新潟県な栃尾には3本の川が流れていますが、この豊かな清流が良質な米を生み、山間部には棚田も多く残っています。
また、養蚕、機織り(はたおり)、染色などの織物が盛んに行われ、江戸時代には『栃尾紬』
明治から昭和にかけては繊維産業として発展しました。
しかし繊維産業も海外との競争が激化して衰退していきます。
栃尾の町を歩くと、個人商店(だったと思われる)が数多く並び、立派な建物(おそらく銀行)も散見出来、昭和の時代に町が栄えた名残りを見ることが出来ます。
町の商店街には、
『雁木(がんぎ)』と呼ばれる雪避けの屋根が連なっています。
雪国の商店街では雪避けの為のアーケードが良く見られますが(十日町市の駅通りなどは有名ですね)
栃尾に来て、木造で作られたアーケード街を初めて見ましたが、鉄製のものと異なり、木の風情と温かみを感じました。
きっと雪の降る冬の季節に来てみると雪国らしい町並みがさらにいいでしょうね。
早朝にもかかわらず開けているお店がちらほらとあります。
そのどれもがお豆腐屋さん。
それもそのはず、
栃尾名物は『あぶらげ』
普通は“あぶらあげ“と呼ばれ親しまれているおなじみのアレですが、
栃尾の方言では『あぶらげ』と呼ばれ、全国的には『栃尾の油揚げ』、『栃尾あげ』、『ジャンボ揚げ』などとも呼ばれているそうです。
店の前で『あぶらげ』を買い求める客が数人並んでいるお豆腐屋さんがありました。
『佐野豆腐店』
店の軒先や駐車場で、
揚げたて熱々の『あぶらげ』を食べている人もいます。
そもそも、揚げたての油揚げをお豆腐屋さんの店頭で食べるという発想も習慣もなかったので恐る恐る、
「揚げたてのをください」
とオーダーをしました。
待つこと10分くらいでしょうか、揚げたての『あぶらげ』がやって来ました。
「デカい!」
今まで知る油揚げより遥かに大きいサイズと質感です。
熱々の『あぶらげ』にお醤油を垂らして口に入れます。
「うまい!」
揚げたての衣はパリッとしていて歯応えがあり、中身のお豆腐(のようですがもう少ししっかりとした造りです)には、大豆の旨みを感じます。
さらにピリッと塩味の効いたお醤油が揚げたての衣と、ふわっとした中身にも絶妙に組み合わさっています。
「油揚げってこんなに美味しいものだったとは!
知らなかった!」
あまりにも美味しいので、もう1枚オーダーして、揚がるのを待つ間にお土産用の『あぶらげ』を買い求めます。
ちなみに佐野豆腐店さんは家族でお店を切り盛りしているようです。
お父さん、お母さん、若い息子さんと思われる3人が手際よく仕事を進めています。
「けれど、家に持ち帰っても、今この味は再現出来ないよなぁ」
と思いお父さんに尋ねると、お父さんは息子さんに声をかけ、
息子さんが教えてくれたのは、
「まず、電子レンジで軽くチンしてから、オープントースターでトーストするようにしてください。そうすると揚げたてのように美味しく食べられますよ」
秘伝?を佐野豆腐店さんから直々に聞き、店頭に小瓶に入ったお醤油があったので、どこの醤油か見ると長岡の醸造所で造られたものだったので、
「これが決め手」と思い買い求めます。
買い求めた『あぶらげ』をキャンピングカーの冷蔵庫に大切にしまい、家に帰ってからのお楽しみにします。
と思ったのですが、
家に帰る途中、我慢出来なくなって(笑)
キャンピングカーの中で(電子レンジもオーブントースターもあるしネギやショウガを刻んだものを冷蔵庫に入れてあった)
パリッと仕上げ、長岡産のお醤油を垂らして頂きました。
「うまい!
油揚げがこんなに美味しいものとは知らなかったよ」
また新しい発見が出来たことをとても嬉しく思いました。
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