映画『フォードVSフェラーリ』は私を1960年代へ連れて行ってくれる。

この映画に登場するキャロル・シェルビーとケン・マイルズのふたりが 少しばっかりややこしくなった現代社会に生きる私に、もっと純粋に!もっと情熱を持って生きよう!
そんな気にさせてしまうくらい、ふたりの生き方は清々しくカッコいい。
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ルマン24時間自動車レース。王者のフェラーリを打ち負かす為にフォードが選んだ男がキャロル・シェルビー。何故なら、彼はルマン24時間で勝った唯一のアメリカ人だった。1959年アストン・マーティンに乗って勝利している。

そのシェルビーが聴衆を前にルマンへの挑戦を語るシーンがいい。 

「私の父が言った、やりたいことがある人間は幸運だ。目標に向かって何をすべきか見えているからだ。幸運なことに私はその一人だ」

そして、シェルビーはヘンリー・フォード2世に直訴する。
「ルマンに勝つにはケン・マイルズが必要だ。何故なら、あのクルマ(GT40)は彼が作ったんだ!」

ケン・マイルズの言動を良く思わないフォード2世にシェルビーは詰め寄る。
「 デイトナ(デイトナ24時間)でマイルズが勝ったら彼をルマンで乗せてくれ!もし負けたら、俺の会社(シェルビー・アメリカン)をフォードに差し出す!」

自分の信念に従って、目的に向かって全てを賭けるシェルビーとマイルズ。

リスクを取らないことを常に念頭に置く現代人とその社会から見たときに、到底彼らの行動は正気の沙汰とは思えない?
しかし、一方で彼らの純粋な生き方に何か懐かしい男の生き方を感じる人も多いのではないだろうか?

現代社会の数値化されたもの、コンプライアンスやリスクヘッジなどに重きを置かれた管理社会から60年代のもっとシンプルで純粋な世界へ行ってしまいたい・・
この映画の中のシェルビーとマイルズの情熱的でピュアな行動を見ていると、そんな想いに駆られてしまう。
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そして、デイトナに勝利したシェルビーとマイルズ(彼らを良く思わない反対勢力の妨害を振り切って)ふたりはルマンへ挑戦する。
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この映画を監督したジェームズ・マンゴールはこの映画のテーマを語っている。
「今は、私たちは非常に企業的な考え方になっていて、リスクを取るのではなく、責任を問われないように守る態勢をとっている。スポーツも企業化されている。目標を達成する為にリスクを冒す、それに、絶望的に見えた時にも勇気を失わないこと。これらのことには私に大切な意味を持つものだ。」

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マイルズを心の底から支える妻モリー、チャーミングで気丈な面を併せ持つ素敵な女性。
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父を尊敬する一人息子のピーター。父親のチャレンジを応援し続ける。
ケン・マイルズ一家の家族愛の姿にもノスタルジーを感じてしまう・・・

やっぱり、映画はいいものです。
現代社会が何か置き忘れてしまった世界を見せてくれます。