秋から冬にかけて見た中から、ふたつの建築を振り返ってみます。

先ずは、『安藤忠雄展 挑戦』
国立新美術館開館10周年を記念して、建築家安藤忠雄の出発点から今日、そして未来へと・・
安藤忠雄が渾身のチカラと圧倒的なスケールで見せてくれました。 

この展示会の為に、野外に原寸大で建ててしまった!『光の教会』
いつか、大阪の茨木へ見に行きたいと思っていた『光の教会(1989年)』が東京のど真ん中で見られる。
しかも、教会の建物にガラスを埋め込んでいない・・安藤忠雄が望む本来の姿で。

ちょっとした物語性のあるエントランスから教会の中へ・・

礼拝堂の正面に開けられた十字のスリット から差し込む光。
ああ、なんて素敵な光だろうか。

打ち放しのコンクリートと型枠の木材を使った床。
とてもシンプルだけれども、その教会の内部には豊かな空間と時間を感じます。
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「(『光の教会 1989年』のガラスを)いつか取ってやろうと思っている!」
安藤忠雄が茶目っ気たっぷりに言っていた言葉を思い出します。

それにしても・・
自身の建築展に代表作の一つである『光の教会』を自腹で建ててしまうなんて(建築確認許可はもとより建築費も以前の倍くらいかかったそうです!)
あっぱれな人です!


若き日の安藤忠雄はヨーロッパへ旅に出て、いろいろな建築を見て歩きます。

その彼が強く印象を受けた建物がフランスにある『ロンシャン礼拝堂』だそうです。
ここで彼は、教会の内部に差し込む光をを見て衝撃を受けたといいます。
そして、この若い日の強烈な出会いは、その後の建築に大きな影響を与え、この『光の教会』が生まれます。

ロンシャン礼拝堂は20世紀を代表する建築家ル・ゴルビュジェの作品ですが、その弟子である坂倉準三が岡本太郎の依頼で青山に建てたのが『岡本太郎邸』(1954年竣工)です。

現在は『岡本太郎記念館』として一般に公開されています。
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右手の庭園から岡本太郎の家を見てみましょう。
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モダニズムを感じさせるバルコニーには・・
いますね、太陽の塔くん。
鎧戸の雨戸がいい感じです。

家の中に入ると・・
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岡本太郎さんと彼が生み出したキャラクターたちが迎えてくれます。

2階の展示室へ。
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この建物のユニークな屋根を支える構造が判ります。
おそらく、当時のものと思われる空調のダクトが目を引きます。

そして、アトリエへ。
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創作活動の空間として、興味津々・・
岡本太郎の想像力が形になって行った場所なんですね。
このアトリエから『太陽の塔』も生まれたそうです。


最後に、このアトリエを外から見てみましょう。
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坂倉準三は岡本太郎の求めに応じてコンクリートブロックを積み上げました。
予算の関係でしょうか?

このコンクリート打ち放しの部分は竣工時はどうだったのでしょうか?
坂倉準三がコンクリートの打ち放しを使うのは、もう少しあとかな?
とても微妙な時期・・?

いろいろと疑問が湧いてくる建物です。
教えて頂ける方がいたら・・知りたいところです。

人の住む家、あるいは住んでいた家を見るのは楽しいですね。
その主(あるじ)のいろいろな思いや生活が浮かんできます。