2006年10月

2006年10月26日

dbaf2217.JPG9月20日糠平湖周辺の森はシカの多さも絶品。とにかくよく鹿に出会う。そんな森でキノコをすれば、鹿の角をよく拾う。鹿が角を落とす季節は4月〜6月。雪解けの季節から落とし始める。雪解けは水辺から始まり、草の芽吹きも水辺から始まる。つまり鹿の角も水辺に良く落ちている。

今回見つけた角は、この春に落とした角でとてもきれいだった。先のほうをネズミに少しかじられていたけど、森の中の宝物を見つけた気持ちになる。拾ってどうするの?と聞かれたら、考えてしまうけど、拾うことに意味があるのだ!

(23:57)
29d465bb.JPG9月20日糠平湖で秋の味覚キノコを探し、森を歩く。マイタケ、ナラタケを見つけ、かなり満足。そして極めつけのハタケシメジの収穫。

キノコを採るコツは、たぶんいろんな要素が絡むと思う。キノコは森の恩であり、恩はいただいてばかりでは、自然に申し訳ない。森の恩をいかに返すか・・・日常、そんなことを考えながら私は種を播く仕事をしている。いつでも森の見方でいる。と勝手に思っている。

そんなわけで、ラッキーにも最近はキノコに出会える機会が多い気がする。思い込みだけかもしれないけど・・・

ハタケシメジを採るコツは、森を人がいじった跡を見つけること。ヒントは、雑木林を畑に開墾したときの廃根線(はいこんせん)。林道の駐車滞周辺。手入れされた森。出る場所が限られないのである意味取るのが難しいかもしれないけど、足元にあることが良くあるキノコ。その味は、さすがシメジ。歯ごたえ抜群で、いろんな料理に合う。



(23:49)
384c2f7e.JPG9月20日上士幌町糠平。ここには人と関わる森がある。トドマツ、アカエゾマツの針葉樹と、モミジやミズナラなどの広葉樹が複雑に混じる森。そんな森は色々なキノコが出る。そして森につづく林道。過去に林業、ダム開発で栄えた森は、今では人影は薄い。

そんな森で静かに、華々しく出ていたナラタケ。とても美味いキノコで、その群生する姿にドキッとした。もちろんありがたく収穫しました。ナラタケ(通称ボリボリ)は北海道でもとてもメジャーなキノコ、林道の脇、森の中・・・いろいろな場所に生え、出る季節も長い。

(23:37)
c116b9fa.JPG9月20日秋の深まりともに気になるのがキノコ。森の中のどこで出会えるかわからないキノコ。不思議な色のキノコ、不思議な形のキノコ。そしてとびきりおいしいキノコ・・・秋はキノコが森を彩る。山の恩のキノコは大切な食料でもある。「しっかりと採って、ありがたくいただくこ」と勝手に解釈して、キノコを採る。

深い森、太い木が残る森に出るキノコ。その王様がマイタケ。マイタケはとにかくすごい。そんじゅそこらのキノコとは格が違うのだ。

マイタケが出る場所は、ぶっといミズナラの根元に限られる。とにかくぶっといミズナラで樹齢100年以上のミズナラ。迫力のあるミズナラに限る。そんなミズナラは、マイタケが無くても圧倒されるほどで、森の中でそんなミズナラに出会えることだけでも、どれだけ幸せなことか。そしてそのミズナラの栄養を濃縮したマイタケの味は、悩殺的なのである。

こんなマイタケが採れる場所が、家から車で1時間で行けると思うと、十勝はなんて幸せなところなのだろうか、天然のマイタケ、まだまだ森にあるのです。

(23:27)
e1ff0fec.JPG9月20日気温が下がり始めると、糠平湖の季節が再びやってくる。まずは、釣り。夏に温んだ水温は気温の低下とともに下がり、湖の水が動き始める。そうすると魚たちも動き出す。そんな季節に84センチのブラウントラウトを釣ったのが2年前の2004年9月22日。こんな魚を釣ってしまうと、そんな魚を期待して、それとももっと大きな魚に期待して、湖に出かけてしまう。大きな夢だ・・・

数年前に北海道遺産に登録されたタウシュベツ橋は、この時期湖の水位で見れたり、見えなかったり・・・。今回の橋は60cmくらい表れていた。橋というより湖につづく道のようだった。

魚釣りは、秋の風にゴムボートを流されながら、のんびり竿を振っただけに終わり、ドキッとするような魚からの刺激は無いままに終わった。そんなものなのさ・・・。

(23:12)

2006年10月09日

c5c4d1a4.JPG川の獲物を捕って食う。これぞ狩猟民族の原点。いかに目の前の獲物を確実に捕らえ、そしてそれをいかに美味く食べるか。釣り上げることができた赤石川の金鮎。もちろんその場で塩焼きにすることにした。

前日の雨で川原の薪はやや湿りつつも、無事火は起き、おきになるまでに鮎をさばき、串に刺しあら塩をふる。焼き色を身ながら全体的に焼き上げる。針に掛かってから30分で赤石川の金鮎が、こんがりと焼けた塩焼きになっていた。

山の恩、川の恩、海の恩、人間はすべて自然からの恩恵を受けて生きている。それが今では、栽培、養殖、輸入・・・そして加工されたものがパックに入り店頭に並ぶ。パッケージにこだわり、巧みなうたい文句で客を寄せ、魅力的な値段で買う人の心を揺らす。店員のサービスが気になったり、お店の雰囲気にだまされながら商品を選ぶ。すべて当たり前でとても快適に世の中が流れている。

今回白神の森で鮎を釣り、マタギと森を歩くことで多くのことを教わった気がする。人間の生き方というか、自然との接し方というか、いろいろな情報や商品が行き交うこの世の中、
何が大切なのか・・・。それはとてもシンプルなことで、とても大事なこと。これがこれからビジネスとして成り立っていけたら、もう一度身の回りにある自然を見まわして、ちょっとだけ勉強して、努力して。これからの生き方につながれば、とても面白いことがおきそうな予感がする。

そんなことを感じた白神山地赤石川滞在は、とても有意義なものでした。そういえば、塩焼き鮎の感想を書いていませんでしたね。それは私が文書で表現するよりも、赤石川にある熊の湯温泉に泊まり吉川さんに会うほうが早いかもしれません。おわり。




(05:52)
826d2f5f.JPG青森県鯵ケ沢町 白神山地を流れる赤石川も通いはじめて3年目。今年は金鮎に出会うために、この季節を選んで北海道から海を渡った。今年の赤石川は渇水が続いていたらしかったが、ここ最近の雨でようやく赤石川らしくなったと、赤石川に住む吉川さんは言う。

先日の雨でやや濁りがあるけど、あまり人が釣らないような山の中の渓流に釣りに入る。山の中の渓流になると、淵や瀬の間隔が下流域と違って狭いので、ポイントがバラエティに富む。川岸まで木々に覆われ緑のトンネルのような中で鮎を釣る。

川の中の石をにらむ。川の流れの中の筋を読む。鮎はどこにいるか。川の中で苔を食む鮎がギラリと光る。おとり鮎を仕掛けにセットし、流れの中に誘導する。元気なおとり鮎は勢いよく流れに沈む。一尾目の鮎が掛かるまでに、時間はかからなかった。

流れに筋に沈む大きな石におとり鮎が近づいた瞬間、ガクン!釣竿がしなり、手元に重量感が伝わった。「掛かった」。鮎釣りに不慣れな私は、たかだか20cmほどの鮎なのに、全身に緊張が走る。まるで幻の超大物と格闘しているようだった。水中で2尾の鮎がギラリ、ギラリと光る。ゆっくり、じっくり、足もとに寄せてくる。重い。ネットにすくい入れた瞬間。鮎との勝負が終わった。

心地よい風が木々の葉を揺らし、木漏れ日が鮎をキラキラと輝かせる。鮎を良く見ると、顔の周りに金箔が貼られたかのように、本当に金色の鮎だった。これが赤石川の金鮎と言われる理由なのか、それともどこの鮎もそうなのか、わからないけど。この森、この川、この空、この空気の中で釣れた鮎は、文句なしの世界一だった。そしてこの満足感は、次なる欲求「食欲」に変わった。







(05:17)

2006年10月01日

55982340.JPG写真は「クマゲラの森」と言われる白神山地の核心部。車止めのゲートから歩いて6時間。今まで一度も木が切られたことがない原生林にもっとも近い森。原生林と聞くと大木がたくさんあるイメージだけど。ここの森は、明るく、広く、静かだった。前を歩く吉川さんはまるで自分の庭を歩くようだった。

白神山地が開発によって木が切られ始めたとき、吉川さんは先頭に立って自分の森を守った。その結果、白神山地は世界遺産に登録され、たくさんの人が訪れる場所になった。もちろん自然保護のため狩猟、釣り、キノコ、山菜採取は禁止された。つまり、仕事場だった森を失ってしまったのである。

吉川さんにとって何がつらいのか?仕事場を失ったことがつらい訳ではない。たくさんの人が訪れるようになった訳でもない。吉川さんにとってつらいことは、森にキノコが出てても採れない。川に魚がいても採れない。クマもウサギもヤマドリも獲物がいても採れないのである。つまり山の恩を獲ることができないことがつらいのである。人と森を切り離せば、それで自然は守れるのか?マタギは森を利用しながら守ってきた。なぜ森が大切なのかを知っていた。森と人とがどう生きるか?その答えをマタギは知ってるのである。

山の恩を捕らえ、いただく。木を切り炭を作る。身の回りの自然の中で、必要最低限の物の中でマタギは生きてきた。「熊の湯」の食事は野菜が取れる季節なのに、テーブルには漬物の野菜や漬物の山菜、キノコなどの保存食でもてなされる。山に入ることが仕事だから、山に入れなくなるようなことはしない。マタギという生き方を、吉川さんの背中を見て白神の森を歩くことで、なんとなくそう感じた。



(01:03)
12aa7861.JPG今回赤石川で滞在したのが、熊の湯温泉。鯵ケ沢マタギのシカリ吉川勝太郎の孫、吉川隆が経営する宿。宿の裏に2頭のツキノワグマが檻にいる。玄関前に裏山から沢水を引いた池があり、友釣り用のおとり鮎とイワナが泳いでいる。敷地の隅に小さいけど現役の炭焼きの窯がある。必要最低限の素朴な宿だった。

料理は、山菜とキノコ、川魚がメイン。品数とバラエティが豊かで、上手に保存した山の幸で驚くほどにもてなしてくれる。

これが吉川隆が選んだ道だったとは、白神山地の核心地域を10時間吉川さんと一緒に歩いたことで知った。写真はブナの倒木から出ていたキクラゲ。

(00:29)
f7ae0e6d.JPG熊などを狩猟して生活してきた叉鬼(マタギ)は白神山地を仕事の場所としてきた。赤石川一体の鯵ケ沢マタギのシカリ(統率者)吉川勝太郎は生涯のうちで100頭以上の熊をとったと言う記録がある。世界遺産に指定された白神山地そして、マタギが生活の場所としてきた白神山地。この核心地域を歩くことも今回の旅の目的だった。写真は樹齢300年以上のブナ。


(00:13)