2018年02月

2018年02月22日

昔作ったエゾシカの毛を使ったセミフライの巻き方です。 下手ですが、少しでも参考になれば・・・



ハンドクラフト展がいよいよ明日から始まります。
まだ準備に追われております。

今日は最後の染色を終え、乾燥が終りました。
P2201665ブラック
P2201667ブラック


P2060558
P2060569P2060570P2060571黄色 

鹿の毛がもともと白い毛と、ガラのはいった毛で色の入りかたが変わります。どちらも良い感じで、作りたいフライにあわせて使い分けます。ダイド(染めたもの)は1枚1,500円です。毛がすごい密なので、薄っぺらいマテリアルと違って、ポンポンのボリュームです。それだけ中空ということで浮力は持続します。


P2201670マガモ マラードです

マガモは一袋500円です。 マガモも個体差があり、大きなカモは長い羽、良く太っている鴨と痩せているカモでも羽の質感が違います。目的は肉なので、良い部分だけの毛を抜き取って、袋に詰めました。ドライフライにもウエットにもストリーマーにも使えるので、手に取って良いものを選んでお選び下さい。

P2201671羽 2枚 対です

P2201672マラード ニンフのレッグやドライフライにぱらっと巻いたり、ウエットやストリーマーに使います

P2201675ブロンズマラード 茶色身がかったまだら模様がドライフライに入れると独特な仕上がりになります。もちろんウエットやニンフにも



そして、今回もキタキツネが1枚あります。駆除されてしまったかわいそうなキツネで、毛も有効利用と思い、1頭だけきれいにしました。

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キタキツネの毛は、ガードヘアとアンダーファーに別れます。ガードヘアーはストリーマーやドライフライにぱらっと入れるといい雰囲気です。アンダーファーはダビング材にしたり、ドライフライのウイングにすると水面にペタっと張り付いて、虫の羽っぽくなります。8cm×8cmサイズで2,000円です。


P2211694P2211695P2211696P2211697しなやかで柔らかい質感をぜひ手に取って感じてみてください。



P2090630ナチュラルのダーク
P2090632ナチュラルのライト?P2201680

他にエゾシカのナチュラルカラーは,各色あり。8cm×8cmのサイズで1枚1,000円です。ヒグマの毛は同じサイズで1枚2,000円です。


外国産のマテリアルも良いものがたくさんあります。北海道の野生で生きる動物たちの力を少し借りるのもまた楽しいものです。

私は動物は不必要に殺したくはありませんが、鹿や鴨は美味しいお肉のために命をいただいています。そして、駆除という人間の都合で殺されている生き物をたくさん見てきました。命あるもの、少しでも有効に利用でき、命をつなぐ事ができたらと思います。

フライへと生まれ変わって、楽しい釣りを演出してくれ、釣りを通じて北海道の自然環境、生き物の命。少しでも北海道の自然を思う「きっかけ」になればと思います。自然に感謝です。


東京浅草でお会いしましょう。明日2月23日から25日です。

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十勝の自然を楽しむためのガイド&ロッジ
ラッキーフィールド 
http://lodgeluckyfield.com
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(09:43)

2018年02月20日

DSC_6115十勝川の上を飛ぶオオワシ 写真はゲストの丸茂さん提供

オオワシ、オジロワシは英語でシーイグル(海ワシ)と名がつく。海にいるワシで、オホーツク海の流氷にのっているイメージがある。

十勝へもワシたちは海沿いにやって来る。12月の北風が身にしみ始めるとワシがやって来る。海ワシというだけに、海沿いにやってくるようで、12月のワシの頭の中は川を遡上するサケの群れでいっぱいのようす。十勝川も大量のサケが遡上し、そのサケの群れを追うようにワシたちが十勝川流域の木々に止まる。

数年前から有名になった、十勝のワシのなる木は、十勝川を遡上してきたサケがそこで力つき死ぬ場所の近くに立っていたからで、12月中旬から木にワシがなりはじめる(実際にな木にとまっているだけだけど、木にワシの実がなっているわけではない)。サケは川にいるサケの動きを見ていて、カラスが騒ぎ、それをワシが奪い、ワシ同士が喧嘩する。それが車から近い距離で観察できるから迫力がある。

DSC_5775十勝川に立つワシのなる木、日の出を待つワシたちは上昇気流とともに飛び始める(写真はゲストの丸茂さん提供)

川に下りてサケを奪い合うワシの姿が見れる場所というのは、本来のワシたちの姿のはずだけど、ワシが見れる道東の観察地は餌付けによって集まる場所が多い。

P1090088十勝川を遡上するサケを奪い合うオオワシの成鳥(左)とオジロワシの幼鳥(右)

ワシが観察できるのもサケのお陰なので、サケの放流、ふ化事業が成功し、サケの遡上量が増えたというのも人為的といえばそれまでだけど、太古からサケとワシの関係は深いはず。

DSC_6133川に下りてワシやカラスの動きを待つオオワシの成鳥 (写真は丸茂さん提供)


十勝川の木々にとまるワシたちも、川が氷に閉ざされると、サケを獲るのが困難になって、ワシたちが山へと移動し始める。だいたい1月下旬ころ。それでも気温や川の流れ、カラスの努力で氷の中からサケがでてくるので、それを待って川でねばるワシたちが、2月でも3月でも観察する事ができる。数羽ならたいてい見る事ができる。ただ、今年は十勝川のサケの遡上が少なかったために、川で死に絶えたサケも少なく、比例するようにワシたちも少なかった。

P21001452月雪や氷の中のサケを待つオオワシ (2018年2月10日撮影)



そして山。

P21101732月11日雪が60センチほど積もった森

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川のサケが減ると、次にワシたちが考えることが、エゾシカのお肉。

もちろん、ワシが自ら人間よりも大きなエゾシカを仕留める事ができないので、ワシたちが狙うのはハンターが獲った鹿の残滓(ざんし)、いま北海道での行われているエゾシカ猟は基本的に撃った鹿はすべて車で持ち帰ることになっているが、回収困難な場所や私有地では、その場での適切な処理ということで、鹿を土や雪に埋めるということで処理されている。この処理後の鹿がワシたちのお目当てになる。(ひと昔前に、ワシの鉛玉中毒から鉛玉の使用が禁止になったがその問題はまた別の機会に)。そもそもそれは、かつては北海道に分布していたオオカミたちの仕事で、オオカミが絶滅してしまった現在、冬のエサの乏しい厳しい自然を生延びる動物たち、テンもキツネもキツツキやカラ類たちにとっては、鹿の肉をあてにできないというのは過酷なものだと思う。




そんな理由で、1月下旬ころには川でサケを食べていたワシたちは、山奥へと移動し始める。海ワシだけど山ワシというか。この山ワシはカラスと一緒に行動するかのように、カラスがエサを見つけて騒げばワシたちも集まって来る。1頭の鹿がその場で倒れたら、カラスから始まり3日後には食べ尽くされ、ワシもカラスも消え去る。残った骨についた肉をカラ類やミヤマカケスが突っついている。

なので、山ワシの動きは、予測不可能。あっちの山で鹿が倒れればあっち。こっちの山で鹿が倒れればこっち。と毎日動きが変わるので、ハンターのあとにくっついているのが一番かもしれない。 

1週間前だった。
P21101872018年2月11日

たまたまエゾモモンガのガイドで巣穴に行くと、巣穴から50mほど先からオオワシ5羽とオジロワシ3羽が飛び立った。まだ日の出前の薄暗い時間だった。明るくなってワシたちが飛び立った場所をみると、角の大きな鹿が倒れていた。 この日は1日、エゾモモンガを観察するために巣穴の前でねばっていた。鹿を食べたいのに、人が近くにいるので、カラスやワシが飛び交っていた。ワシの観察には最高のスチュエーションだったけど、ワシやカラスが騒ぐことで、エゾモモンガたちは警戒してまったかく巣穴からでてくれなかった。
P2110175見晴らしの良い枝からこちらの様子をうかがうオオワシ

P21101821km先の太い枝にとまったオオワシ2羽


お昼を過ぎて、キーキーとトビの声ににた声が聞こえてきた。遥か遠く、1km先、午前中はオオワシのなる木だったのに、声の発する元をみるとクマタカが止まっていた。こちらの様子をうかがうように、腹を空かせて鳴く声が森に響いていた。

P2110243午前中にオオワシが止まっていた枝にとまったクマタカ

P21102423時間ほど同じ枝にとまりつづけている幼さを感じるクマタカ mountain hawk eagle



夕暮れがせまり、雲がオレンジ色に色づきはじめたころ、エゾモモンガの巣穴の先の鹿の元に、何かが下りたのを見つけた。そっと近づくと、一羽の大きなクマタカが下りていた。真っ黒い顔は年を重ねた老鳥で、こちらの様子を振り返った時、年季の入ったクマタカ独特の赤い目は私の心に突き刺さった。

P2110247私たちの様子をうかがいつつも、鹿の肉をむさぼるように食べるクマタカの成鳥、雄ジカの角が左に見える。




クマタカは日本全国に分布する鳥だけど、私でも年に数度しか出会えない鳥で、それが50m先の雄ジカに下りて、肉を食べている。10分ほど私たちを伺いながらも肉を食べ、去っていった。ヒグマや大きなイトウに出会ったときの、感覚に似た残像が心に響いていた。

P2110256P2110268クマタカ (kumataka )mountain hawk eagle


話しがクマタカにそれたけど、海ワシたちの動向は、1月中旬から海から山へとうつる。そして、3月になると、気温が上がり、川の氷がとけ始めると、十勝川下流にも再びワシが集まって来る。これは、氷が融けてでてくる魚をねらっている。特に十勝川の湖沼。沼の氷が融けると、酸欠で死んだと思われるフナが氷の中からたくさん出てくる。そのフナに集まるワシたちの行動も面白い。


P4073275沼に下りたワシたち
P4073262エサを見つけると、他のワシも飛び奪い合う、そしてまた氷で休むP4073288P4073297P4073298ワシたちの周りでは、ホオジロガモ、カワアイサ、たまにミコアイサなどがいる




氷の融けかたは気温次第で予測が難しいところだけど、3月下旬から4月上旬。氷が融けはじめ、沼に水面が見え始めると、多い時には20羽ほどのワシが沼の氷の上にのったり、木にとまる。氷を割って沼の中から魚を獲るワシがいたり、獲物を奪い合う姿が観察できる。沼の氷がすべて融けてしまうとワシたちもいよいよ南へと帰っていく。1週間ほどの短い期間だけど、3、4月のワシのチャンスも面白く。幸運にもいい日にあたることがある。北から渡ってきたオオワシ、オジロワシは4月下旬には北へと渡り、十勝で繁殖するオジロワシが5月から11月までところどころで観察することができる。



おまけ、先日ロッジの台所で鹿肉を処理して、痛んだ部分や使えない部分をトリミングしてでたシカ肉少しだけ庭の雪の上に置いてみたら、次の日にはカラスが10羽、オジロワシが4羽集まっていた。それも1日で食べ終えて、ワシたちも去った。どこから見ているのか、鳥の噂というのはすごいもの。

P2161576庭のエサ台にはキツツキやカラ類が鹿の脂身を求めてやって来るけど、オジロワシがくるとちょっと怖い。 


P2161573キツネも騒ぐカラスの様子をみて、匂いを嗅ぎ分けてやってきた


十勝のオジロワシ、オオワシの観察をまとめると、
・オオワシ、オジロワシは本格的がやってくるくのは12月1日から。
・十勝川のサケをねらうオオワシ、オジロワシのピークが12月15日から1月10日ごろ。
・十勝川から山奥へとオジロワシ、オオワシが分散しはじめるのが1月中旬ころからで、集まる場所は残滓のある場所次第で日によって場所がちがう。
・1頭の鹿の残滓があると、そこにはたくさんのワシが集まる。
・3月中旬から4月上旬にかけて、十勝川下流域の湖沼群にオジロワシ、オオワシがあつまる。
・5月から10月は十勝で繁殖するオジロワシが見られる。
・ワシたちはカラスの同行をみている。
・鹿の残滓に集まる時は、キツネや他の野鳥類も観察できることがある。
・まれにオジロワシはロッジの庭にも来る。
以上が、十勝のオジロワシとオオワシの状況でした。




十勝の自然を楽しむためのガイド&ロッジ
LodgeLuckyFiled : http://lodgeluckyfield.com
ガイドや観察、撮影は詳しくは、HPをご覧ください。

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(10:24)

2018年02月17日

そろそろか?
ゴジュウカラのさえずりに、太陽の力が強くなったことに気づく。昼の気温も緩み、風を感じない太陽の暖かさは、あそこでライズしているのでは?と気持ちが川に飛ぶ。

イヤイヤ、


まだ早い。

まだまだ冬にやっておかなければいけないことがある。
でも、この空なら、どこかで。


そろそろフライを巻き始めようと思うこのごろ?
その前に、自前で仕留めたエゾシカと鴨の羽を準備しました。
今年は、エゾシカのナチュラルとダイド各色、そしてヒグマも販売います。


P2141443自然乾燥が終わり

P2141464バラバラにすると、


エゾシカパズルの完成です。


P2030456部位ごとに色、質感が違うのがエゾシカの面白さでもあります。

背中の毛は色が濃く、脇腹はグレイ、エゾシカのモットルド模様が特徴的です。腹周りは色が薄くなり、お腹の下はまっ白です。下っ腹あたりは細く柔らかく長い白い毛でいいストリーマーが作れます。


ドライフライを作るなら、背中や脇腹の部分の毛で、雨や雪から身を守るために油分と中空構造が水をはじき、よく浮き、浮力が持続します。冬毛に生え変わったばかりの11月から1月の雌の毛並みの良い鹿のみを選んでますので、その良さは実際に手に取って感じてください。そして流れにのせたときのエゾシカの独特な虫っぽさにニヤリとします。

P2141485背中周りのエゾシカのモットルド模様ナチュラルダーク

P2141486寒い冬を越すために中空の毛が高密度に生え、アンダーファーが少ないのがエゾシカの冬毛の特徴です。

P2030453ナチュラルのダーク

P2030452ナチュラルのグレイ

P2030451ナチュラルのライト?

P2030450ナチュラルのホワイト 

P2090695オレンジに染めたもの

ダイド(染色)はもともとの毛の色で色の入り方が違います。白い毛は鮮やかに発色しますが、ダークからも独特の色です。

P2090691ナチュラルのダークのオレンジ

P2090673

P1280390ブラック

P1280402ブラック 


ヒグマは私が獲ったものではなく、駆除されたものを譲っていただきました。人間の都合で駆除されたヒグマですが、使える部分は少しでも使ってあげれたらと思いました。エゾシカも洗浄が大変ですが、ヒグマは3倍苦労しました。

ヒグマは毛も皮もとても丈夫で、全然切れません。ヒグマの毛も中空ということですが、本当かどうかはわかりません。ですが、確実によく浮きます。もちろん水に馴染んだ感じも、水にもまれた虫の羽のような感じで独特です。ヒグマの長い毛はドライフライの他にストリーマーにしても重宝します。アンダーファーはドライフライのダビング材としても独特な虫の質感がでます。

P2161550ヒグマ

P2161556ヒグマ

P2161558ヒグマ

P216154840枚限定です。

今回もつるや釣り具店さん主催のハンドクラフト展に出展しますので、近くにお住まいの方はぜひ遊びにいらして下さい。 また、通販でもお売りできますが、鹿の毛は色も質感も若干ことなるので、写真とイメージが違う、ということがあるかもしれません。

エゾシカの毛 ナチュラルカラー(サイズは8cm×8cm)1,000円。 ダイド(サイズはナチュラルの8cm×8cmのものを染めたもので少し縮んでます)1,500円。 ヒグマ(サイズ8cm×8cm)2,000円。マガモはマラード、ブロンズマラード、CDC(各500円で販売)がありますが、数に限りがあり、すぐに売り切れてしまいます。


ヒグマの毛を使ったフライです。
P6050033本物のセミ

P6270020偽物のセミ ウイングの羽の質感にヒグマがいい感じです。

P5070018春のワカサギの産卵に合わせたイトウ釣りのパターン。 ワカサギの背中のカラーにヒグマを使います。



2018_hand_s-1ハンドクラフト展の詳しいことは、つるや釣り具さんのHPまで http://www.fly-tsuruya.co.jp


またエゾシカの毛とエゾシカの毛で作ったフライは、ロッジラッキーフィールドのHPもご参考ください。http://lodgeluckyfield.com/Fish-Ezo_Deer_hair.html


P9110168good luck !

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(19:53)

2018年02月05日

エゾモモンガ
Siberian flying squirrel

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どこにでもいるようで、どこにいるかわからないエゾモモンガ


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夜行性と言われるエゾモモンガだけど、夜行性とはかぎらない


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空気も凍る針葉樹の森の夜明け




P1264745音が無くなり、鳥たちも静まり返る日没後の青い世界


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人目につかず、行動もよくわかっていないエゾモモンガたちと1月を過ごした。


2018年1つ目の大仕事は、イギリスBBC放送のエゾモモンガの撮影のサポートだった。


帯広畜産大学の野生動物学研究室の先生のご紹介で、イギリスのBBC放送のエゾモモンガの撮影をお手伝いさせていただくことになった。帯広畜産大学は昔からエゾモモンガの調査や保護活動に力をいれていて、エゾモモンガについての論文も数多い。夏のエゾモモンガの行動については、帯広畜産大学で把握してるが、冬の行動についてはサポートできないということで、私に話が回ってきた。今回の撮影はドキュメンタリー番組の中の1部で、極寒の自然を生き抜く野生動物のなかで、エゾモモンガがどのように冬を過ごしているかというテーマだった。


エゾモモンガは十勝の平野部の防風林や公園、神社から、標高の高い針葉樹の森、国立公園までと幅広く分布していが、今回は「雪深い寒さの厳しい世界で暮らすエゾモモンガ」というのが今回のテーマだったので、私の知るなかで一番寒い場所でなおかつ、針葉樹の美しい森で暮らすスタッフ(エゾモモンガ)を紹介することにした。この巣穴は鹿を探して山を歩いている時にたまたま見つけた巣穴だった。




エゾモモンガの行動は夜行性と言われ、夜明けから日の出までの1時間か日没から真っ暗になるまでの1時間が肉眼で観察することができ、撮影できるチャンスでもある。それが12月から2月という一年でも寒い時期の早朝と夕暮れ。ときにはマイナス25度まで気温が下がる世界。普通の人間なら1時間も巣穴の前でじっとしていたら、ギブアップしたくなる寒さのなか、9日間という撮影期間を、バッテーリや機材、寒さ対策など野生動物専門のカメラマンがどうするか。エゾモモンガの行動よりもカメラマンの行動のほうが私には興味深かった。



12月から各場所の巣穴のチェックを終え、3つの巣穴にまで的を絞り撮影が始まる。熟練のカメラマンのケビンさんとの会話は、先週はコスタリカでウミガメのふ化の撮影だったとか、シロクマの恐怖のなかでの撮影の話し、マラリアに2度も感染したなど、自慢げに話す姿は本当に好きなんだと共通するものを感じた。

P1224761イギリスから2名、東京から1名の合計3名のクルーの荷物 荷物の量もワールドクラス 「チビちゃん、触るなよ〜」




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P1234751P1234761はじめの3日間はロケハンに徹し、撮影の条件に合う巣穴をリサーチャーのターシャさんと一緒に回る。その間中カメラマンのケビンさんは巣穴の前で張る。動物にプレッシャーを与えないように、巣穴の前にはカメラマンのケビンさん1人のみ、もしくは私と2人で静かに待ち。他の2人は別の場所のチェックや食料の調達、許可申請の確認などあちこち走る。効率のいい役割分担もまたさすが。


P12447461月24日 朝6時に現地に到着、真っ暗な森に手が届きそうな星空のした、車のライトにダイヤモンドダストがキラキラと輝いていた。ピリピリする寒さが鼻にツンと突き刺さる。マイナス15度ほどの夜明けだった。


P1244749ゆっくりと明るくなった森で、現れるはずの時間になっても2匹のエゾモモンガが出てきただけで、活発に活動するわけでもなく、トイレだけをすませて巣穴に戻ってしまた。日の出前に活動を終えるはずのエゾモモンガが活動しなかったことで、昼に活動するのでは?と期待して、巣穴の前で待つ事1時間。


P1294804太陽も出てきた7時過ぎに一匹のエゾモモンガが現れた。


トイレを済ませたら木の上にのぼり、滑空して隣のハルニレの木に飛び移り、枝の先の花芽を夢中で食べている。位置を伝えようととするけど、これがまたとても難しい。

私:「うーんと、あの右側の太い枝の分かれめから3mくらい上の、向こうにのびている枝の、あの折れている30僂らい枝の、その50センチ上のあそこ」。


ケビンさん:「うーん、どこ?」


私:「よし、じゃあ、もう一度、下から。あの枝の、その先の・・・」


ただでさえ日本語でも難しいのに、これを英語で伝えなければいけない。いっそのこと、「カメラを貸して、私が操作するから!」と言いたくなるのをこらえつつ(と言っても大柄のケビンさんなのでモニターまでは私が背伸びしてやっとなので、辛い)。それでも、モニターを見ながら、奥の枝を見たりして、エゾモモンガをカメラに入れた。

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P1244769カメラにさえ入れば、超ズームでも美しくモニターに映し出される姿は、さすがBBCカメラだった。




巣穴からでてきたエゾモモンガはハルニレの芽を30分から1時間半かけて食べたら、巣穴に戻り。10分から20分後には別のエゾモモンガ巣穴からでて、ハルニレを食べるという行動で午後1時まで撮影することができた。夜行性と言われるエゾモモンガが明るい時間に見せてくれて幸運だった。


撮影は8日間休むことなく、毎日続けられた。早起きの毎日だったけど、エゾモモンガたちとの出会いは、毎日違った行動や顔を見せてくれ、飽きない。


クルーたちも毎日エゾモモンガが出てくれ、撮影も順調に進んでいるお陰で、最初の2,3日は、待っている間は声を潜めて、物音立てずの撮影だったけど、4日後には、車のドアもバタン、待っている間中お菓子の袋をガサガサ、ゴソゴソ、「あっ、また出てきた」と大きな声を出して教え合うほど。エゾモモンガもまったく気にする事なく、毛繕いしたり、木をのぼったり、滑空したりとお互いにリラックスした撮影で日が経った。


P1290423バッテリーが冷えないように、暖かい帽子で包まれている


動物カメラマンのケビンさんの動物へのアプローチは、さすが素晴らしい野生との距離感だった。遠くから、少しづつ、動物の行動を観察し、理解しながら、どう動くかを、どこから撮影すべきかを見極める。1日、2日、3日と時間をかけながら、太陽の位置や行動パターンにあわせて、場所を決めて、彼らの行動をひたすら待つ。1日目、2日目に撮った映像と5日目に撮った映像はまったく違い、エゾモモンガの仕草、愛敬までを鮮明に撮影していた。それでも「8日間の撮影じゃ時間が足りない。ぜったいに満足しない」と言う。ここにずっといてもいい事になれば、おそらく2ヶ月くらいは平気でここでじっとしているだろう。だからこそ、プラネットアースやブループラネットのような「どうやってこんな映像をとるの?」という野生動物の撮影ができるのだろうとうなずけた。やっぱり、その道のプロフェッショナルというのは面白く(変態?)、とてもいい勉強になる。


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P1294783コーヒーが入ったボトルと凍ったパンがあれば、おそらく3日は黙ってじっとしていることだろう。



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P1274828エゾフクロウにも出会う事ができた。

P1274835ロッジに戻って撮影した映像を自慢げに見せてくれた。生で見てもとても可愛らしいエゾモモンガだけど、映像で飛ぶ瞬間やスロー映像をみるとその仕草が特別際立ってみれた。どのように編集、放送になるかが楽しみだ。


撮影が順調に進んだのも、各クルーたちの役割分担の徹底。そしてうちのスタッフ(エゾモモンガ)たちも約束以上に姿を見せてくれたお陰、さらにナギサさんの温まる料理も美味しくて、メンバー最高に楽しんでいただけた9日間の十勝滞在だった。

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IMG_3725貴重な経験ができた9日間でした。放送は来年あたりということです。


P1234764 ナターシャさんから1ヶ月後にメールをいただきました。

Thanks so much again for being such wonderful hosts last month. Lucky lodge is such a beautiful home and your venison truly is the best thing I have ever eaten! It was a real treat to be shown around Hokkaido by such an enthusiastic and knowledgeable guide, thanks for taking us to the squirrels Yoshi! We've already processed the footage and it's looking fantastic – will send you some clips when I can :)

I just wanted to check whether you received our gift in the post? It should have arrived a few weeks ago but thought I'd better make sure in case it got lost in transit?

Hope to hear from you soon :)

Tash
Natasha Filer | Researcher
BBC Natural History Unit
EARTH FROM SPACE



エゾモモンガの写真撮影、ガイドについて・・・・


エゾモモンガの撮影は、300mmから600ミリくらいのレンズがオススメ。基本的には朝か夕暮れの薄暗い時間の活動と撮影になるので、三脚が必要です。照明やフラッシュはエゾモモンガのためにも美しい写真のためにも使いません。ISO感度の高いローライトカメラがあればなおよく、BBCのカメラマンのケビンさんはNIKONやキャノンもいいけど、ソニーがローライトには優れていると絶賛していた。たしかにソニーのα7s2は、ミラーレスでISO感度はすごい。


私の場合、エゾモモンガの撮影は、特別いいカメラを持っている訳ではないので、夕暮れになるとたいていピンとが合わなくなり、シャッターが切れなくなるなる。だた、現在撮っているのは、スワロフスキーのフィールドスコープのレンズが特別明るいので、スコープにデジカメをくっつけて撮影すると、私の一眼レフでは撮れない暗さでも明るくとれる。600ミリくらいの倍率で大きく撮れる。

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デジカメだけでなく、スコープにスマホのレンズをくっつけてもそれなりに撮れる。なので、絶対に高いカメラでないと写真がとれないというわけでもなく、記念に、記録にだったら、エゾモモンガが動かないでじっとしててくれたら、こんな感じに丸く枠がついて撮影ができるP1294804P1244828


カメラはお金をかけたらキリががない、いいカメラがあったらと思いつつも、三脚やカメラ、レンズなど装備が大きくなって重くなれば、動物を探して、森を歩く行動範囲も限られてしまう。双眼鏡一つでお弁当もって山を歩ければと思いつつ、写真もまた面白い世界なので、自然は飽きない。


最後に少し、宣伝ですが・・・



エゾモモンガなど野生動物の撮影、写真のガイドは、プライベートで行っているので、他のお客様と一緒に行動すすることがないので、その分ガイド料金は少々お高くなってしまい申し訳ありませんが、冬道のツルツル路面の運転や、移動時間や撮影の時間配分や動物が出て来る山の時間にあわせて、お客様の見たい動物や時間、装備、体力など、ご要望に合わせた一日を状況やその日の天候をみて相談して決めることができます。



12月から3月までは、野鳥、エゾモモンガがメインで、またワカサギ釣り&氷上天ぷらも、冬のオススメです。4月から12月も自然はいろいろな姿を見せてくれますが、魚釣りに専念していますので、撮影、写真のガイドはできません。

詳しくは、ロッジラッキーフィールドのHPから、メールでお問い合わせ下さい。料金の見積もりやご希望など伺い、アドバイスできることがあればと思います。

十勝の自然を楽しむためのガイド&ロッジ
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http://lodgeluckyfield.com

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