高でした。



 


風立ちぬ1
ジブリの最新作『風立ちぬ』

美しい映画だと思う。

大空に憧れ、飛行機の設計者になる「堀越二郎」
彼は飛行機に美しさを感じ、それを求めてゆく。美しい飛行機は速い。

級友から、からかわれながらも、魚を食べ、その骨から飛行機の構造を学ぶシーンは興味深い。
大空を飛ぶ飛行機。自然から学ぶことは大いにあるのだろう。

そして、彼の美しい飛行機に対する思い入れは、やがて、96式艦上戦闘機。そして零戦へと形となってゆく。

「菜穂子」との出会いと別れは「堀辰雄」の「風立ちぬ」からの引用だ。

菜穂子との再会は軽井沢。夏の軽井沢高原を駆け抜ける風と緑。これも美しいシーンだ。

肺結核の菜穂子が八ヶ岳富士見高原の診療所を抜け出し、名古屋にある、三菱内燃機名古屋航空機製作所の二郎のもとへ。

二郎の上司の家での結婚式。黒川夫妻の媒酌によるこのシーンはとても美しい・・・思わずジーンとくる。

大正から昭和初期の様子が興味深い。鉄道の様子や車窓の田園風景が美しい。東京下町の風景や群馬県の富岡?や軽井沢の様子・・・そして名古屋。

戦争への不安や影はあるけれど、そこに生きる人々は日常のなかを一生懸命に生きている。

映画のエンディング「ユーミン」の「ひこうき雲」が流れる・・・ユーミンのデビューアルバムのタイトルにもなった曲。
ユーミンと同じ時代を生きてきた僕にも心地よい・・・・・はずだった!?

とても美しい映画だった。

僕にも大空を飛ぶこと、そして、零戦や飛行機のメカニズムに対するあこがれはある・・・けれども、映画を見終わった時に感じる、あの高揚感のようなものは無かった。

むしろ、何とも言えない気持ちだった。

これは、戦争を美化する映画ではもちろんない・・・それは充分に理解出来る。あの時代を懸命に生きた人々の物語だ。

でも、今の時代。日本の社会の時代の空気が急速に変わって来ているような気がしている。僕たちは平和の時代に生きてきた。戦後の68年間を国際紛争を解決する手段としての武力の行使と戦争の放棄をうたってきた。そのことに対して勇ましく異を唱える人の声を聞くことが多くなっている・・・そんな不安な時代の空気の中で公開されるジブリの最新作。

ジブリの影響力はとても大きいと思う。とりわけ若い人たちや子供たち。
この映画は子供向けではないだろう・・・でも、その影響力を考えると、とても複雑な気持ち・・・ナーバスな気持ちと言ってもいいだろう。

この映画に登場する96式艦上戦闘機や96式陸上攻撃機、そして零戦は戦争に使われた兵器だった。零戦は戦争末期には特攻にも使われ多くの空にあこがれた若者が死んでいった。

設計者の意図はともかく、戦争に使う兵器を美しいものとして描くことを正しく理解できるだろうか?
戦争を知らない世代が増えてきた今、この映画を作り手の意図(プロデューサーと監督)を正しく判断することが出来るのだろうか?この映画を観た多くの若者や子供たちに誤解を受けないだろうか?

この作品の映画化が決まった頃とは、時代の空気があきらかに変わったのではないだろうか?

もし、そうであれば、公開する時期を考える。あるいは、夏休みの最中、ジブリの最新作を見にくる人たちには、もっと判りやすく戦争の愚かさを伝えて欲しかったような気がする・・・・・僕の考えすぎであって欲しいが。


今日は、68年目の終戦記念日。多くの先人たちの苦難の歴史をへて、平和な時代を生きてこられた僕たち。だからこそ、この平和をこれからも伝えていかねばと思う。
風立ちぬ2





 

このページのトップヘ